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[2015年4月12日にこのエントリを書き始めましたが放置してしまっていたので8月になってアップしています]

2013年に、「デキる」見た目は重要か。と題して雑誌の引用に終始しただけの大したことないことについてつらつらと書いたんですが、その時に「特集ではもうひとつかなり私の興味を引くものがあったのですが、それはまた是非次回に紹介しようと思います。」と書いたのに2年近くもほったらかしにしてしまったことに気づいて、慌てて続編を書いています。それはデジタルIDについて。雑誌の記事では「認めましょうよ、同僚をグーグルしたくなったことあるでしょう?でも、忘れないで、彼らもあなたに対して同じように思っています。」という出だしで始まり、SNSのリンクドインの中の人が、「バーチャル印象」について語っています。以下雑誌記事の意訳(多少説明を付け加えたりしてます)です。

--以下引用(意訳)--

たくさんの女性が仕事上の好印象を保つためにいつも頑張っていますが、なぜかオンライン上の印象についてはほったらかしです。ウェブ上のあなたの存在はあなたというブランドの価値を見せるために非常に重要です。以下のことに気をつけてオンラインのデジタルIDを完成させましょう。

1. ブログを書く
見た目もよく、頻繁に更新されるブログは実はあなたをマーケティングするための良いツールです。あなたをグーグルするひとの目にとまるでしょう。外部のヘッドハンターの目にも、仕事以外の部分で全体的な評価をもらうのにも良いでしょう。ワードプレスで始められます。

2. ニュースアラートを設定する
自分の業界に関する最新の情報やイベントなどに精通するため、ニュースアラートを設定しましょう。そのような情報についてツイートしたり、オンラインのネットワーク上でディスカッションしたりするのは良いことです。その度あなたの考えを共有したり、他のひとの考えを聞いたりするのは大事なこと。業界の大物の目にもとまるかもしれません。なぜなら彼らも絶対そうしているから。

3. あなたの論点を強化する(パワーユアポイント、でプレゼンソフトのパワーポイントと掛けてます)
あなたが頻繁にパワーポイントのプレゼンを作るのに時間をかけているのなら、デスクトップだけでその生命を終わらせず、スライドシェアで世界に共有しましょう。あなたの業界のひとも必ず見るはずです。

4. リンクドインをやる
あなたの評判や能力を他のひとの評価に頼らずに作る一番シンプルなものがリンクドインです。プロフェッショナルなコネクションも作れます。シンプルなプロフェッショナルな写真も付けましょう(人々を魅了する笑顔を忘れずに)。[注:まあこれはリンクドインの中の人が書いてますからオススメ度がたかそうですが、なんとも言えませんが、確かに人物をグーグルするとリンクドインの写真は結構トップに来ますよね。そして自己紹介的なものが他人の評価より先に来て欲しいのは確かなので確かにアカウントを作っておき写真をアップする価値はありそうです。自分の写真が絶対に他から漏れない人は写真をアップする必要はありませんが、どこからか絶対に漏れてしまう、という人はそういう写真がトップにくるよりは自分が選んだプロフェッショナルな写真がトップに来たほうがいいでしょうね。]

5. コネクションを向上する
先を見越したやり方であなたのプロフェッショナルコネクションを維持しましょう。ウィークリーのリマインダーを作って大事なコンタクトにはちょくちょくメールをしたり、ブログやツイッターにちょこっとコメントしたり。小さなことが何か大きなことのきっかけになることもあります。ふとしたタイミングが大事ということもあるでしょう。

6. 推薦してもらう
前職の上司や同僚に、リンクドインやブログにコメントしてもらって推薦してもらうのはとても良い自己マーケティングです。

7. 定期的に掃除をする
フェイスブック、ツイッター、インスタグラムなどのプライバシー設定に気をつけて、プロフェッショナルとプライベートをしっかりと分けて確認することを怠らないように。プライベートな写真は職場の上司に見せなくても良いものです。

--ここまで引用(意訳)--

だそうです。共感したり、それはちょっと無理、と思ったりいろいろですが、まあちょっと古いですが「欧米か!」っていう感じというのが大まかな感想ですね。まあ欧米なんですが。

他にも「効果的なネットワーキングのための5つのルール」というのも紹介してありました。

--以下引用(意訳)--

ネットワークを構築するのはキャリアを伸ばすのに必須です。仕事上の重要人物との関係性をよりよくするために大事な5つのルールがこちら。

1. 「ネットワーク」という言葉を動詞として使わない。
あなたがネットワークを「構築する」のです。あなたが「ネットワークする」のではなく。こういうふうに考えると、このこと自体はそんなに怯えなければいけないことでもなく、そんなに軽薄なこと(浅いこと)でもないということがわかると思います。

2. あなたのコンタクトを図で表してみる
あなたの電話やメールに返事をしてくれるある人が、あなたにとって個人的な友人ではない場合、その人はあなたのネットワークの一部です。あなたのネットワークがとても限られている場合、それはあなたのキャリアにとって良いことではありません。

3. 他人を助ける。
あなたが日頃から他人を助けていない場合、あなたはネットワークを構築していないと言えるでしょう。誰かのために何かをすることによって信頼を得られます。でも逆ではない(信頼を得るために助けるのではない)。もしあなたがイベントに参加して、講演者の話がためになったと思うなら、メールをして感謝を伝えましょう。フィードバックを伝えるのはプレゼントを贈るのにも相当します。そしてその人はあなたのことを覚えてくれるでしょう。

4. 質問する。
大きなイベントでは自分のことを話すばかりでなく相手についてたくさん質問しましょう。そしてそこで誰かにその人を紹介できるようになるのも大事です。「彼女がクレアスミスですよ、彼女は...」という感じに。

5. 物事は実現してこそ。
イベントに招待されることがあまりないのであれば、イベントを自分でやっちゃいましょう。1ヶ月に1度の夕食をして様々な人と知り合うのも良いでしょう。あなたのネットワークは広がるはずです。

--ここまで引用(意訳)--

だそうです。まあそうですね。最初のやつが面白いですね。確かに、ネットワークする、って何?って思いますよね。自分のネットワークを構築する、のほうが建設的ですね。字面通りに。

というわけで自分的にはメモしておきたかったのでご紹介でした。単なる引用ばかりですが私はちょっと考えさせられたので。以下SNSに関する私の持論を書きますが、一方的な持論なのでSNSが嫌いな方は読まないでここでおしまいにしてくださいね。

ソーシャルメディアの活用について、最近「いやーわたしツイッターのアカウントすら持ってないし」「フェイスブックきらいなんで」と宣言する人々に辟易しているので、上の記事のようにSNSに対してポジティブなものをみると、なるほど、と思えるので好きです。アカウント持ってないことはひっそり思っていれば良いだけで、別に宣言することはないと思うのです。アカウントもってる?と聞かれたら「いえ持ってません」と答えて終わりにすればいいのではないでしょうか。「持ちなよ」「えーどうして」としつこく言ってくる人にはきっぱりハッキリ理由を言ってもいい(というか言うべき)ですが、「わたしそういうのはやらない主義なの。なぜなら...」という人って何なんでしょうか。まあ確かに理由に関しては興味深いのでついしっかり聞いてしまいますが、わたしのように別に主義も何もなく、惰性で「えーなにこれ?」という感じいろんなソーシャルネットワークでアカウントつくりまくりの場合(とはいえ実際に使っているかと聞かれると小さな声になります)、「やらない主義」宣言を聞くと、わたしは「やる主義」宣言をしなければいけないのかとプレッシャーを勝手に感じます(そしてそんな主義ないので心もとない)。わたしに限って言えば、別にツイッターもフェイスブックも好きでも嫌いでもありませんが、これだけ社会現象になると、仕事上知っておいたほうがいいかもと思ってアカウントは持っていますが、特に主義はありません。しかもどちらも最近の10代の若い子は離れつつあるとかいう噂もあるし、次がいつ来てもおかしくないですよね。いずれにせよ大変失礼な言い方になりますが、「やらない主義」宣言は「スマートな俺(私)はSNSに踊らされてないぜ自慢」に聞こえちゃうことも、なきにしも、あらず、です。勝手なこと言ってスミマセン。

私自身の結論としては、万一グーグルされた時に備えて(まあ滅多にないでしょうけど、これを書きながら思ったんですけど、英語でグーグルされたり日本語でされたり、どちらの場合もあり得ますよね)デジタルIDの向上に努めるべきかな、と2013年にふと考えたのに2年間もそのままなにもせず過ごしていたので自戒のメモでした。

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ちょっと仕事の話

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週末にローマに帰ってきました。涼しかったエディンバーグから、日本の夏並みの蒸し暑さのローマへ。気温は毎日35度くらいになります。それでも私は夏のローマが好きです。ローマっ子たちがみんなローマの外にヴァカンツァに出かけるので、圧倒的に人が少ないのです。職場もがらーん。ランチも全く列を作らなくて良い状態でラクラクです。いつもこうだといいのに。

ということで、仕事もどんどん進みます。といっても、それはもちろん仕事によるわけで、チームワークが必要な仕事は全く進みません。チームの半分以上が夏休みだからです。でもひとりでできることはガンガン進みます。電話はほとんどかかってこないし、ミーティングもいつもの半分以下だし。

そこで今日、私はずっとあたためていた論文をえいやっ終わらせることに成功しました。3人の共著なので私だけの功績ではなく、実はひとりのスイス人の専門家がほとんどやった研究なのですが、彼が忙しすぎて論文にできないまま数年たってしまったので、「わたしやりましょうか?」といったらすんなりファーストオーサーくれました。でも今日最初の提出をしたばっかりなので、アクセプトされるのは(されるとしたら)来年の春頃かな。いやぁ、このプロセスを経験したことがある方なら分かると思うんですけど、この最初の一歩が強烈に面倒なんですよね。Elsevierのシステムなのでわりとサクサクのはずなんですけど、それでもやっぱり終わったときの達成感が、わりと強烈です。でもまだ次のリヴィジョンもあるし、まだまだ続くので達成感を味わうにはまだ早すぎるんですけど。

そしてその論文に関連した、所属機関の出版物もひとつ完成させました。私はナノテク担当なのですが、このページの右上のものがその本。これも2012年からずっとやっているものなので、出版できて本当に良かったです。ずっとやってきた何かが形になるのは、いくら仕事とはいっても嬉しいものですね。一緒に仕事をしてきた世界保健機関のオフィサーの方々も偶然日本の厚生労働省からの出向の方々だったので、楽しくお仕事できました。こんなところは絶対に見ていないと思いますが、Kさん、Mさん、ありがとうございました。いつもせっかちですみません。

さて私の夏休みまで一週間を切りました。あともう少し、このガラガラな職場環境でストレスも少ないはずなので、頑張って仕事しまくろうと思います!

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本当の国際人とは

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2週間連続で専門家会議をやっていたのでかなり開放感のある週末になっています。天気もいいし、観光客もたくさんのローマですが、私は家でのんびり中。というのも昨日は大規模デモの噂があったし、今日の夜からは交通ストがあるという噂なので、こんな時は家でいろいろと懸案事項を片付けるのがいいと思ったから。

それでちょうど日本の家族と時差がぴったり合ったので、昨日は茨城にいる夫、東京の姉、熊本の両親とそれぞれたっぷりSkypeやiChatでお話できました。最近私はつまらないことでちょっとした問題に頭を悩まされていたのですが、本当の解決のために、この「絶対に私の味方になってくれる」タイプの優しい人々(夫、姉、両親)にはなるべく意見を聞かないようにしていたのですが、なんとなく問題が終結の方向に向かってきたので、昨日ついにそれぞれにお話して、いろいろと納得する結論やアドバイスを得ました。私の愛すべき家族のみなさんありがとうね。

それでその問題とは直接関係ないとはいえ、話をしている上でいろいろと考えたのがタイトルの「本当の国際人とは」ということ。国際的な環境、つまり様々な人種、文化、言語、性別、年齢の人々が集まる環境で働くときにいろいろと大事なことを私はこの6年で学んだし、これからももっと学ばなければいけないだろうなと思ったので、節目としてちょっとまじめすぎるかもしれませんが書き留めておこうと思いました。

まず「『常識』というものは存在しない」ということを強く認識しておく必要があると思います。いろいろと考えてみたんですが「完全にユニバーサルなもの」というものがないのです。コミュニケーションにしたって、態度にしたって、仕事のやり方、人とのつきあい方、どんなことを考えても「絶対にこれだけは全人類共通だ」ということがないのです。例を出すと、日本では上司に「それいいね!」という一行だけのメールを送ることは「常識はずれ」かもしれませんが、国際的環境ではあり得るし、決して失礼ではないことかもしれません。日本であまり知らない異性の同僚を下の名前で呼び捨てで呼ぶことは「セクハラ」に近いかもしれませんが、当然、国際的環境ではそれがある意味「常識」になり得ます。イタリア人の同僚は同性でも異性でも、挨拶するときは両ほほにキスしますが、そんなことをアラブ系の異性にしたら「信じられない暴挙」と思われる可能性が高いです。

原則としては、もし私がどこかの国に行ったら、その国の常識、言語、文化を尊重する、日本に誰かを招くなら、日本の常識、言語、文化を説明して分かってもらうようにする、ということで、多分これは「2国間」ということだけを考えるとしごく普通のことなんですが、これが、「国際機関」といういわゆる治外法権的な「何の国にも属さない」ところになると大変難しくなります。どっちの文化、言語、常識を選ぶか、というのはラインを引くのがものすごく大変なのです。

そこで大事なことは、「とにかく何でも理解しようと心がける」ということだと思います。誰かが「私にとって」常識はずれでとんでもない言動をとったとしても、「もしかしたらこれは文化の違い、育ちの違い、言葉の違いかもしれない」とまずは考え、全てを前向きに考えるように努力するということです。これは口で言ったりこうして書いたりするよりはるかに難しいことです。悟りを開いたお坊さんのイメージトレーニングで必死で自分を落ち着けて考えなければならない時だってたくさんあります。人間は(というより「私は」かもしれませんが)「他人を理解する」よりも「自分を理解してほしい」生き物だと思うんです。ですがここはひとつひと呼吸ついて、この世界に「常識」は存在しない、まずは違いを受け入れよう、他人を理解しよう、と考えることができると、本当の国際人に近づけるかなと思います。

次に大事なのはコミュニケーションですが、もちろん、コミュニケーションには言葉と態度とあります。態度は上の「常識はない」というところに共通すると思うのでここでは言葉にしぼりますが、国連では「国連の正式言語」というのが決まっていて、英語、スペイン語、フランス語、アラブ語、中国語、ロシア語の6カ国語です。基本的には英語、スペイン語、フランス語の3つのうちどれかが完璧であり、さらに上の6カ国語のどれかが第2言語として仕事上使える状態でないと国連職員としてつとめるのは難しいとされています。ですが、私が思うに、現状を見る限り、やっぱり英語です。しかも、単に「英語ができればいい」のではないのです。

まず英語が母国語の人も、英語が母国語でない人も、「自分の英語は相手の英語と違う」ということを常に認識する必要があります。イギリス英語、アメリカ英語だけをとっても全然違う表現があるし、イギリスでは悪い言葉を使っても「まぁ気品がない」と眉をひそめられるだけの時がありますが、アメリカでは仕事上悪い言葉を使うと最悪の場合解雇されることがあります。これは言葉を超えた文化の違いです。国際機関ではいろいろです。常に悪い言葉ばっかり使うカナダ人もいます。東アフリカンの人々は英語で公務を行うため英語が堪能ですが、アフリカの英語です。日本人の英語、という種類も存在するのは当然です。基本的な考え方がそれぞれの国の環境、個人の生まれ育った環境、受けた教育の種類によって全く違うわけですから、それが言語に現れるのは当然のことなのです。

まず、英語は上達に上達を心がけることにこしたことはないと思います。私もアメリカに10年近く暮らし、国際機関で働いて6年になりますが、それでもまだ毎日のように英語を磨いていく必要を感じます。そして「私は英語は完璧にできる」というおごりは、国際的環境での摩擦を引き起こしかねないと思います。なぜかというと、国際的環境での仕事は、「理想」の社会とはかけ離れていて、重く厳しい「現実」の社会だからです。

その「現実」とは、英語を母国語とする人もしない人も、全ての人の英語が完璧でない、ということです。ものすごくキツいアクセントが入ってしまう人もたくさんいます(ラテンアメリカ、日本、中国などはそうです)。でもよっぽど全く分からない限り、誰も「あの人アクセントが強くて何を言ってるかわからない」とは言いません。言う人は「自分の、Non-English Speakerの英語を理解する能力がない人」なのです。「分からない人が悪い」のです。「分からなければ何度も聞き返さなければならない」のです。「あなたの英語わからない」と文句を言うのはナンセンスなのです。これは厳しい現実です。

数年前私は日本人のインターンの方を受け付けて、非常に頭脳明晰で英語も上手な日本人だったのですが、その方は「あの人の英語が分からない」「この人のメールのグラマーがめちゃめちゃで意味がわからない」といつも私に言ってきていました。もちろん、その件の外国人の上司はアクセントがきつい人だったので理解するのが難しいのは確かですが、その人が言っていることの「本来の意味」を理解するのはそんなに難しいことではないはずです。分からない時はその場で「それはこれこれこういうこと?」と確認すればいいだけだから。相手の英語のレベルがどうであれ、相手を理解しようという気持ちを持って真摯な態度で対応する必要があるのです。

ですから言語や言葉のコミュニケーションの上での「本当の国際人」とはつまり、英語が苦手な人の英語であっても理解できる、あるいは理解しようとできる人、ということ。国際環境での「英語力」というのは「読み、書き、話し、聞き」よりも「理解」のほうが重視されるということです。相手がパーフェクトな英語ができるようになるまで待っていたら仕事になりませんから。

ですが、やっぱり英語が出来ない人との仕事はかなりストレスがたまります。そういった意味で、少なくとも自分だけは、そういったストレスを相手になるべく与えないようにしようと努力しなければいけない、ということで英語力を毎日磨く必要がある、と上の方に書いたのです。自分ばっかり努力しなければいけなくて不公平に感じるかもしれませんが、そんな方は1930年代の名著、人を動かす(D. カーネギー)を読んでみてください。なぜ自分ばっかり努力することで(そして相手に変化を要求しないことで)いろいろと問題が解決するかが見えてくると思います。実際にはものすごく難しいですけどね。感情のコントロールなど、私を含め不得意な人は(女性には特に、かもしれません)多いかもしれないので。

そして優しくあろう、と常に心がけること。私もついイライラしたり、不平等や理不尽なことにぷんぷんと腹を立てたり、「正義がいつも通る訳ではないのね」と幻滅したりすることがよくありますが、本当にいろいろな状況を経験して、いろいろな人と出会って、理解しようとして、つらいことや楽しいことを経て生きて行くと、残念ながら世界は、世の中は、すべて不平等で理不尽で正義が通りづらいところなのだという現実に気づかされ、それを解決するのは、ただひとりひとりの人間の「目の前にいる人への優しさ」しかないと認識すると思うのです。結局目の前の人、同僚、上司に優しくできないひとが、国際機関の人道的援助という大きな名前のもとに行う「優しい援助」というのができるわけがないのです。

ということで、どんなイヤな人が上司、部下、同僚、友達、知り合いであっても、自分だけはその目の前の人を理解しようと心がけ、優しくしようとすることが出来る、という人が「本当の国際人」ということですね。そんな人世界に何人いるんでしょうか。道のりは険しく遠いですが私も精進します。

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雨のドゥバイ

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Dubai土曜日からドゥバイにきてます。日曜から週が始まるので会議も日曜からでした。2日間の会議は無事に終わって、私もなんとか1時間のセミナーをこなして、質問に答えて終わらせました。ドゥバイでは小さなホテルなのですが、こじんまりとした感じが会議室もなにもかも好感が持てて、それなのに高くなくてすごく良かった。お部屋も十分すぎるくらい広くてありがとうございますという感じ。

でもびっくりしたのが毎晩雨が降っていること。ここは広大な砂漠なのに、雨がふって雷まで鳴って、本当に心の底からびっくりしました。雨って降るものなの?と聞いたらドゥバイのみなさん、「Climate Changeでしょ」と真剣に言っていました。こんな砂漠であんな大量の雨が降ったら、みんな世界の終わりが来てしまったかと思うみたいです。それくらいすごい雨でした。

ドゥバイバブルはどうなったかと思いながら来てみたのですが、相変わらず目の前のビルではどんどん高層建築が進行していて、朝は6時過ぎからみなさん働いていてまだまだ続くようです。でもエミレーツのCAさんが言うには、移民達は月に2万円程度のお給料で大変だとか。オイルマネーって国のすべてに行きわたるわけではないということは分かっていても目の当たりにすると、じゃあ一体誰がどんな権限で、と思ってしまいますね。スーダンからの参加者と話をしていて、結局スーダンは南北に分かれて2つの国になるね、と言っていたら、南はオイルがあるけど北には頭脳とインフラがある、オイルを賢く使えるかどうかが南のこれからにかかっている、と真剣に言っていました。確かに。

今回は中東のみなさんの会議だったのですが、シリアからとイエメンからの参加者のみなさんは「暮らしは割と普通だけど、状況は余り良くないと思う。あまり外にでないようにしている。若い人たちが頑張ってくにを変えたいと思っていることだけは前向きなことだと思うけれど。」と教えてくれました。そして日本の事を心配してくれました。今はみんな大変な時ですね。後にこの年のことを振り返って「大変だったけど頑張ったね」とみんなで言い合えるようになるといいなと心の底から思いました。

明日の早朝、今度はポルトガルに飛びます。

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どこにいてもどんなことがあっても、時間はとまることなく季節がめぐっていくのが、今は特に不思議に感じられますが、ローマにも春がやってきました。私のバルコニーにはミントが繁り、オランダから大量に仕入れて来たチューリップがぐんぐんと伸びて様々な色でバルコニーを彩って私を癒してくれます。

私の部署では先日、FAOとIAEAとWHOの共同声明を出しました。

横浜にあるFAO日本事務所が日本語版を正式に出しています。

金曜日には直属の上司が日本へ旅立ちました。これから忙しくなりそうです。

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オランダから

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すごくつまんない写真ですみません。ホテルの外が真っ暗なので今回は窓からではなくて窓を写してみました。出張でオランダに来てます。Noordwijkerhoutという発音できない街にいます。アムステルダムから車で30分程度のところ。近くにはチューリップ畑が広がっていてのどかなところです。春には観光客もたくさん来るらしいですよ。

仕事はマイコトキシンというカビ毒に関する国際会議。今回ひとつ特別セッションをやることにしたので気合いが入っています。私の個人的な感想ですが、私はこのカビ毒問題、特にとうもろこしのカビ毒問題は数ある食品安全の問題の中でも国際的には非常に重要度が高いと思っているんです。というのも、食糧供給が危うくなってきている昨今、カビ毒で失われているとうもろこし、ものすごく多いはずなんですが、もっとスキャンダラスなホットトピックの陰に隠れてしまっていまいちスポットライトが当たらない。しかもほとんどの先進国にとってとうもろこしは動物のエサである場合や、副食である場合が多いので、アフリカのたくさんの国ように主食として大量に食べている場合の影響を考える時にピンとこない。マイコトキシンのカビって、カビっぽくみえるところを取り除くと食べれそうに見えてしまうし、味もそこまで変わらないのでうっかり貧困国ではみなさん食べてしまうんですが(他に食べ物が無い場合なら特に)かなり高温度で長時間熱処理しないと毒はなくならないし、しかも恐ろしい事にこれって積もり積もってしまうと発がん性があるタイプの毒もあるんですよね(アフラトキシンなど)。じわじわと殺されてしまう。プラス、万一、超高濃度に入っていたりすると突然死したりもするのでさらに怖い。(注釈:これはすべてのカビのことではなくて、マイコトキシンと呼ばれるカビから発生するカビ毒の話ですので、カビが全部怖いわけではありません。確かにカビが生えたものは食べないほうがいいですけどね。)

というわけで、私は個人としてはこの問題は国際社会で十分に検討して優先度をあげてもらうべきだと思っています。もちろんBSEだとかO157だとかノロウィルスだとかサルモネラだとかコレラだとか、いろいろ食品安全の問題はたくさんありますが、カビ毒は影響を受ける人、死ぬ人のスケールが違う。しかも食糧供給に直接影響がある。しかも気候変動で地球の湿度が上がって温度も上がってしまうと、カビですからさすがに増えます。だから今後もっともっと重要になると思うんです。と、つい熱くなってしまいましたが明日からの会議頑張ってきます。

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Alta Velocita'

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こんなショボい写真を撮ってしまって、密かにテツな主人のAさん(彼は「テツじゃないよ」と否定しますが、秘境駅や電車を見るとかすかに興奮するので隠れテツだと思われます)が、「ちゃんともっと近くから撮ってよ」と言いそうですが、出張でパルマ市に電車で行ってきました。電車といえばイタリア国内の旅行に便利なユーロスター。イタリアではみんな「エウロスター」と呼びます。最後に小さな(ル)がついた感じの発音。そしてこの赤い車体がAV(アルタ・ベロチタ、語尾上がり、ハイスピードという意味)と呼ばれる新車両(ってほど新しくもないですけど)で、これを見かけるとAさんはかすかどころではなくかなり興奮します。これ、乗ってて体感できるほどの高速で走ります。最高速度は300km/hといっているので新幹線と同じくらいかもしれませんが、イタリアンな方々が運転しているせいか、新幹線よりももっと速く感じます。突発的な揺れもあって、乗っていて振り落とされそうな気がするときすらあります。もちろん気のせいですが、それだけスピードを感じるということ。

今回出張ということもあって、セクレタリーのかわいいFちゃん(イギリス人)にチケット手配を全部お願いしていたら、なんとファーストクラスで取ってくれていて、強烈に快適シートで飲み物食べ物サービス付きの豪華(おおげさ)旅行となりました。パルマまでローマから4時間。パルマハムのパルマです。パルメザンチーズ(パルミッジャーノレッジャーノ)のパルマです。イタリアでも特に食べ物がおいしいと言われるパルマ。2日間の出張で、会議の連続だったんですが、おいしいチーズとおいしいプロシュート(生ハム)とパスタとワインと、すっかりパルマを満喫しました。帰りに駅の近くのフォルマッジェリアでさらに熟成チーズとプロシュートとポルチーニ&オリーブなどを買い込んで帰ってきました。

会議は久しぶりに面白い内容のもので良かったです。パルマには欧州食品安全機関があるので、その関係で参加したのでした。さまざまな地域協力機関の中でもヨーロッパは食品安全の部門ではかなり進んでいるので、国際機関としても学ぶべきものがたくさんあります。しっかりとりこんでこれからの私の仕事の参考にもしよう。

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i1033e.jpgBUILDING BIOSAFETY CAPACITIES: FAO'S experience and outlook (2009)

An overview of the experience gained from FAO capacity building projects in agricultural biotechnology and biosafety

先週メキシコでたくさんの本を配りましたが、そのうちのひとつの本がこちら。3人の同僚と一緒に書いた本ですが、バイオセイフティ関連のこれまでのFAOでのプロジェクトをまとめました。

第一著者のアレッサンドラはUNEP(国連環境計画)に長い事いた人で、この本の監修にもあたっているアンドレア(男性)の下でこの本をせっせとまとめてくれました。私は第3著者として、私の部署がやっている部分を書いただけなんですけど、この本のおかげでいろいろな国からさらにリクエストを受けるようになって、かなりありがたいです。全文オフィシャルサイトに載っていますのでプロジェクト関係者は是非どうぞ。この仕事に関係の無い方にはかなり面白くない内容となっております。

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今、メキシコはグアダラハラという所に来ています。土曜日の朝6時半に家を出て、ローマフィウミチーノ空港からアムステルダムへ飛び、午後のメキシコシティ行きの便にて11時間半、そこからさらに乗り継いでグアダラハラ空港までやってきたというわけです。これから1週間大きなカンファレンスがあり、私はこの間、3つのイベントを行うことにしているのでかなりバタバタです。結局昨日は部屋にチェックインしてやっと落ち着けたのは夜中の12時をすぎてからだったし、時差もあるので日曜日の今日はぼんやりしたかったんですけれど、さっそく午後から準備があります。

こういった出張はこの仕事を始めた最初のころは本当に苦痛で、特にこの日記を見れば分かりますが頻繁に1ヶ月に3カ国を訪れたりしていたこともあったりして、正直「こんな毎日は本気で嫌だなぁ」と贅沢にも思っていたのですが、最近は1ヶ月に1回のペースになってきて楽しめるようになりました。今回は初めてのメキシコ(そうなんです、アメリカに住んでいた頃何度もメキシコ旅行の話は出たのに行ったことがなかったんです)ということでちょっと嬉しいです。

ただ、いつも思うのが、出張の前は金曜日に遅くまで仕事して出張の準備をするので家に帰るとだいたいかなり遅い時間だったりするんですね。そして土曜日の朝から空の移動、到着して数時間寝たらすぐに日曜日、その間に現地のカウンターパートに会って準備をして、翌日の月曜から会議、金曜日に終わってすぐに空港に移動、時差のせいでローマ到着は日曜日の夜、数時間寝たら月曜日から普通に出勤、となるのではっきりいって2週末が完全につぶれて3週間休みなしのぶっ続けになるのが、うーん、という感じです。一応ルールではこういう場合休みが取れることになっているらしいのですが、私の場合は1週間出張したあとのんきに休んでる場合ではないくらい仕事がたまっている事が多いので、その後のことを考えると休む気になれないんですよね。みんなこういうのは文句も言わずにさりげなくこなしているので尊敬します。私も見習おう。でもライフワークバランスもちゃんと考えなきゃ。

もうひとついつもKLMでアフリカなどに行くときに感じる微妙な違和感が「南に行くのに一旦北に向かわなければいけない」ということ。これはハブ空港であるアムステルダムに行くからなので仕方がないのですが、まぁせっかく北に行くので2時間の飛行中は窓側にスタンバイしてイタリアの国境あたりから広がるこのアルプスをひたすら眺めるのを楽しみにしています。多分ドイツとの国境あたりを通るのでそこまで高いピークは見えませんがお天気が良いと、左後方のフランス国境あたりにモンブランがうっすら見えたりして感動です。飛行機から写真を撮ることはめったにないのでいつも心のフォトグラフですが今回はパチリとやってみました。今年は雪が多くてウィンタースポーツを愛する人には嬉しい年でしたね。

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ピンク色の本ができた

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i0110e00.jpg仕事の話で恐縮ですが、2006年にこの仕事を始めてからすぐにとりかかったプロジェクトのひとつに、遺伝子組み換え食品の安全評価に関するものがあったのですが、去年の暮れにCD-ROM付きの本をようやく出すことができたのでご報告です。フランス語版スペイン語版も出すことができました。

一度に3カ国語のとても専門的な本を出すというのは実は非常に大きな野望であったと後で気づきましたが、たくさんの良い経験(失敗も含めて)をしたので書き留めておきたくなりました。まず最初にカナダの専門家の方にアウトラインを渡して最初の文章を書いていただき、一単語一単語リビューした後、それをFAO内部のいろいろな専門家にリビューしていただき、テクニカルエディターに文章をきちんとしてもらい、今度は途上国の政府の関連部署で働く人々を集めてツールのパイロットテストをしていただき、その結果を集めてかなり大幅に書き直しをして、またエディターにまわして、内部コメントをもらって、今度は世界各国のピアリビューワーにまわして、さらに大幅に書き直して、エディターにまわして、翻訳にまわして、翻訳で問題がでたところを(英語が特殊すぎて翻訳できない部分が多々あった)をかみくだいた英語に変更して、さらに翻訳し、最終的に出来上がったものをDTPデザイナーに渡して、デザインの段階で間違いを指摘されたものを変更して、出来上がったPDFをもとに他の教育ツールと一緒にCD-ROMを作って、CD-ROMを3カ国語対応にして、CD-ROMのラベルもデザインしてもらって、スパイラルリングでまとめる形にして、プリントする紙質を選んで、お金を工面して、と、かなり気が遠くなるプロセスでした。

でもデザイナーと一緒にデザインエレメントや色を選んだりできたのはかなり楽しかったです。見ていただけるとわかりますが、麦の穂のデザイン(FAOのロゴにもなっています)がDNAのαヘリックスになっていっているデザインで、みなさんに褒められるのでかなり得意げです。私がデザインしたわけじゃないのに。そして色が、ウェブ上だとかなりパープルですが、実際の本は白いスパイラルリングのせいか、かなりショッキングピンクに近い色になっていて、みんなに「あのピンクの本」と呼ばれています。ディレクターには「20年くらいFAOにいるけれどピンクの本をつくったのは君が初めてだと思うよ」とにっこりされてしまいました。てへ。ピンクの本かわいいじゃん。

とはいえかなり内容はまじめで、途上国にとっては遺伝子組み換え食品への興味はかなりのものがあるので(いろいろな意味で)毎日どこからかリクエストをいただいているので作ってよかったなぁと心の底から思います。これでFAOに来て私が直接イニシアティブをとって作った本(ISBN付きで発行されたもの)は9冊になりますが、今のところ一番時間がかかったものなので感慨深いのでした。実はもうすぐ記念すべき10冊目が出ますが、それもデザインが気に入っているのでわくわくしているところ。出たらまたここで嬉しげに紹介しますね。

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快適なタイ航空の旅を終えてバンコクにやってきました。最後にこの街に来たのはもう2年も前。昔研究をしていたカセサート大学のすぐ近くのこの大きなホテルにチェックインすると、マスターバスルームがシャワーとジャグジーに分かれていて、ジャグジーからはお庭が見えるというかなり癒される設定で、自分でもびっくりするくらいほっとしました。というわけで、いつもは窓から見える景色を載せるんですが、今回はちょっと変形でバスルームから微妙に見える窓の外を。

時期的にはロイクラトンが終わったころでしょうか、わりと落ち着いた町の様子でした。ホテルがバンコクの中心部からかなり北の方にあるからという単純な理由かもしれません。気候も暑くもなく寒くもなくという完璧な気候。湿度は相変わらず高いんですけれどね。

さて会議は明日からということでさっきまで私のレクチャーの最終稿を調整していました。今回はClimate Changeつまり気候変動が及ぼす食品安全のリスクについてお話します。全体像(マクロ)をつかむのは難しいトピックですが、マイクロで見てみると「気候変動が」というよりは「気温の恒常的な上昇が」ある特定の食品安全トピックに及ぼす影響は確実なものがあるのです。それにFAOはどのように対応していくのか、どんなストラテジーがあるのか、といったところです。これは個人的にも、現在かなり深く関わっているプロジェクト的にもとても重要なトピックであるため気合いが入ります。

夜はバンコクに住んでいた頃の友人や共同研究をしていた教授達と会ってお食事してきます。時差ボケが結構響いているような気がしないでもないですが、今日中になんとか克服してしまおうと思っています。

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レマン湖のジェッドー

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これはパリの写真ではありません。今日仕事が終わってからホテルの部屋でiPhotoをみていたら今月の5日から7日までスイスはジュネーヴに出張に行ったときに撮影した写真をフリッカーに載せたっきり何もしていなかったので、こうして書いています。

ジュネーヴにはたくさんの国際機関がありますが、私の勤めるFAOが頻繁に共同で仕事をするのはWHO、世界保健機関です。国連の専門機関としてはFAOと肩を並べるWHOですが、その知名度ときたらFAOをはるかにしのいでおり、いわば「誰でも知っている」国際機関となっていますね。ですが実は、規模で言えばFAOのほうが大きいのです。というのも、「保健」の分野と「食糧農業」の分野を単純に比べてみていただければ分かると思うのですが、植物や穀物、動物や魚介、農業に林業、養殖や狩猟、さらには農業技術に水の衛生、環境問題に食品安全、と「食糧農業」がカバーする分野はあまりに多岐にわたってしまうので必然的に組織も大きくなってしまうのですね。なのに人間の健康問題だけを扱うWHOが知名度が高いのは、それだけに人命にかかわるという意味で身近であると共に興味と真剣度も高くなるからでしょう。FAOの知名度もあがればいいのになぁと思うのですがやっぱり農業は地味なのでしょうか。

まぁそんなことはどうでも良いのですが、実は、私は今月はじめのこのジュネーヴ出張でちょっとしたブレイクスルーというか、私が受け持っているプログラムのことで小さな達成感を味わったのでこうしてWHOの8階のテラスにあがって美しいレマン湖を眺め、ジェッドー(大噴水)を写真に収めながらなんともいえない嬉しい気持ちを味わっていたのでした。それを忘れたくなかったので、パリにいる私ですがジュネーヴのことをここにかきとめておくことにしたのです。

滞在中はたまたま大きなIT関係の会議がジュネーヴで行われていて、どのホテルも満室で非常に困ったのですが、ふと思いついておとなりのフランス側のホテルに聞いてみると、WHOに非常に近いホテルがあいていてそこを予約したのが幸いで、非常に良いレジデンス系のホテルで、快適な滞在でした。行きと帰りのバスでユーロで払ったりスイスフランで払ったりとちょっと面白かったけれど、一本のバスでホテルの目の前のバス停とWHOの横を通っている道のバス停にとまるルートだったので通勤も快適でした。

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パリのホテルの窓から

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出張でパリに来ています。昨日の夜更けに到着したのですが、窓から外を見ると珍しくいい景色が広がっていたので、恒例のはずだったホテルの窓からの写真をとってみました。空港から直接タクシーで来たので、正直言って今自分がパリのどこにいるか分からない状態になっていますが。噴水広場がキレイです。

それにしてもお気づきの方ももしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、去年の9月に仕事内容が微妙に変わってから少しずつそれまでの仕事を少なくしてきたこともあって、今年に入ってから急激にアフリカ、アジアへの出張が減ってきました。それらの地域の出張があったとしても、内容が会議への参加だったりして今までの過酷な気配のミッションからはかなり遠ざかっています。

個人的には、実はどんな出張でも気づかないうちに体力を非常に消耗しているし、食生活をコントロールしづらいこともあるし、ヨーロッパであろうともアフリカであろうとも、あまりに多く出張に出るのはつらいなと思っていたのですが、月に2回のペースだった出張が月に1回程度になった今は非常に充実しやすくなっていて、生活も計画的になってジムに通う事もできるようになったし満足度があがりました。ただ、今までは直接政府のみなさんと一緒に仕事をして共同体のような形で食品安全へ取り組んできたのが、今はどちらかというと枠組みを話し合ったり各国間での合意をとったりといった机や紙の上での仕事が多くなってきたのでそれは少しだけ寂しい気分もします。ですがよくよく考えるとそれはただの役割分担であって、どちらの仕事も非常に重要なので広い意味での仕事の意義は変わっていないのですが。

今日はナノテクノロジー関係の会議の第一日目です。方向音痴がつらいのでちょっと早めに朝食をとってホテルを出よう。

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仕事用携帯2

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bb.jpg前回職場から携帯を支給していただいたのは2007年ですが、今回はスマートフォンがやってきました。機種はBlackberry Curve 8900です。ガジェット好きの私としては、当然嬉しいのですが、毎分やってくる大量のメールを赤LEDでヴィジュアルで見せられてしまって、ついに仕事の奴隷になってしまったか、と錯覚します。職場のOutlookと連携しているため、毎時間のように設定されているアポイントメントの5分前になると荘厳なアラームが鳴るのも、ちょっとどうなの?という感じですね。ただ、標準で入っているジョンメイヤーのリングトーンはなかなか良いです。

今回これを支給していただくにあたって、SIM BISカードというVodafoneの契約に変えてもらうことができました。これは通常の携帯も持っておいて、同じ電話番号のSIMを2枚持ち、携帯がオンの間はブラックベリーでは電話の着信はしない、ということができる契約で実はなかなか便利です。仕事中はだいたい携帯には出たくないし、ミーティング中に着信音が鳴り響くこともないし。というわけでデータプランを含めた契約内容もデバイスもなかなか気に入ってます。トラックボールが微妙に使いづらいのですが、以前短期間使っていたiPod Touch(つまりiPhoneインターフェイス)よりはハードボタンがずっとずっと使いやすいのが良いですね。慣れればミスタッチはほとんどありません。2年間お世話になろうと思います。

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はたらくおばさん

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sekainourin.jpgタイトルは昔良く見ていたNHKのタンちゃんとペロくんの「はたらくおじさん」を自分用にモジろうとしたら、なんだかいきなり所帯染みちゃった、という結果です。私いつも思うんですが「おじさん」に対するほんわかした微笑みみたいなものと「おばさん」に対する嘲笑ぽいものの差が大きすぎるなと何気なく憤っているんですがいかがでしょうか。そして、当時の「はたらくおじさん」が急に現代にしっくりこなくなってしまったな、とふと思いました。ということはつまりいわゆる当時騒がれていた「女性の社会進出」(道徳の本なんかによく書いてありました)が実際問題本当になったというそれだけのことなんでしょうね。

いやそんなことは本当にどうでもいいんですが、その「はたらくおばさん」とはつまり私のことで、今年の3月くらいにそんな私の働く姿を取材していただいたので、記念に載せちゃえと思って滅多に載せないばかでかい写真付きで出しちゃうことにしました。ブログに自分の写真載せてる人ってバカっぽいかもしれないけれど、これは何事も記念のためだと思って、見苦しいものをお見せしますがどうか我慢していただければと思います。すみません。

そしてこんな私「はたらくおばさん」のお仕事がどんなのか気になるなんて方は是非読んでみてくださいませ。

2.2MBのPDFをダウンロードして読む

パスワードがかかっていますが教えちゃいます。が!お願いがあります。これは私の家族か友達か、国連のFAOに興味がある方以外には全くどうでもいいような内容なので、本当に純粋に「どうしても」読みたい方だけ、ダウンロードしてください。私は勝手ながらこのブログを記念品をおさめる場所として使っているので、私の記念品なんかどうでもいいひとは是非スルーしてください。そこのところを分かっていただける方で、読みたいという方は是非どうぞ。ちなみに、このファイルは3月に友達に見せるためにmixiに載せたので、パスワードは、です(追記:1ヶ月経ちましたのでパスワードは消去しました。どうしても見たい方はメールくださいね)。あと、文章は私が書いたものではなく、以前に英語で取材していただいてまとめてもらったものを、無理矢理日本語に翻訳したものなので、カタカナばっかり英単語ばっかり混ざっていて、いわゆる「カブれ」化していてかなり感じが悪いです。が、私がどんな仕事をしているかは分かっていただけるかと思います。

最近毎日があっという間に過ぎていきます。ローマは真夏のように暑いです。職場は異常な暑さのせいで、いつもは6月にならないとエアコンを入れてくれないのに、特別に今週からエアコンが入っています。地球ってこのまま熱くなっていくのかしら、とふと柄にもなく非科学的なことを考えてしまいますね。

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