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Gravity

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gravity-poster-jpg_030656.jpgGravity (2013), (A)

話題の映画、見てきました。何と2回も。最初は私サンドラブロックさんの大ファンだし、とりあえず見たいと申し出てAさんと普通に字幕版を観に行ったんですが、かなりすごい映像だったので急に3Dが気になって吹き替え板も観に行ったのでした。いや、吹き替えが微妙すぎてやっぱり2Dでも良かったかもしれない。でも涙のところやあのおそろしいいろいろなものが飛んでくるところなんかは3Dじゃないと迫力が半減、などといろいろと考えてしまって結局どっちが良かったかは結論はでないままです。

いろんな宇宙飛行士たちが「宇宙をどうしてあんなにリアルに撮影できるのか」と驚いたという話や、メイキングの「無重力じゃないところであの映像を撮影した」という話などにも非常に驚くのですが、そういうテクニカルな事より何より、私はやっぱり全ての流れに置いて人の気持ちの細やかな部分を全く無視しなかったのがこの映画の成功だと思いました。仏教のメディテーションやキリスト教のお祈りについて考える時によく思うんですが、人は日々のいろいろな事柄、身近な他人との人間関係、家族や大事な人や自分にとってつらいことや難しいことなどが自分を落ち込ませたり弱くしたりしていると思いがちですね。そしてそういうことは避けたい、と思いがちです。でもそうやって困難なことを経験したことと、そして頑張って得た様々な知識、訓練、様々な考えを持った人たちとの交流によって得た理解などによって、実は少しずつ少しずつ強くなっている「自分」というものが、実は最終的には肉体的にも精神的にも、一番ピンチに陥った自分を助けることになる、と強く思うのですね。他人と交流しない人に他人の気持がわかるでしょうか、自分の気持がわかってもらえるでしょうか。人の痛みを見た事がない人に突然訪れた自分の痛みを癒す事ができるでしょうか。この映画は、私が日頃思っているそんなすべてのことを、私が今まで考えもつかなかった方法で全部事細かに表現していました。私が一生懸命日々考えていることなんて既にたくさんの人が考え尽くしているという一番の例ですね。そして、実はこの映画に関わる人たち自身が、本当はひどく悲しいことを経験したりそれを乗り越えたり困難に立ち向かったりした結果、心を少しだけ強くして、こうしたストーリーテリングができているんだと思うだけで純粋に感動します。

この映画を見てない方にはネタバレになりますので以下は読まない事をおすすめします。下に映像を貼付けていますがいつものトレイラー(予告)ではなく、かなりネタバレの映像になるのでそれも、見てない方は映画を見た後にご覧になることをおすすめします。

映画中盤のメイデイコールを傍受した人がいましたよね。なんとあの部分がAningaaqというショートムービーになっています。Youtubeで見ることができます。私の心からのおすすめです:映画を見た後でご覧ください。こちらからみてしまうと心からがっかりすると思います。

本当になんということでしょう。田舎の雰囲気はしましたがまさかこんなに過酷なところにアニンガがいたとは。彼と家族がイヌイットだったとは。そしてあの犬がそんな状態だったとは。途中から涙が止まらなくなってしまいました。誰もが皆、まわりの命に支えられている、まわりの命を犠牲にして生きなければいけないこともある、それが信じられないほどつらすぎることもある、でもそれでも、生きろ、という強いメッセージだと思いました。そして最後の音。絶対にくると分かっていたのにびくっとしてわっと泣いてしまいました。あそこからは雲が厚くて空さえも見えないけど一瞬見える光の流れ。そしてまわりには重力だけで積もっている大量の雪。

邦題をゼログラビティにした人の意図が全くわかりません。グラビティって重力のことだけじゃない。大事だってことだったり大切だってことだったり、いろいろな意味が含まれています。そして映画の最後、必死になって水から這い上がるライアンの部分、重力がゼロじゃないからこそのありがたみ。あそこにかぶるタイトルの文字がとても大事だと思います。なんで普通にグラビティじゃいけなかったのか全然分かりませんでした。

これから先も何度も考える事になるだろう映画でした。本当に良かった。評価はアニンガのショートムービーとのセットでAです。

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あなたへ

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20130406_anatae.jpgあなたへ (2012), (A-)

今日実はローマに帰って来たんですが、日本で昨日の夜、Apple TVで見ました。ストーリーとしては全編を通してだいたい予想通り、想像通りに話が進んで行き、ロードムービー的な良さもあり、と、たんたんと(でも常に泣きながら)観ることができました。びっくりといえばビートたけしのくだりと最後はやっぱりどんでん返しと言えなくもないんじゃないでしょうか。想像していたといえばしていた気がするけれど「鳩」になるところは予想していませんでした。高倉健さん、実は私の父の永遠のヒーローなんですけれども、あんなにもっさりとした服を着て口数少なくただそこにいるだけなのに、あの異常なカッコ良さはなんなんでしょうか。ズルすぎると思いました。

さてここからネタバレになりますが、この映画の残念なところと言えば綾瀬はるかさんの長崎弁(というより平戸弁か)かな。もう少し頑張れたはず、と思ってしまいました。イントネーションが東北アレンジっぽくなってしまっていて、もうそれだけでいくら語尾の言葉が同じでも違う方言に聞こえてしまうのです。でも激烈にかわいいからいいか。そしてたぶん、すべてを完璧な平戸弁にしてしまうと、映画を見ている人がワケわかんなくなるんだろうなとも思います。大滝秀治さんの名セリフの「ひさしぶりにきれいなうみばみた」というのを完璧な長崎弁で言ってしまうと、「さしかぶいにきれかうみばみた」になるはずなので、忠実にしすぎるとせっかくの名台詞が伝わらないというジレンマが生まれるのでしょう(「きれか」は「れ」に強いアクセントをつけ、音はのばさない)。そうそう、百恵ちゃんジュニアも非常に良かったです。ジュニアといえばもちろん佐藤浩市さん、カッコよかったです。それにしてもあんなにずっと無言だったのに、健さんと口数少ない同士、すごく分かる部分があるんだなと思いました。最後「主任」の話を聞くわけでもなかったのはきっと「彼は大丈夫」と思ったからなんでしょう。みなさんいろいろ抱えていてさまざまな状況がありますよよね。現実社会でも。予告編つけておきます。

それにしても久しぶりのローマなんですが、まだ春がきていないことにびっくり。はーやくこい!

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My week with Marilyn

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week-marilyn-stills-2011-weinstein-company-poster-64731.jpgMy week with Marilyn (2011), (B+)

昨日仕事帰りに友達と一緒に観に行ってきました。実はここ数年、結構いいペースで頻繁に映画を見ているにもかかわらず、私ぜんぜんここのページで更新していませんね。すみません。つい最近はジョニーデップのヴァンパイア映画を観に行ったんですけど、もはや内容を忘れてしまいました。さてこの映画ですが、マリリンモンローという特殊な人を扱っているというのは分かりきっているにもかかわらず、月並みにも「ああ、こういうひといるよね」という感想を持ってしまいました。こういう、女の人、時々いる。

彼女のジョークがウィットに富んでいるところ(実は賢い的な)なんかがわりとハイライトされていたと思うんですが、そういう演出は私はあまり好みではなくて、別にいわゆるセックスアピール部分を強調されすぎたばかりに、「ブロンド」扱いされてしまった、ということは結局のところは本人にとっては単なるきっかけに過ぎなかったんだと思うんです。かえって、そうやっていろんな人から讃えられ、憧れられ、スターになっていってしまったために、逆に人から人気がある、カリスマがある、もてはやされる、ということと、身近な人に、自分を唯一無二の存在として大事にされる、ということと「愛され方」の違いを徹底的に知らされてしまったのが不幸だったのかなと思いました。一般人の私なんかには分かりかねる部分でもあります。

映画としては全体的に時代のおかげというか、音楽がとても「古き良き」時代の物だったのが素敵でした。ジュリアオーモンドさんのヴィヴィアンリーの役もはまり役だと思いました。評価は普通、でも音楽が良かったのでB+です。

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Hereafter

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hereafter_smallposter.jpgHereafter (2010), (A-)

AさんがApple TVでレンタルしてくれたので観たんですが、クリントイーストウッドさすがですね。これは初めの方があまりにタイムリーでリアルな津波の映像だったので日本では自粛という形だったと思うんですが、本当にリアルで映像をみているだけで泣きそうになったまま、全てのストーリーがだんだんつながりそうになってくるところでドッときました。

私はサイキックというのは良く分かりませんが、「臨死体験」をしたひと(そして同じ文化を共有する)誰もが同じ話をするっていうところがすごいなと思っていたので(三途の川など)、ふーん、まあそういう考え方もあるのかなと思いましたが、それよりなにより、大事なポイントはその話が本当かどうかとかそういうことではなくて、もっと基本的な部分で、「身近な人を本当に大事に思う」ということはどういうことなのかとか(マットデーモンのお兄さん役の人は上手にそうでないことを演じていましたね)そういうことをずっと考えました。マーカス君かわいそうでしたが、これから大丈夫かなと思わせられたので安心しました。

トレイラーどうぞ。

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We're no angels

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were_no_angels.jpgWe're no angels (1989), (B+)

こんな名作におこがましくもB評価すみません。DVD借りて観ました。ショーンペンのやんちゃぶりが青くて懐かしい感じがしました。ロバートデニーロはすごくいいのにやっぱりショーンペンが全体的にかなり微妙に見えてしまうのは、頑張りすぎてるように感じるからかもしれません。日本人って、頑張りすぎる人はあんまり評価しないところがあるような気がするので、私もそんな感じなのかもしれません。すっごい上から目線ですが。まあ素人の映画の感想なんてこんなものでしょう。そうだ、これって逃げ出す理由になる張本人の罪人がめちゃくちゃ怖くてなんだかカッコいいです。

それにしても宗教のことを考えるといつも北野武原作の「教祖誕生」のことを考えてしまうんですが、ちょっと似てるところはあります。この映画もコメディ的な要素がたくさんあるわけではないけれど、要所要所で、ここで笑わせるの?と思うようなコメディシーンがあります。最後のショーンペンの「ブラウン牧師」の説教のところは私にとっては、感動ポイントでもあり爆笑ポイントでもあった(こっちのほうが大きい)気がしました。「そんなときポケットの中には何がある?」えーっと...銃?(大笑い)という感じ。

それでもすべての「奇跡」が実は奇跡ではなくて人工の偶然のようなもので、「ブラウン牧師」が言うように「すべてのことは頭の中で起こっている」というところで深く納得させられます。私は人生の中でまだ幸運なことに「絶望」を感じたことはなく、この年になっても近い人の死に直接面したことも非常に少なく、家族が不治の病だとか何かが不自由であるとかそういったことがないので、えらそうに「つらいこと」について話す権利はあんまりないんですけれど、それでもやっぱり日々楽しいことや嬉しいことがあるかわりに物事の大小はあれ、それなりに「つらいこと」というのもあるわけで、それが雪だるま式にどんどんふくらむこともあればさーっと解けてしまうこともあるわけです。そしてそのほとんどは人々の頭の中だけで起こっているということに納得してしまいます。誰か家族や友人が「大丈夫だよ」と言って肩をたたいてくれるだけで解けることもあるし、一人で引きこもってしまって手に負えない大きさの雪だるまになってしまうこともあるでしょう。

前にみてもらったことのあるアメリカのお医者さんが、「私東洋医学にもとても興味があるの」といって、以前に読んだという「身体の不具合は精神で治せ、精神の不具合は身体で治せ」という教えは正しいと思うと言っていたんですが、時々これは本質的なことだなと思うことがあります。精神的に不安定なときは何も考えずに運動したり走ったりして汗を流すと、何故かすーっと不安がなくなってしまうことがあるからです。どこかがすごく痛いとか、そういった身体の不具合はそれは西洋医学で治した方がいいですけれど、それにプラスしたメディテーション的な要素は割と大事な気がします。生活を規則正しくしたりすることでなくなる頭痛や、部屋を片付けることでなくなる疲労ってあると思うから。

そんなことを超脱線しながら考えて見た映画でしたが、最後はやっぱりきっちり捕まってほしかったというのと、ショーンペンが微妙だったという理由でB+です。デミムーアはキレイでした。

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The Tree of Life

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2011-08-16.jpgThe Tree of Life (2011), (A-)

今まで見た映画の中でも3本の指にはいる超のつく難解映画でした。難解すぎて唖然とします。周囲の数人が途中で映画館を出て行き、周囲の多数の人々がスヤスヤ状態でした。一緒に行ったAさんも途中かなり危なかったみたいです。

私は全く解読できなかったので、もう一度見たいなと思いました。だから評価高めです。

結局分からずじまいで悔しいので、ランダムに箇条書きで思ったことを。

  • Father と father(イタリア語でPapa と Papa')が最初から混乱しました。どっちに語りかけてるの?どっちも?
  • 母と、弟が導いてくれたということは「正義」や「善人」が導いてくれて、父親と自分はその逆にあるということかな?
  • ナチュラルに生きるということを世俗的に生きると訳されている。。。それってどうなんだろうと思ったけれど、本当にナチュラル(自然)ということは動物的に本能的に生きる=利己的に生きるということなんでしょう。
  • ハッブル天文台の写真かな、とてもきれい。キレイなものと恐ろしいものは常に同じものに同時に存在している。
  • 好きであることを表現するためには好かれていることが前提だから、難しいな。
  • 「チャンスを待っている間にすりぬけてしまった」的なことは成功する人のメンタリティでなかったということだけれど、それと同時に大切なものを得ている(=成功すると得られなかったもの)ということで理解できるかも。
  • 謝るということは勇気がいるけれどパワーがある。謝ってどうなるというものでもないけれど、その影響力は計り知れないと思う。
  • 成功する人は善人ではいけないというのはあらかた正しいと思う。少なくとも、冷ややかすぎるほど物事を客観視できる必要がある。そしてそこまでして成功したいかどうかというのは個人の価値観であって、最初の「ナチュラルに生きる」か「グレースに従って生きる」かというところなのかも。でも神を信じていない私には後者に説得力がないかも。
  • 森の風景にモルダウの大音量合唱が結構強烈!
  • 最後の天国的なビーチ?はなんのことなんでしょうか。結局大事なものは身近な人々なんだよということ?
  • 末っ子はどこにいっちゃったの?

いつものようにトレーラーコピーしておきます。

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Super 8

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super8_smallteaser.jpgSuper 8 (2011), (B-)

昨日の夜、Aさんと一緒に自宅から徒歩2分のモールのレイトショーで観てきました。結構怖い前半にびっくりしましたが、B-の、超上から目線な辛めの判定なのは、「予想できた結末」という部分と、カッコ良かったお父さんの内面のようなものをもう少し見たい気分になったという部分、あと長時間逆さに吊られていたのに、降ろされたら速攻走れる違和感たっぷりの部分なんかが全体的に残念賞だったような気がするんです。

ペンダントの部分は「スタンドバイミー」のコームを落とすシーンのようだったし、結局さまざまな「少年が大人になる」映画がいろいろと混ざって、プラス少年の好きそうなスプラッターやモンスターな要素が入り、淡い初恋も入り、で盛りだくさんでしたね。ひとつひとつはいいのに、たくさんすぎてぼやけてしまったのかしら。

でもエンドロール後のSuper 8の部分はかなり上手でよかったなーと思いました。チャールズ目線で全体を見たかった気もしました。

最後にトレーラーコピーしておきます。

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Changeling

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changeling_poster.jpgChangeling (2008), (A-)

我が家ではアップルTVがかなりの大活躍で、これもレンタルで観ました。iPhoneがリモコンになったりして便利ですよね。この映画はとにかく怖かった。誰も信じてくれる人がまわりにいない状態に身を置かれて、何を言っても何をしてもダメという状況は本当に心が病んでしまうだろうと思ってしまいました。タイトルもかすかに怖い。言い伝えや童話って面白かったりためになったりする反面、どこかしら怖いような寂しいような感じもしますよね。大江健三郎さんの小説も思い出しました。あれはちょっと私小説っぽい雰囲気ですけれど。

アンジェリーナジョリーさんはキレイで、その強烈な存在感は、私の中ではGirl, Interruptedの印象が強いので、こういう役は本当に一番合うというか、美しくも少し狂気じみている感覚があって、本当に変なのは彼女なのかもと思わせられる可能性があるという意味で、脚本もちょっと変えれば良かったのにと、一瞬思いましたが、やっぱりTrue storyということなので、本来のメッセージを伝える意味ではこれがベストだったのでしょう。LAPDやアメリカの組織につぶされる可能性のないクリントイーストウッドが監督であるということもポイントかもしれませんね。

心理的にすごく怖かったのと、路面電車が走っている頃のロサンジェルスを再現していたのがすごかったので、A-です。

[ DVD | 日本語DVD ]

トレイラーくっつけておきます。

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恍惚の人

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img_1198132_34943323_1.jpeg恍惚の人 (1973), (A)

先日、熊本の実家で母と夜更かししながらおしゃべりしていた時に、NHKのBSプレミアムの「山田洋次監督が選んだ 日本の名作100本家族編」という番組で放映されていたのがこの映画です。私の生まれた年の公開ですので当然白黒の映画ですが、重いのに軽い、軽いのに重いという何とも言えない映画でした。心にすごく残りました。当時流行語ともなったというこの「恍惚の人」、母が森繁久彌の姿を見てすぐに、「これ、『恍惚の人』じゃない?」と言ったくらいなのでかなりの話題作だったんだと思います。というのも、母は映画は好きなんですが、暗いところに行くとスヤスヤしてしまうタイプなので、1シーンを見てすぐタイトルが分かるのはすごいことなんです。その森繁久彌、解説を聞いて初めて知ったんですが、この84歳を演じた時は59歳だったらしいですよ。途中に白黒映画だからこそのシーンである、泰山木の美しい白い花をじっと見るシーンがあるんですが、そのときの表情を見ていて何とも言えない気持ちと記憶といろいろなものが混ざってこみ上げてきて苦しい気持ちになりました。

そしてなにより印象的なのがこの高峰秀子さんの美しさ。今の芸能界ではハーフのモデルさんや、日本人離れしたしっかりした目鼻立ちの美人さんが人気で、確かにみなさんものすごくカワイイなと思うのですが、この高峰秀子さんのように、日本的でかつ、類い稀な美人というのは最近はあまり出てこないなぁと思います。道子妃殿下を見てもいつもそういうふうに思います。お若い頃もそうでしたが、今も、美しく凛としていらっしゃる姿を見るとため息が出ます。この映画の最後のシーンで、高峰さんが鳥かごをじっと見つめながら「もしもし...」とつぶやくところがあるのですが、監督はこの高峰さんの美しさをこういうふうに撮影したい、そしてラストシーンにしたい、と強く思ったんだろうなぁと思ってしまいました。本当に美しいです。

そして主題ですが、老いと認知症と介護のお話です。原作の有吉佐和子さんによるとそれまではまるでタブーのようになっていて触れてはいけないような雰囲気があったのと、文壇で扱うにはあまりにも俗っぽい話題だったりして、ベストセラーとしての評価は得ても、作家としての評価は高くなかったそうです。『日本外史』の中で三好長慶のことを「老いて病み恍惚として人を知らず」と言ったというところからとったという、この原作のタイトルがすばらしいですよね。

母に聞いてみると、この映画は、母の友人が語るいろいろな認知症の方の症状をそのままよくとらえていて、ひとつひとつの奇行が、本当によくあることで(おなかがすいたと常に訴える、電話のベルに強烈に反応する、家を訪れる人を賊だと勘違いする、どこでも眠る、閉じこもる、排泄物に関する奇行などなど)、映画でそれらを、決して大げさに見せるでもなく、解決法を見せるでもなく、重すぎず、軽すぎず、丁寧に描いてあるのが本当に現実的でハっとさせられました。実の息子や娘(小姑)の態度や、若い受験生の息子が意外にもしっかり手伝ってくれているという事実など、いろいろな部分がリアルで本当に考えさせられました。ちょっと自分で面白かったのが、私の場合、映画を見ながら高峰さん(介護する側)に感情移入したのではなく、思いっきり森繁久彌さん(介護される側)に感情移入していることに気づいたんです。

映画では当然当時は「認知症」という名前ではなく「老人性痴呆」というふうに表現されていましたが、昔はこうなってしまった老人はちょっとした精神障害があるとされて家に閉じ込められていたことも少なくなかったとか。長慶もきっとアルツハイマーのような状態だったんでしょうか。介護、介護というけれど、難しい問題ですね。あくまでも「理想」としては、私は家族が家族のことを思いやって必要なことはしてあげる、してもらう、そして心の底から感謝しあう、介護してもらう方はお礼ができるならする、介護してあげるほうはしてあげるのが当たり前だと思う、見返りは求めない、というような基本的なことが家族の中にあって、その上で介護に関する社会的な援助システムを利用する、というのがベストだとは納得するんですが、こういったことはそれなりの経済力や時間的な余裕、それまでの人間関係や地理的な状況などが複雑に絡み合っているので、理想をそのままいつでも誰でも実行できるわけではないですよね。

だからやっぱり、もし私が将来認知症になったりしたことを考えると、私は家族に優しくしよう、今私ができることをして、私の身の回りの人に少しでも助けになることをしよう、どんなに気の合わない身内がいたとしても、なるべく理解をするように心がけよう、そして今のうちから、将来経済的に困らないようにちゃんと計画しておこう、などなどいろいろと先回りして考えてしまいますね。考え過ぎなのかもしれませんが。

そういうわけで若い頃の森繁久彌さん、私がよくテレビで見ていた90歳前後の森繁さんよりずっとおじいちゃんらしくて、それを見るだけでもこの映画を観る価値があると思います。そして美しい美しい高峰秀子さん。それに尽きます。

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阪急電車

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阪急電車 (2011), (A-)

連休中ずっと家でしずかにのんびりと過ごした私たち夫婦は、連休最終日の今日(まだ「なか日」の方もいらっしゃるかもしれませんが)はさすがに外に出かけて映画でも観に行こう、ということになって、大阪出身のAさん家族の毎日の足ともいえるであろう阪急電車がたくさん出てくる、その名も「阪急電車」を観てきました。Aさんの実家は阪急千里線沿線ですが、この映画の舞台は阪急今津線(北線)。大阪の実家に遊びに行かせていただく度に乗る阪急電車ですが、艶やかなえんじ色の車体に落ち着いたグリーンの内装で、まさに昭和な電車風なので鉄道に詳しくない私もかなり好きな外見です。

九州出身の私の勝手なイメージなんですが、宝塚からの阪急沿線はなんとなくですけどステータスとまではいかなくとも、ちょっと上品なイメージがあっていい感じなんですが、私が乗ったことがある梅田までの沿線ではなく、神戸方面行きの電車なのですね。神戸のおばさまたち(とは言いがたい「おばさまたち」でしたが)の言葉が、千里線の中で聞く関西弁よりかなり神戸寄り(よりキツい関西弁?)のような感じがしましたが、こればっかりは関西の方に聞いてみなければわかりませんね。時々関西弁講座をAさんに開いてもらう私が今日、この映画を見る前に「私の関西弁もなかなか上手になったやろ?」と言ってみたらAさんに「あなたの関西弁はな、基本がぜんっぜんなってへんねん」とスッパリ言われました。Aさん、わりと穏やかな性格だと思っていたんですが関西弁になるとちょっとだけ性格も変わる気がする...。

さて、映画ですが良かったです。あまり期待せずにいったので、びっくりするくらいよかった。流れとしてはLove actuallyのような感じだと思いました。最初の方に南果歩が演じる主婦の3人家族のテンポのよい団らん風景に、何故かいきなり号泣してしまったので、その後映画を通じてほんのちょっとしたことに涙腺を刺激されてしまい、良い音楽だったこともあってずっと泣けてしまいました。よく考えるとそんなに感動的なことは盛り込んでないはずなのに、不思議。中谷美紀がキレイで、私の身近なある人ににてるなぁと真剣に思ったので、映画のあとAさんに「中谷美紀ってさ」と話しかけると「XXさんに似てるんでしょ、思ったよ。まぁ当たり前だけど中谷美紀の方がキレイだけどね」と言ってくれたのでやっぱりそうかと思って安心しました。XXさんが恥ずかしがるといけないのでここには書きませんが、後日、本人に伝えようと思います。

1800円の価値があったかどうかはちょっと厳しい感じですが、日本で、ゴールデンウィークにこれをAさんと一緒にこの映画を観た、ということが私にとっては価値があったと思ったので満足です。ほっこりしたい人におすすめで、あまり感情を刺激されるということはないのでのんびり観れるはず。原作の文庫本もさっそく買ってきたのでこれから読もうと思います。

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Love and Other Drugs

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Love and Other Drugs (2010), (B+)

アンハサウェイが好きだという単純な理由で、この映画はなんとなくそんなに期待もせずに見始めてしまったんですが、普通に大号泣しました。実はストーリーそのものにはあまり共感はできなかったし、パーキンソンの真髄にあまり迫りきれてなかったので残念な感じがしましたが、それでもやっぱり、恋愛に関してはシャロウなふたり(に見える)の奥底にあるものをふたりがその表面的なシャロウさで無意識にかばっている状況が痛いほど分かって胸がぎゅうっとなります。微妙にちりばめられたコメディも、思わずぷっと笑ってしまうものもあって、そんなに悪くなかったと思いました。

この先ネタバレになります。

この映画の一番良いところはベッドの上でふたりがチャイニーズのお持ち帰りを食べていて、ジェイミーが"...this is nice"といったばかりにケンカになるところから、そのせいで...、というファイザーのブルーピルに至るまでの伏線部分ですね。何故か、どちらかというと男性の方に感情移入してしまうのはどうしてなんでしょう。そしてパーティから帰って来て彼女と会話するときに心臓がバクバクしてしまう彼をみて、私まで真剣に心臓のことを心配しなきゃいけないほどドキドキしました。マギーがあせって"I once have said that to my cat" と言って、ジェイミーが"OK that makes me feel better"と言ったところでちょっと笑えたのでやっとほっとしたという感じです。

そして脚本的に良かったなーと思いつつも、いくらアメリカでも実際には絶対言わないなーと思ったのが、ビデオをとっていたときに、マギーが「いますごく幸せな気分。あなたの頬に柔らかな光が当たっていて、窓からそよ風は吹いていて、この先こういう瞬間が何百回あったって、この1回きりだって全然かまわない。なぜなら、ぜんぶ同じだから。とにかく私がこの瞬間を今こうして過ごしてる、ということ」みたいなことを言ったこと。詩人です。でもすごく涙を誘います。あと映画の撮り方として良かったなーと思ったのが、コーヒーショップのリチャードに号泣シーンを見せておいたことによって、ジェイミーが居場所を聞き出すことができる伏線になったこと。ああいうちょっとしたシーンはかなり大事ですよね。細かいけれど。

そしてやっぱり最後。「そんなことあなたに頼むわけにはいかない」というマギーに「君は頼まなかったよ」とおだやかに言ったところ。じーんとしました。いい意味で心を砕かれました。

全体的に話としてツメが甘い感じがあったのと、あまりにもアンハサウェイのヌードを見せ過ぎなのと(もったいない)で私の中ではA評価に辿り着きませんでしたが(エラそう)、それでも見て良かったと思いました。私が日頃悩んでいることのコアの部分にも触れてもらった気がしたのもあったので、感謝です。[ DVD | 日本語DVD ]

トレイラーくっつけておきます。

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Easy A

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easya_smallposter.jpgEasy A (2010), (A-)

シニカルでスマートなアメリカンティーンコメディとして私はシンプルにすごく笑わせてもらいました。はっきりいって私にはすごく面白かったです。アメリカらしいというか、「良い」クリスチャンと本当の意味で「良い」人間でいることと、人の目にうつる姿との矛盾と、ぴったりなEmma Stoneの演技のバランスがすごく良かった。Emma Stoneは私はわりと前から好きで、Paper Manも前に飛行機の中で見たんですが、Ryan Reynoldsのダメダメ演技のせいか、彼女が非常に光ってました。キレイな顔と、ハスキーな声と、目ぢからが良さそうです。以下は映画を見ないと良くわからないかもしれませんが、私の覚えている限りで良かった部分です。

とりあえず笑えたのは家族と一緒のさまざまなシーン。普通に弟がオリーヴに「そのパンツいいね」と褒めるところで「ありがとう〜(大袈裟)!Costcoよ(得意げ)」みたいな会話で何故かぷぷぷとなりました。その直後のシーンで「ぼくに思春期(?pubertyといってました)なんか一生こないよ」と弟が言ったときお母さんが「私たちは遅咲きなのよ、私だって遅かったわ」と励ましたんですね。そしたら弟が「そんなの関係ないじゃん、僕アダプトされたんだから」と言った瞬間お父さんが壁を殴りながら"WHAT?! OH MY GOD!!!"「誰がそんなことを教えたんだ?」とやったところが笑えました。だって弟くんかわいい黒人ちゃん。大袈裟なWHATがあんなに微笑ましくなっていてとても素敵な家族だとにっこりできました。あとはもちろん"inappropriate language"のところで両親がティーティーティーティーと永遠にやるところ。あんなに長くされると笑いが貯まりたまってアハハとなります。

お父さんも面白かったけどお母さんも面白かったですね。「Oliveの友達はみーんな」というので、当然「私の友達よ」と来るかと思ったら「私の娘の友達よ」といったので心の中で観客全員が「そのまんまじゃーん!」と突っ込んだことでしょう。 ブランドンが遊びに来たときも、「オリーヴいる?」というときにIs there an Olive?と聞いたので「冷蔵庫の瓶詰のなかにいっぱいあるわよ」と言っててベタでした。

あとはジーザスフリークのいじめっ子に「Higher Powerがあなたの良くない行動をみてるわ」みたいなことを言われたときに、「トムクルーズ?」と聞くとこまでは普通にフフフという感じだったんだけど、そのあとのAmanda Byneの微妙なため息がすごく面白かった。フゥーってやってました。わざとらしく。もしかして面白かったのか?って感じすらしました。

あと、やや下ネタで失礼しますが、オリーヴが、ゲイのブランドンに「ちょっとおちついてよ、ゲイってそんなにこういうのに反応するもの?何があると思ってるの?ノーム?」って言ってて観客のみんな吹き出してました。ノームってお爺さんの風貌の小人の妖精ですね。笑えます。

というわけで、邦題は不明ですが、アメリカンギャグ満載で楽しめました。ティーンコメディ必須のスピーチがないなぁと思っていたら、今の時代スピーチもYouTubeなんですね。もう一度見たいな。トレーラー下にくっつけておきます。[ DVD | 日本語DVD ]

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La Cena

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la_cena.jpgLa Cena (1998), (B)

イタリア語でLa Cenaは英語だと"The Dinner"でズバリ、「夕食」あるいは「ある夜の夕食」のような感じです。邦題は「星降る夜のリストランテ」だそうです!全然違う!とはいえ、良いタイトルだとは思うんですが、あまり映画を象徴しているとはいえません。最後の場面を見てそういうタイトルに行き着いたのかもしれませんけどね。

最近かなりイタリア語の勉強に身が入る私ですが、この映画はシンプルな構成(ほとんどレストランの中で終わる)ということもあってかなり初心者向きな気がしました。とはいえ、分からない部分も多く、オーナーの奥さんの美人なフローラさんが、例の人と何をどうしたかったのかが結局全く分かりませんでした。が、もしかしたら、それはそういううやむやにするような話の設定なのかもしれない、と自分のイタリア語能力を棚に上げたいと思います。最後に妹に「あれは別にいいのよ」とかなんとか言っていたような気がするし。

まあ一言で言ってしまえば、あるローマの人気リストランテでの一夜、といった感じですが、マエストロがなんだかんだメニューをみたあげく、いつものリゾビアンコに決めたり、ティーンネージャーの姪っ子の誕生日のパーティをリストランテでやったり、日本人の観光客(という設定みたいだったんですけど、普通に韓国語しゃべってました)がいたり、約束にひたすら来ない人がいたり、知らない人同士急に仲良くなって語り合ったり、とまさにローマのリストランテで毎晩起こっていることといった感じで良かったです。当然フィクションなので大げさな表現もあって、日本人家族の描写は、ひたすら写真をとりまくったり、カルボナーラにケチャップをかけたり、子供がずっとゲームボーイ(1998年なので)をやっていたりして、日本人の私としてはちょっとムっとしないでもなかったんですけど、結局「印象」を大げさに「表現」するとなると、ああいう感じになるんでしょうね。でも「本当は韓国人なのにみんな日本人だと思っている」という設定なのか、それとも本気の「日本人設定」で韓国語をしゃべってるところはウッカリなのか、良くわかりませんね。いずれにせよ、ゲームボーイのところは良い伏線になってて最後になるほどと思いました。

初老のウェイターが「トスカーナ人」のウェイターのウリアーノを毛嫌いしたり、かなり「ローマ人」にありうる設定で面白いです。哲学のプロフェッサーの役をした人はどうやらイタリア人の間でもかなり人気の俳優みたいで、たしかに彼の演技は光ってました。「『ストロンツォ』を演じたかどうか」のところで「確かに演じたけど、まぁ実際自分は『ストロンツォ』だからね」と言ったりした場面なんかは映画なのに「ふーんそうだったんだ」と普通に納得してしまいました。「イタリア人」というよりは「ローマ人」の人間ドラマを描いたこの映画、私にとってはとても興味深かったです。地名がどんどん出て来ても「ああ、あそこね」と分かったりできるのも嬉しかったし。

でもやっぱりもう少し頑張ってイタリア語勉強しよう、という結論に至りました。映画の冒頭の部分をYouTubeで見つけたので下に貼付けておきますね。映画としての評価は中くらい、ということでBです。[ 日本語DVD ]

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Cafedellapace.jpg映画のプロモーションになるだろうということで、勝手に写真を載せていますが、これは来週から全米公開になるジュリアロバーツの新しい映画、"Eat, Pray, Love"の1シーンみたいです。ぱっと見ただけで分かる、この特徴のあるストリートとこの壁。ここは私も大好きな(と以前に紹介したこともありますね)Caffe della Paceです。ナヴォーナ広場から少し奥に入った「平和通り」という名前の古いストリートに存在感大で鎮座しているといった感じの古いカフェ。かといって敷居が高いということはなく、アペリティーヴォに立ち寄ってふらりと外のテーブルに座ると、「何飲むー?」という友達感覚のウェイターさんが来てくれてサーヴしてくれるタイプのカフェ。夕暮れ時に街行く人を眺めながらのワインなんかがすごく美味しくてしかもお手頃なお値段だったりして、チェントロになかなか行かない私も行けば立ち寄りたくなるお店です。

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凛として。

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kamome.jpg日曜日の今日は朝の9時半にイタリア人の友達のAとバール朝食の約束をしていたので嬉々として出かけました。行き先は日曜日も開いているAndreotti(オスティエンゼにあります)。先日ふたりで週末パリに出かけたのがすごく楽しかったので、またふたりでどこかに行きたいねぇという話をしているときに、私が「ヘルシンキは?」と提案するとびっくりするほど大きな声で、"ANDIAMO!" (Let's go!)とAが目を輝かせたので、5月の週末あたりに調整してみることになりました。

そこでそのままの流れで、じゃあ予習をそれぞれしようということになって、Aは会社絡みの安い航空券を手配、行きたいところをチェック、私はヘルシンキ関連の本や映画などをチェック、ホテルを選ぶ、などなど分担もできました。11時にヨガのクラスに行くというAとバイバイして私はそのままDVD屋さんへ。日曜日も開いているか心配だったけれど午前中だけ開いているということで、ギリギリセーフでひとつだけ、映画をレンタルしてきました。しかも日本の映画。私は今日のこの日までこの映画について全く知らなかった、「かもめ食堂」。原作は群ようこさんで、映画のための書き下ろしらしいじゃないですか。豪華ですね。

そしてそんなに期待もせずに、背景に映るヘルシンキの街を観察しようと思ってみてみたんですけど、小林聡美さん主演、と見たときのイメージがまったくそのままで期待を裏切らないほんわかした映画で嬉しくなりました。少しだけ出てくるフィン語(フィンランド語?)にはイタリア語の字幕しかついていなくて微妙に分かりづらかったけれどあとは日本語で十分でした。それにしても小林さんが片桐はいりさんと出会う本屋さんの雰囲気が私のココロにど真ん中ストライク(カフェの全体の雰囲気も、カフェの食器もかわいくて素敵)。そして家で片桐さんがごはんを一口たべて止まってしまったところはポロポロと泣けました。私がこのシーンの何に共感しているのかは全く不明ですが。そしてコーヒー。私も今日から「コピ・ルアック」って言いながらやろうって思いました。ってさっきコーヒーを煎れたときに既に言うのを忘れましたが。

まあこのように、いろいろ細かいポイントはあるんですが、一番心をつかまれたのは、小林さん演じるサチエの「凛とした」感でしょうか。日々の自分のルーティンを崩さず、詮索せず、迎合せず、感情的にならず、情を入れすぎない。かといって閉じてしまっているわけではないし、違いを受け入れるし、上手に忘れる。こんなことができる人っていうのはなかなかいないと思いますが、なかなかいないと思うからこそこうして惹かれます。いいな、とスクリーンの外側からにっこりできます。

おいしいコーヒーや、キレイに焼いた塩鮭や、カラっと揚がった唐揚げや、美味しく炊いた白いごはんや、それをきちんと握ったおにぎりをいただきたくなります。シナモンロールもね。

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  • Once (15 Feb, 2008)
  • Taxi (08 Feb, 2005)
  • Hero (30 Aug, 2004)
  • Troy (21 May, 2004)
  • EdTV (09 Feb, 2003)
  • 8mm (26 Dec, 1999)

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