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2006年01月09日
ニューヨークタイムズの"Really?"というコラム欄は、簡潔で分かりやすくてキャッチーなので(でもときどき大げさ)、私は好きなんですが、新年のそのコラムに"Really? The Claim: Fish is Brain Food"(魚は脳に良い食品だという主張は本当か?)というのがあってフムフムと読んだのでご紹介です。まあ、日本人にとってみたら、そういうふうに聞かされてここ十数年過ごしてるから、「そうそう、そうだと思って生きてきたけれど、本当のところ、どうなの?」という人も多いでしょう。また"The-know-it-all"タイプの人は、「そうだよねーマグロの目のまわりのドコサヘキサエン酸ってやつが脳にいいんだよ」なんて言うかもしれません。そういうふうに聞かされてますよね。でもはたして本当なのか、というレポートです。
まず、ちょっと関係ないんですが私の目をひいたのは最初のところで、THE FACTS Some old bromides - like the one that holds that chocolate causes acne - were just plain wrong.と書いてあるんですが、そうなんですよ。「一部の、常識のように思われている「言い伝え」は単純に間違いであることも多いのです。たとえば、チョコレートはにきびの元になる、などは単純に間違いです」ということ。これって本当にそう思い込んでいる人多いですよね。科学的根拠はまったくないのに。ちょっと話がそれましたが、魚と脳の関係の話。
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コラムにはこのようなことが書いてあります(概要)。
- 昔から「魚は脳によい」と伝えられている。
- 昔の主婦達が食生活に関していろいろと噂する中、この主張がどういう理由でいつ始まったのかは確かではない。
- 一部の人は、人類は魚のたくさんいる海の近くで発展してきたので、魚に含まれるオメガ3脂肪酸などが脳の発達に大きな役割を持っていると信じてきた。
- この主張がどこからきたか、どの理由か、というのはさておき、最近の研究はこの主張を肯定する方向で結果が出ている。
- ハーバードで、135人の母親とその乳児を対象に研究が行われたが、妊娠中により多くの魚を食べた母親の乳児のほうが、6ヶ月の乳児に与えられたテストでより高い点数を得た。
- しかし研究者は、水銀の含まれる恐れのある魚を避けて、低カロリーのツナやサーモンの缶詰を選ぶべきだとしている。
- もうひとつの12月に発表されたばかりの研究では、成人を対象にしている。
- 魚を少なくとも週に1回以上食べたお年寄りは、記憶能力や、精神的健康を計るテストで、魚を週に1回以上たべなかった人よりも高いスコアを出した。
- お年寄りは年々そのような能力を失うが、魚を多く食べた方が、食べなかった方にくらべて10%遅くその能力を失う、つまり、食べなかった方がよりはやくそのような能力を失うことが分かった。
- コーネル大学の専門のBoockvar教授は、魚を週に少なくとも2回は食べることを推奨している。
- 「水銀を含む可能性のある魚以外の魚を食べて、健康を損なうことはない」とBoockvar教授は言う。
- 「そして科学が、魚を食べると脳の働きを良くすることを証明している」
ということで、
THE BOTTOM LINE Fish is good for the brain.
結論:魚は脳に良い
ということになってました。日本人は魚は週に3、4回以上は食べますよね。私はアメリカに来てから魚を食べる回数は明らかに強烈に減ったし、もともとあまり魚を好むタイプではなかったんですけれど、さあ日本食を食べよう、ということになると、必然的に魚料理になるし、日本に帰るとなんだかかんだで結構食べますね。「脳の働きが良くなる」という言葉はぼんやりしすぎていて分かりづらいですが、私はこのコラムで、どういうふうにオメガ3脂肪酸が脳に働くか、というようなラボ系研究結果の、一般向けの分かりやすい説明があるのかな、と期待してたんですが、なんと、レトロスペクティブな疫学的研究結果(実際にグループ分けして、食生活について聞いて、さらにテストを行う実験)のレポートだったんですね。まあ、それでも十分興味深いですけど。というのも、統計学で、単純にグループを2つに分けて、同じテストを行って(しかもN=135というような割と少なめの人数で)、グループ別に有意差を出すのは、それはもう、異常に難しいことなので、これはすごい違いだと思って良いと思うんです。でもまあ、もうちょっと確実な科学的な証拠の「一般向けの説明」というのを、私としては見てみたいところですけれど。
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