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炊飯と論文

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Cooking rice with le creuset今日、ふとタックスフリーのとあるお店でルクルーゼのココットロンドの24センチが110ユーロという破格だったので衝動買いし、とりあえずご飯を炊いてみました。はじめチョロチョロなかパッパ、とつぶやきながらやってみたところ、5合の大量のご飯が本当にあっという間に炊きあがりました。ルクルーゼ炊飯は実はどうなの、といつも思っていたので、ついに実験できて嬉しいです。ガスで炊くのはやっぱり美味しいよねぇと思ってはいたんですが、味に集中するからなのか何なのか、食べてみるといつもより甘くて美味しい気が、しないでも、ないです。あと、写真ではもう混ぜたあとなので伝わりづらいのですが、蒸らしたあと、蓋を開けてすぐのお米、光って立ってました。キレイ!と思わず言ってしまうほどでした。

ところでこれで思い出したんですが、私は小学生の時に6年間姉と一緒にYMCAのボーイスカウトガールスカウト的なクラブ、インディアンズクラブというものに入っていて、そのクラブは月に2回(2週間に1回を6年間ですよ!)本格的すぎるアウトドアを修行的に行うクラブだったんですね。「キャンプを楽しむ」というよりは「キャンプを生き抜く」といった感じでした。小学生にはちょっと辛すぎるサバイバルだったと思います。3時間以上山を登ったあげく、「これキャンプ場?」と思うような何もないところにテントをたてて(今時のブワっと広がるやつじゃなくてシート状態で床と上のテントが別になっている古典的なやつです)、トイレがない場合はトイレを造り、そのあたりからそれらしき石を拾って来てはかまどを作って、山登り中みんなで手分けしてリュックにぶら下げてせっせと運んだ飯盒で必死にご飯を炊く、というのがそのクラブではほぼ日常でした。

調理のときはタイマーなんてないので、お米を洗って浸水させたら、みんなで「デューティー」といいながら清掃をしたりして時間をつぶし、山に枯れた木を拾いに行っては「それ幹の皮が濡れてるよ」とかお互いに注意しながら木の切り株の上でナタをふるって薪を準備するのです。ナタを使うときは軍手をしているのでそこまで大事には至らないのですが、インディアンズクラブの子供の誰もがナタで切り傷をつくってました。私も未だに左手の人差し指にスっと線が入っています。私の両親を含め、みなさんそんな傷を見ても「へー頑張ったね」というような対応でしたが今ドキの親御さんだったら大変なことになってたでしょうね。そして「リーダー」と呼んでいた大学生のボランティアの人にマッチを2本ほどもらい(貴重)、細くささくれだった小枝に祈るように火をつけ、お米を炊いていました。細い木の枝を飯盒の蓋に押しつけ、「沸騰した!」となるとゴウゴウ燃えている薪は取り除かれ、炭状態になったものだけにするか、あるいは飯盒をぶら下げている枝をさらに高くして火から遠ざけたり、と「弱火」にする苦労があったことを思い出します。そして木の枝を押し付けても何の反応もなくなったら火から下ろして、飯盒を逆さまにして草を敷いた地面に置きます。そして何故か、大量の草で飯盒の底をこれでもかとばかりにゴシゴシするのです。これをやっておくとあとで洗う時の苦労が全く違うのです。そしてできたご飯はもちろん成功作もあれば失敗作もあるのですがそんなの関係なく、本当に心の底から美味しいと思っていました。「プロセスの苦労」というものが食べ物の最高の調味料になるのですね。芯が残っていようが、水っぽくなってしまおうが、コゲコゲになってしまっていようが、ニッコニコしながら美味しいね!と友人同士お互いを褒め合って、みんな一粒残らず食べていました。

最新式の高級炊飯器でスイッチポンでできるご飯も確かに美味しいですが、プロセスを経て心理的に美味しく感じているご飯って、舌の上では科学で解明できない何らかの化学変化が起こって美味しく感じるんでしょうね。何が言いたいかというと、まったく論理的に説明はできませんが、ルクルーゼのごはん、炊飯器のご飯より確かに美味しく感じました。

さて炊飯についてはこれくらいですが、前にお伝えした論文がやっとやっと印刷されたのでお知らせです。"State of the art on the initiatives and activities relevant to risk assessment and risk management of nanotechnologies in the food and agriculture sectors"(「食品と農業分野におけるナノテクノロジーのリスク評価とリスク管理に関する計画や活動の最新の状況」というような和訳です。長くてすみません。)というタイトルなんですが、なんと11月19日までは無料でフルテキスト読めるので興味ある方はその日までに是非ここからダウンロードしてみてください。その後はElsevierの購読してない方は有料になるそうです。いやぁ長いプロセスでした。やっと終わりです。次は何を書こうかしら。

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Dubrovnikここのサイトに載せるのをすっかり忘れていましたが、私そういえば1月の週末に職場の日本人の知り合いの女性に誘っていただいてクロアチアはドゥブロヴニクに行ってきたのでした。写真が世界遺産の旧市街。山の上から撮影しました。クロアチアは仕事で何度も行ったことがあるのですが、行くのは仕事の都合上オシェックという内陸の町で海岸が美しいといわれているこの国の一番の魅力を味わうこともなく仕事に追われていました。なので誘っていただいたのをいいことにすぐに行く!と返事をしてさくさくっと航空券とホテルを予約してくっついて行ったのでした。真冬なので観光客がほとんどいないということで、まあそれは善し悪しだったりするのですが、それなりに楽しく過ごせました。

Dubrovnik滞在中のお天気はあいにくの状態でしたが、こちらがホテルのテラスからの景色です。旧市街が一望できてとても素敵。海は遠浅になっているようで、底まで見える美しさでした。旧市街を囲っている城壁は登って歩いてまわることもできて、私たちも例外なく数少ない観光客に混じって歩き回りました。小一時間ほどで回れるサイズになっています。城壁から旧市街を眺めると、その美しいオレンジ色に統一された屋根がすべてなんだか新しく見えます。そしてハっとするのですが新しく見えるのではなくて、新しいのです。90年代の内戦でこの旧市街は壊滅状態になってしまったのでした。上のリンク(こちらもういちど)をクリックすれば分かるのですが、一部、オレンジ色や黄色、土色などが混ざっている屋根が、実は本来の昔のままの屋根。きれいなオレンジ色のものはすべて内戦後のものなのです。ほとんどすべてです。

観光シーズンには信じられない数の観光客、ほとんどがドイツやイタリア、ロシアなどから訪れるそうです。韓国からの観光客も多いみたいですね。そんな活気のあるシーズンにも是非いってみたいと思えるほど、90%以上のお店やレストランが閉店していました。彼らにとっては冬がバケーションシーズンなのですね。

さて、全く関係のない話しですが、つい最近、ここ1年ほどああでもないこうでもないと書き直しをやらされていた論文がやっとアクセプトされたのでお知らせです。まだプルーフも来ていないので私自身が論文の最終稿をこの目で見ていないのですが、こちらがパーマネントリンクだそうです。関係者のみなさま、ありがとうございました。なんとか一段落です。

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母校での光栄な表彰

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[下に追記しました(2013年11月26日)]

前回のエントリーからもう1ヶ月以上も経ってしまいました。最近いろいろなことがありすぎて、ちょっと更新頻度は低めですが私はなんとか元気です。今が頑張り時です。

前回アメリカに、そして長い事住んでいたPullmanに行ったことを書きましたが、なぜ行ったかということを書いていなかったので、記録のために書いておこうと思います。この話は99.9%自慢話になってしまうことが確実なので、自慢話が嫌いな方はここで読むのはやめてくださいね。私のことを温かく見守ってくれる大事な家族や友達、知人、今までお世話になった皆さんに向けて書いています。

まずはこちらごらんください。私の母校、ワシントン州立大学のニュース:WSU News: UN food safety officer receives top alumni award(意訳:WSUニュース:国連食品安全官が卒業生アワードを受賞)

ウェブサイトはニュースアーカイブなので、後々消えちゃうと悲しいので上半分だけですけど、スクリーンショットとってみました(以下)。クリックすると大きくなると思います。

WSU_Award_Full.jpg

なんと私の愛すべき母校の卒業生組織(アルミナイ・アソシエーション)が、私が現在進行形で世界の食品安全に貢献しているということで表彰してくださったのでした。なんという光栄なことでしょう。数ヶ月前にこの賞をいただけるということを組織から教えていただいたのと、博士課程での私の教授であったV.H教授とそのご主人(彼も教授)、私をその賞に推薦してくださったV.Sさん(アメリカのフィリピン大使やアフリカの様々な国の大使を勤められたカッコいい女性です)が表彰の時にはPullmanに集まってくださるというお知らせをいただいたのとで、私も主人のAさんと一緒にバケーションついでにアメリカ旅行を計画して行って来たというわけです。

Pullmanこちらいただいた表彰状です。なんだか重々しくてすごく嬉しい気持ちになりました。表彰式が終わってお食事会の時も、ずっとずっとみなさんが私を褒めてくださったり勇気づけてくださったりするので、一緒にいた主人のAさんのほうがウルウルとなってしまっていてそれを見た私がそれからやっとウルウルしたりしてなんだかわけが分からないことになっていました。Aさんは褒められたりすると涙腺がゆるくなるタイプなので、きっと感極まったのでしょう。私はというと、日頃はなかなかウルウルしないAさんがウルウルしているのをみて感極まりました。

そして思ったんですが、こうして目に見える形として表彰していただいたり、貢献を認識していただいたりするのは本当に光栄なことですが、まわりを見渡すと何一つとして私だけでやったことはないなと、当たり前のことにまた気づかされます。V.H教授への感謝ももちろんですが、よくよく考えると、単身赴任を許してくれるどころか、積極的に応援してくださるAさんやAさんのご両親、心配しながらもいつも支えてくれる両親や姉家族など、やっぱり家族以上に私のことを考えてくれる人はどこにもいないと思うとハっとします。日常に流されていてはいけない、と心から思います。毎日毎日、みんなに感謝しなきゃ。

これからは私は支えられてばっかりじゃなくて、私が家族を支えたいと強く思っています。彼はここはあんまり読まないかもしれませんが、Aさん、いつも離れてる妻でごめんなさい。いつも本当にありがとう!

(追記:2013年11月26日)この件に関してのメールたくさんいただいています。ありがとうございます。個別にお返事させていただいています。また、食品科学学部の方からもお知らせいただき、ニュースになったということでリンクさせていただきます。上のと同じような内容ですが少し写真が多いです。

United Nations food safety officer honored with WSU Alumni Achievement Award

また消えちゃうと悲しいので、上半分だけスクリーンショットとってみました。

WSU_Award_web.jpg

以上追記でした。

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ちょっと仕事の話

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週末にローマに帰ってきました。涼しかったエディンバーグから、日本の夏並みの蒸し暑さのローマへ。気温は毎日35度くらいになります。それでも私は夏のローマが好きです。ローマっ子たちがみんなローマの外にヴァカンツァに出かけるので、圧倒的に人が少ないのです。職場もがらーん。ランチも全く列を作らなくて良い状態でラクラクです。いつもこうだといいのに。

ということで、仕事もどんどん進みます。といっても、それはもちろん仕事によるわけで、チームワークが必要な仕事は全く進みません。チームの半分以上が夏休みだからです。でもひとりでできることはガンガン進みます。電話はほとんどかかってこないし、ミーティングもいつもの半分以下だし。

そこで今日、私はずっとあたためていた論文をえいやっ終わらせることに成功しました。3人の共著なので私だけの功績ではなく、実はひとりのスイス人の専門家がほとんどやった研究なのですが、彼が忙しすぎて論文にできないまま数年たってしまったので、「わたしやりましょうか?」といったらすんなりファーストオーサーくれました。でも今日最初の提出をしたばっかりなので、アクセプトされるのは(されるとしたら)来年の春頃かな。いやぁ、このプロセスを経験したことがある方なら分かると思うんですけど、この最初の一歩が強烈に面倒なんですよね。Elsevierのシステムなのでわりとサクサクのはずなんですけど、それでもやっぱり終わったときの達成感が、わりと強烈です。でもまだ次のリヴィジョンもあるし、まだまだ続くので達成感を味わうにはまだ早すぎるんですけど。

そしてその論文に関連した、所属機関の出版物もひとつ完成させました。私はナノテク担当なのですが、このページの右上のものがその本。これも2012年からずっとやっているものなので、出版できて本当に良かったです。ずっとやってきた何かが形になるのは、いくら仕事とはいっても嬉しいものですね。一緒に仕事をしてきた世界保健機関のオフィサーの方々も偶然日本の厚生労働省からの出向の方々だったので、楽しくお仕事できました。こんなところは絶対に見ていないと思いますが、Kさん、Mさん、ありがとうございました。いつもせっかちですみません。

さて私の夏休みまで一週間を切りました。あともう少し、このガラガラな職場環境でストレスも少ないはずなので、頑張って仕事しまくろうと思います!

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最近論文を全然書いていないのでこれからの研究キャリアがちょっとだけ心配な私ですが、1年ほど前に書いた論文がやっと出たみたいなのでお知らせです。恐ろしいことに、この論文、一字一句すべてを私が書いたのに、なぜか私セカンドオーサーです。どうしていつのまにこんなことになったのかわかりませんが、まあこういう世界では良くある話みたいですね。今までアメリカでとても良い教授たちに囲まれて素晴らしい研究生活を送っていて、イニシャティブをとった人がファーストオーサーというのが当然な世界だったので、こういうことに非常に疎くて未熟でした。

でも、私の心は私がこれをすべて書いたことを知っているので、大丈夫です。一単語も書いてないのにファーストオーサーになれる人というのはきっと自分の心を最初から最後まですっかり騙してしまっていて、恥ずかしいとすら思わないのでしょう。むしろ『私がプロジェクトのスーパーバイザーだからファーストオーサーになって当然』と思っているかもしれません。「オーサー」という言葉の意味を完全に忘れていますね。そしてラストオーサーがスーパーバイザーであることが殆どなアメリカの研究社会では私がスーパーバイザーと思われる可能性すらあります。まあ、私も初めて自分がセカンドオーサーだということに気づいたときはあごが外れるかもと思うくらいに唖然としましたが、今はまあ、こういうこともあるか、という気分ですね。

さて、下のサマリーページのリンクではサブスクリプションがないとフルテクストは見ることができません。フルテクストの部分をクリックすると、パスワードを知っている方だけ見れます(ユーザーネームもパスワードも私の母の旧姓、あるいは私の義母の旧姓のどちらでも大丈夫です)。パスワードを知らないけれど、読んでみたいという奇特な方はメールをいただければ送付させていただきますのでお気軽にどうぞ。

An FAO programme for improving the quality and safety of fresh fruits and vegetables through a practical approach. 2008. Journal of the Institute of Food Science and Technology. 22(2): 50-53. (Drs Maya Piñeiro and Masami T. Takeuchi report on a practical initiative to prevent hazards in the fresh fruits and vegetable chain.) [ Summary Page | Fulltext ]

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論文が出たのでお知らせです。といっても9月に出ていたのを忘れていたんですけど。これは私たちがやったプロジェクトのまとめ的論文で私はセカンドオーサーですが、780ページあたりから782ページ、784ページから788ページ、ディスカッションの一部、などを担当して書きました。やっと出てよかった。これでこのプロジェクトの論文は完結です。下のリンクではサマリーページは誰でも見れますが、エメラルド社のサブスクリプションがないとフルテクストは見ることができないかもしれません。読んでみたいという奇特な方はメールをいただければ送付させていただきます。

Food safety education initiative to increase consumer use of food thermometers in the United States. 2006. British Food Journal 108(9): 775-794. [ Summary Page | Online Full-text (HTML) | Full-text (PDF) ]

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鳥インフルエンザ論文

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2月に「お仕事&タイの研究成果」というタイトルで、週末オーサーとしてEIDへの論文を書いたよというようなことを書いたんですが、私の家族は覚えているでしょうか...。その論文ですが、結局4ヶ月を経て掲載されることになりました。ついにEIDデビュー、正直はっきり言って嬉しいです。といっても前にも書いた通り、レター枠の投稿なのでインチキ論文なんですけどね。掲載は7月号なのでまだなんですが、EIDはAhead of Printといってオンライン掲載をやってくれていて、今オンラインにあります。以下の通り。

Letter to the Editor: Avian influenza risk communication. Emerg Infect Dis. 2006 Jul. [ Online Full-text (HTML) | Full-text (PDF) ]

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20060419_rakuraku.gif楽楽栄養計算 食事編 (堤裕昭・武内真佐美 著)

すみません。突然ですが宣伝です。ここのサイトでも、「熊本から(5/19/2005)」というエントリや「コツコツ(6/7/2005)」というエントリ(そのままのタイトルですね...)などで書いてますが、そのコツコツ作業の集大成というと大げさですが、本が出ました。とはいえ、本を書いたのはT先生だし、ソフトだって開発はT先生だし、私がやったことなんて海辺の砂浜の砂のひとつぶくらいなんですが、それでもあの2ヶ月近くを週末返上で朝から晩までコツコツコツコツとやった甲斐あり、なんとか新しい成分表と新しい食事摂取量基準に対応したバージョンとなりました。

価格ですが、実はこれはすごく低価格だったりします。本として考えると、ちょっと高く感じるかもしれませんが、一般の栄養計算ソフトなんかは簡単に50万円くらい平気でかかるものもあることを踏まえると、ソフトとしてはかなりの安いお買い物になります。栄養計算ソフトを探したことがある方ならきっとわかっていただけるでしょう。病院や事業所で働く栄養士さんはもちろんですけど、きちんとカロリー計算したいという人には便利だと思います。栄養学を学ぶ学生さん、栄養士さん、管理栄養士さんにぜひ使っていただきたいソフト+本です。T先生による丁寧な解説もとてもわかり易くできているので初めてでも悩むことはないと思います。

私信になりますが、T先生、オーエムエス出版のAさん、その節はいろいろとお世話になりました。またいろいろと作っていきましょうね!

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毎日更新しないので忙しいのかと思われているみたいですがそんなことないです。1日おきには書いてるし。普通に5時に仕事が終わるので、いいのかないいのかなと思いつつも速攻帰ったりしてます。8時半から5時までミッチリなのは確かなんですが、と書き始めたのは良いものの、でもよく考えると日本でのお仕事なんてもっと長いのにもっとミッチリだったりしますよね。反省。

さて仕事は楽しくて良い感じなのですが、さすがに仕事中に勝手なことはできないのでタイでの研究結果を書くのがちょっと遅れてきていてドキドキしています。ので、昨日の夜はえいっと思い切ってアメリカはCDC (Centers for Disease Control and Prevention)が出しているEID (Emerging Infectious Diseases)への論文のドラフトを仕上げてみました。論文といっても、Letter to the Editorの枠で出そうと思っているので、First Person (I did xxxとかいう文章)で書く中途半端なものなんですけれどね。しかも結構Social Scienceな研究だったハズのものがなぜEIDに?と思われるかもしれませんが(そんなこと思う人いるかな)、それはアクセプトされたときのお楽しみということで。1/3しかアクセプトされないらしいのでちょっと内容が内容なだけに無理かなとも思うんですが、実は、知らない方のために書きますが、学術論文を載せるジャーナルって1/10しかアクセプトしない、というものがザラで、ヘタすると1/100という強烈なジャーナルもあります。1/3は実は良い方なんです。頑張ります。

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論文ふたつ

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先日コメントでAさんに教えていただいたんですが、私の論文が今頃掲載されたみたいなので、ここで紹介しておくのも恒例になったので(?)書いておきます。興味ない人には本当につまんないと思いますので念のため。ひとつは私がファーストオーサーでもうひとつはプロジェクトメイトのZenaがファースト、私がセコンドのやつです。アブストラクトは誰でもダウンロードできますが、フルテキストのほうはパスワードが必要になります。もし読んでみたいなんていう奇特で優しい方がいらしたらメールください。個人的に送付させていただきます。

Development and Validation of Stages-of-Change Questions to Assess Consumers’ Readiness to Use a Food Thermometer When Cooking Small Cuts of Meat. J Am Diet Assoc. 2006.106:262-266. [ Abstract (PDF) | Full-text (PDF) ]

Use of Behavioral Change Theories in Development of Educational Materials to Promote Food Thermometer Use. Food Prot. Trend. 2006. 26(2):82-88. [ Abstract (PDF) | Full-text (PDF) ]

というわけでお知らせでした(ほとんど家族向けです)。

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仕事もちゃくちゃく

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昨日の午前中のミーティングはかなり濃く、意義があるものとなりました。良かった。そしてZenaがファーストオーサーで書いていた論文(私はセカンド)もAcceptされたというお知らせがあり一安心。さらにSandyがファーストオーサーで書いていたリビュー的な論文(これも私はセカンド)もAcceptされたそうで(これはなんとかなりインターナショナルで、Brit Food Journalに掲載予定)、私の2月のJADA (Journal of American Dietetic Association)の論文(これは私はファースト)を入れて来年は3つポンポンポンと出そうで嬉しいです。もうひとつMiriamと一緒に書いているものもあって、それが終わればこのプロジェクトの論文は全部終わり。

それから私のタイでのデータと格闘します。現在のところ1本、1月のジャーナルに出ますが、現在書いているのがチュラ大のジャーナルに掲載される予定。でもこれは一応ピアリビューはあるものの、エディター・リビューワー共に全員私が知っている人ということで、どれくらい価値があるのかは分からないところ。ただ、タイで出してもらえるのは私としてはとても嬉しいのです。そして来年の夏頃の学会に2コ、2本フルアーティクル、1本リサーチブリーフを書こうというのが私の野望ですが一体全体どうなることやら。

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seminar昨日は珍しく早くやってきたイウと一緒にせっせと仕事をして、午後から、いつも私のお世話をしてくれるタイ人でこの学部のラボのスタッフであるBankと3人でサヤームスクエアのS&Pでランチをしたあと、一緒にチュラ大の医薬生化学学部のようなところで開かれた大学院生主催のセミナーに参加してきました。内容はクローン病。治療法がほとんどないといわれている難病のクローン病ですが、その治療にむけた努力は毎日行われているということで、このチュラ大でも数名の院生がせっせと何らかのアンタイボディを使って腸壁を刺激してみたり、いろいろやっているみたいです。今回もその院生の一人の実験がちょっぴり成功したということで、その発表会のような形式になっていました。私ははっきりいってこういったエリアの知識は皆無に等しくて、どちらかというと、Nutritionといったエリアなのでそのクローン病になってしまった人のケアのほう(Tubingとか)を勉強していたので、このセミナーで基本的なイミュノロジー(免疫学)のようなものを学べればいいなぁと思っていたんですが。が。甘かったです。最初の最初っからさっぱり分かりませんでした。隣にすわっていたBankがせっせといろいろと説明してくれたし、セミナーも基本的には英語で行われていたのでテクニカルな意味で分からなかったんじゃなくて、私の知識と脳がついていってないよ、という意味でさっぱり分かりませんでした。一緒に行ったイウははっきりいって寝てました。途中でタイ語のディスカッションが始まったので「何?」って聞こうと思ってイウを振り返ったら半目だったし。

でもまあ、こういったアカデミックな雰囲気や学生の頑張ってる雰囲気というのは、何かこう、奮い立たせてもらえるようななにかがありますね。私も地道にコツコツとこれからも頑張ろう、という気分にさせてもらえました。頑張ろうっと。

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ロイクラトンのパーティでうっかり結構飲み過ぎてしまって、早起きできなかった日曜日はひとりでお買い物にでも行こうかと思っていたのにつまらないことで悩んでしまって結局外に出ずじまいでした。あーつまらない。そしたらお友達から電話がかかってきて「お茶しようよ」ということだったんですが、お茶なら近所でできるし、と思って結局お誘いを断って、一人でうちのすぐ近くのコーヒーワールド(コーヒーのファーストフードのようなところ)で、久しぶりに読書しながらデカいラテを飲みました。

よく「リタイヤメント後のタイ生活」なんていうアメリカ系サイトなんか見ると(日本サイトもありますが)、「タイでは外国人家庭はメイドさんを雇うか、メイドサービス付きのコンドミニアムやサービスドアパートメントに住むのが一般的」ということになっていますが、私の場合もお世話していただいたコンドにメイドサービスがあります。でも別に私はリタイヤメント後じゃないのでそんなのなんか贅沢で申し訳なくて身の丈に合ってないなーと躊躇してしまうんですが、でも外資がこういうところに落ちるのは大事なことなんだそうです。というのを言い訳にして、私の部屋も1日に1回メイドサービスが入る、ということなんですね。別にメイドサービス中に一緒の部屋にいてもいいんですけど、お互い気まずいし、お互い仕事にならないので私はお休みの日でも少なくとも数時間は外に出ることにしてます。とはいえ、今まではそんなこと考えなくても買い物にいったり友達と外にいたりしたのでいつのまにかお部屋がキレイになってる!という感じだったんですが、先日Mちゃんが帰ってからなんだかヒマヒマな私の休日。メイドさんのために外に出たりしてるし...。いや、もちろん今日はお掃除はいらないや、と思えば電話一本すればいいだけの話です。

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フィールドワーク

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int時々は仕事のことも書き留めておきたいと思ってこれを書いていますが、写真はペチャブンの村でタイ語のできない私にかわってインタビューをやってくれているAewと、研究に参加してくださった農家の奥さんです。写真をとっても良いですか?と聞いてカメラを向けると満面の笑みをうかべてくれました。写真はクリックすると、スライドショウが始まりますので、お時間ある方は是非見てくださいね。写真の上にカーソルを合わせるとスライドショウを進めていくことができます。右矢印が出た状態でクリックをしてみてください。途中でやめたい場合はカーソルを写真の下の方に動かすとバツ印がでます。上の方に動かすとインストラクションが出ますのでいろいろと試してみてくださいね。写真は全部で5枚あります。5枚見終わったらウィンドウを閉じるか、カーソルを下に合わせてクリックで自動的に閉じます。写っているのは全部ペチャブンの村でインタビューに協力してくださったみなさんです。

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教育用マグネット

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mg写真は、私が今回の研究の一環として作った食品安全の消費者教育用教材のマグネットです。もともとは、世界保健機関(WHO)の教材で、"5 Keys to Safer Food"というキャンペーンがあるんですが、その教材制作者に連絡したところ、タイで自由にそのメッセージを使って良いと言われたのでお言葉に甘えてこうしてタイ語バージョンの教材を作成したわけです。

一番上にはその"5 Keys to Safer Food"(食品安全のための5つのポイント)と書いてあって、ブルーの鍵は「手洗い」、グリーンの鍵は「生肉と野菜を別々にすることによってバクテリアの移動を防ぐ(クロスコンタミネーションを防ぐ、と言います)」、オレンジの鍵は「しっかり加熱」、パープルの鍵は「食品を保存する時バクテリアの繁殖する温度を避ける」、最後のピンクの鍵が「安全な水を使う」となっています。日本人からしてみたら、特に日本の食品業界の人から見たら、当たり前のことを今更何を言っているんだ、と思われるかもしれませんが、タイのバンコクのように発展した土地であっても、やっぱり途上国はこういった基礎的な教育はやはりちょっと後回しになっていて、これを一般消費者に理由と共に説明すると、驚くほどの納得を得ることができます。「え!!知りませんでした!今度からそうするわ!」という感じ。

実際のインターベンションの時は、バンコクのような都市部ではこれに合わせたパンフレットを一緒に手渡し、村落部では、タイ人のリサーチアシスタントを数名雇って、ワークショップをやってもらうことになっています。この教材製作というのは、実は私の研究には常についてまわるものなのですが、実際これが私のメインの研究ではありません。この前後の意識調査などが私のメインの研究なのですが、そのメインの研究をするためには、何らかの教材を製作する必要があり、ふつう教材はコピーライトなどの問題から簡単に外部の物を流用することが難しく、従って結局私が自分で作成するのが一番早い、という結論に至るので、こうして毎回自作するわけです。でもねぇ、このステップ(教材製作、マテリアルデベロップメントといいます)が、私、一番好きなんですよ〜。全く頭を使わなくていいし、デザインをひたすら考えたり、ああでもない、こうでもない、とフォトショップ上でいろいろ動かしたり、色を考えたり、なんて楽しいの!というステップ。

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  • !!! (20 Feb, 1999)

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