昨日、半年以上前にクラウドファンディングでサポートしたキャリーオンのG-ROが我が家に届きました。正確に言うと23日には届いていたのですが、留守をしていて昨日受け取れた、ということなんですが、この斬新なキャリーオンを説明するには動画が一番なので貼り付けておきます。


2輪なんですが、360度回転出来て、車輪が大きく作られているので重くなっても重く感じない、あとは車輪のサイズまでの段差なら難なく軽く超えられるということがメインの特徴ですね。そして今時ということでバッテリーパックが内蔵できるようになっています。私もせっかくクラウドファンディングという今風なやり方で「バックした」のでバッテリーパック入れてみました。携帯だったら10回くらい充電できるサイズのバッテリーで満足です。そしてロケーショントラッカーも便利ですよね。私はこれはキャリーオンとして買ったので、大きなスーツケースを預けるときにそっちにトラッカーは入れようかなと思います。ちなみにトラッカーはGSMのネットワークを使ってトラックするので、世界中で使えない国が2つしかありません。でもその2つというのが日本と韓国ですので日本国内の旅行が多い方は必要ないモジュールですね。

パッキング動画(男性用)もあったので貼り付けておきます。


とりあえず届いたばかりなので家の中で転がしただけなんですが、今の段階の印象はすごく良いです。ダブルのTSAロックが付いていてガジェット類を入れるポケットにも軽くロックがかけられるのもよく考えられているなと思ったし、車輪が薄くてサイドにあるので収納のスペースが広いというのもかなり気に入りました。あと特に思ったのは、スライド式のハンドルの長さ。私の身長だと(170cm)一般的なキャリーオンのハンドルも普通に持ちやすいのですが、Aさんと旅行するときには彼の身長だと(182cm)ちょっと低くなってしまって片方の肩を下げる形になることが多いんですね。これは2段階のスライドだと私のサイズ、3段階でAさんのサイズになるのでさすがアメリカンサイズ、と感動しました。

これからタイに渡って出張が今までのようにたくさんあるかどうかは分からないのですが、実際にいつも通りにヘビーに使ってみてまた感想を書いていこうと思います。

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過去10年以上にわたって月に少なくとも1回以上、日本に帰るのも入れると時には月に3回ほど国外に行くこともある私は、初めこそパッキングにものすごい時間がかかっていましたが、ここ5年ほどはかなり素早くなりました。なんと(?)、トータル平均30分です。まあそんなに素早くもないか。でも皆さんに驚かれるのが、パッキングのタイミングです。なんと、いつも出かける直前にやります。どういう感じなのか書いておきたくなったのでこれを書き始めました。

1)旅行の前数週間
旅先が例えば日本の場合、持って帰りたいもの、お土産などについてぼんやり考え始めるのが1、2週間前です。この時私にとって大事なのが大きなしっかりした紙袋を準備し、持って帰ろうと思っているものをとりあえずそれにちょこちょこ入れ始めることです。私の場合、イタリアのコーヒーが好きなのでコーヒーをまとめ買いしたり、出張の時に買った家族へのお土産がたまっていたりするのでそれをポンポン放り込みます。

2)前日の準備
前日には、できれば必ずフライトのオンラインチェックインをします。搭乗券もデジタルのものを用意するか、プリントアウトしておきます。携帯、カメラ(持って行く場合)、モバイルバッテリーなどは前日の夜からフル充電します。読書中の本(電子)があれば持って行くデバイスにちゃんと保存してあるか確認します。読むものがない場合は前日それを言い訳に電子書籍を何冊も買ったりもします。

3)出発当日の起床時間について
飛行機の時間から逆算し、空港に到着したい時間、そのために家を出る時間、というのを計算するのは当然だと思うんですが、そこから私は3時間前を見積もって起床時間とします。例えば、午後12時のローマから成田への便の場合、10時半には空港に到着したい。ということは車なら10時には家を出たい。ということは朝7時起床、という計算になります。ローマ成田便は日本に午前中に到着してしまうので、長いことシャワーをしていない状態で到着してしまった場合、帰宅後すぐにシャワーを浴びたくなってしまうんですね。そうすると恐ろしいことにシャワーのあとホッとするからか、とても眠くなってしまい、それが時差ぼけが始まるきっかけとなってしまいます。それを避けて、到着した日になるべく長く起きておくために、出発の日は朝からシャワーをしておくことが私にとっては大事なのでその分時間が必要なんですね。しかも、ロングヘアーの私は髪を乾かす時間を計算に入れなければいけないのです。その他にも色々とパッキングに関係のない、時間のかかる事項がある(いかに説明してます)のでトータル3時間なんですね。これだと絶対慌てることもなく、時間があまりすぎることもありません。

4)一人暮らしの侘しさ:シャワーと洗濯機オン(30分)
30分間かけてシャワーをした後、最後に脱いだ服も含めて「最後の洗濯物」というものを全部洗濯機に投入します。イタリアの我が家の洗濯機は洗って脱水するだけなのに1時間50分もかかるので、シャワーの後すぐ洗濯機を動かすのはタイミング的に大事なのです。

5)プリパレーションフィールド設定(0分)
次に私が「プリパレーションフィールド(準備場)」と呼ぶ3つのエリアを設定します。まずはベッドメイクしたベッドカバーの上を「預けるスーツケース用フィールド」にし、リビングのソファーの上を「機内のキャリーオンスーツケース用フィールド」にし、いつもラップトップを置いているデスクの上を「ハンドバッグ用フィールド」に設定します。設定をするだけなので、実際のスーツケースやバッグはまだ開きません。

6)すでに決まっている飛行機用ワンピース(0分)
いつも家族に笑われるのが、私には「飛行機用ワンピース」があることです。過去3着ほどありましたが、一つの時期には一つだけです。今はマリメッコのウェストにリボンがついたロングワンピースです。フェイスタイムなどでそれを私が着ているのを見ると母が「あれ、出張?」と聞くくらい、いつもそれです。とにかく見た目が可愛く、シンプルなのにラクチンで、ロングのノースリーブというのがこの飛行機用ワンピースの条件です。これに何か上に羽織るものを着ていくかもっていきます(白、黒、茶、グレーを持っていて、その中から選びます)。出発の朝のシャワーを浴びた後はこのお決まりワンピースに合う下着セットを必ず着ます。出かける服と下着のセットを選ぶのに全く時間をかけなくていいのはとても大事なことです。

7)くだらないけど大事な旅行のテーマカラーと靴選び(1分)
次に旅行のテーマカラーを決めます。茶色系なのか、黒系なのか、ブルー系なのか、白系なのか。茶色系の場合は差し色は赤とか金とかになります。黒系の場合は差し色は白や銀。ブルー系の場合の差し色は茶色やベージュ。白系の場合はピンクや黄色になります。そのあと靴選び。茶色系に決めたらベージュの靴、黒系の決めたら黒い靴、などテーマに合わせた靴を選びます。1週間以内の場合は1足でまわします。それ以上の場合は2足。プラス、フリップフロップを持って行くことも多いです。ホテルの部屋でスリッパ代わりにも使えるし、出張先にプールがあることも多いので。あとは必要に応じて買えばいい、と決めて買い物の言い訳にします。

8)スーツケースとバッグ選び(1分)
テーマカラーが決まったら次はスーツケースとバッグのセットを決めます。今持っている大きめのスーツケースはクリームがかった白系なので、上にあげたテーマカラーの全部に一応合います。茶色系に決めたらキャリーオンは赤、他のテーマカラーだったらキャリーオンは白、など決めます。バッグはラップトップを持ち歩く可能性がある場合はラップトップが入るサイズを一つと、ディナーに出かけるサイズの小ぶりのバッグ(あるいはクラッチ)を一つ。これらのバッグもテーマカラーの色に合わせます。このテーマカラー制にしてからこの組み合わせを決める時間が激烈に短縮されました。おすすめです。

9)身支度しながらパッキング(10分)
飛行機内に何時間もいるので大事なのがデオドラントですが、シャワーをしてすぐデオドラントをして、それをプリパレーションフィールドに(私はキャリーオンスーツケースに入れる)置きます。これでデオドラントは忘れません。次にそしてコンタクトレンズを入れて、入れ終わったコンタクトレンズケース、保存液、外した眼鏡、眼鏡ケースをプリパレーションフィールドに(私はキャリーオンバッグに入れる)置きます。綿棒で耳のお掃除したり、アヴェンヌをスプレーしたりするたびに、必要な分だけどんどんプリパレーションフィールドに置きます。例えば、綿棒の場合は必要な数を宿泊数に合わせて(例えば、私は1日2本必要なので5日間の旅行であれば10本)ジップロックに入れて置く、アヴェンヌは家用の大きなスプレーをした後、携帯用のものを取り出して置く、など、身支度の順番でどんどん使うものを置いていきます。ちなみにほとんどのヨーロッパやアフリカのホテルにはシャワージェルやシャンプーはあるんですが、コンディショナーはありません。なので私には必須のコンディショナーはいつもちょっと大きめのプラスチックボトル(80ミリリットル)に詰めていきます。これに数分余計にかかることもあります。

10)長いひと休み(1時間)
身支度の段階が髪を乾かす段取りになったらパッキングの一時休止です。お湯を沸かしてコーヒーを淹れ、のんびりドライヤーします。この時だいたい私は母にフェイスタイムをかけてダラダラおしゃべりしながらやります。1時間くらいでしょうか。朝だったらこの時母と一緒に朝食をとったり(母は昼食)、日焼け止めを塗ったり、お化粧をしたり、ハンドマッサージしたり、ペディキュアを塗ったり、かなりのんびりやります。そして身支度終了と共に、ヘアブラシ、化粧道具など、使ったものの中で旅行でも必要なものをプリパレーションフィールドに置きます。お化粧品もテーマカラーに合わせるのでささっと決まって楽です。

11)部屋の片付け(30分)
次はお部屋を片付けます。食器を洗ったり、その辺に落ちている大量の私の長い髪の毛を掃除したり。これをサボると帰ってきた時のがっくり感がやるせなさすぎるので張り切ってやります。1)で書いた紙袋がある場合、その中身をプリパレーションフィールドに置きます。

12)洋服選び(5−10分)
ベッドのプリパレーションフィールドの近くでファッションショーをします。5日間の出張であれば毎日の予定(会議、講演、フィールドワーク、など)を考慮しながらちゃんと1日1日きちんと考えます。なるべく少ない組み合わせでTPOに合った服と靴のセットにできるようにします。テーマカラーが決まっているのでその範囲内でやればだいたい間違いません。そしてその服似合った下着セットを選びます。マックス5セットまで持っていきます。それ以上必要となるような長い出張の場合は手洗い洗濯するための洗濯セットをパッキングします。靴下やタイツなどもこのファッションショーの時に合わせて全部一気にプリパレーションフィールドにどさっと載せます。ビキニもテーマカラーのものをひとセット入れます。プールがなくてもサウナがあったりターキッシュバスがあったりすることがあるし、大して場所をとらないので。この時携帯用ファブリースも一緒に置きます。

13)美容グッズと女性ならではのもの(1分)
基本的には使い捨てパック(2日に1枚の計算)、マッサージ用のクリーム、アーモンドオイル、コットン、ネイルファイル、生理用品、目薬(使い捨て)、サプリメント(鉄、B12、C)、薬(イブプロフェン、ルル、ムヒ)、バンドエイド(靴擦れが恐いのです)、携帯用簡易靴磨き、使い捨て用歯ブラシ、気に入っている歯磨き粉、マウスウォッシュなどをいつもセットにしているのでそれをばっと掴んで置くだけです。

14)ないと絶対困るものを準備(2分)
これは本当に限られていて、例えばパスポート、ビザ、イタリアのID、航空券(デジタルだったりもします)、現金、これはユーロと出張国の通貨(あれば)の両方、日本の場合はパスモや自宅の鍵、携帯、あとは仕事で必要なもの、デジタルガジェットの充電器、アダプタープラグなどだけです。これらはキャリーオンバッグのプリパレーションフィールドに置かれます。この時私が忘れがちなのがAppleWatchの充電コード。これ本当に忘れがちなので困ります。AppleWatchを自分が腕につけるその瞬間にプリパレーションフィールドに置けばいいんだ!と気づいてからは大分忘れなくなりました(遅い)。ラップトップが必要な場合はラップトップもこの時準備します。iPadで十分な時もあります。

15)快適グッズを準備(オプショナル、1分)
エコノミーで飛ぶ時はノイズキャンセリングヘッドフォン、機内用の靴下(スリッパ代わりのモコモコのもの)、いい香りがするアイマスクなどをキャリーオンスーツケースのプリパレーションフィールドに置きます。

16)大量のジップロック!(1分)
それぞれのプリパレーションフィールドを眺めて必要な数とサイズのジップロックをパラパラと出します。チェックインする荷物だったらこまめに分けて液体を袋に入れます。余分な大きめのジップロックも何枚か入れます。キャリーオンの方は決まったサイズのジップロックにして液体のものは全てまとめて一つに入れます。

17)詰め込む!(3分)
柔らかい洋服はくるくると巻き最後に入れるためにとっておき、その他のものは堅いものから入れる、という順番でチェックイン用スーツケース、キャリーオン用スーツケース、キャリーオン用バッグの順番でサクサク詰めていきます。1週間以内のヨーロッパ内の出張の場合は全てキャリーオンにまとまることが多いです。キャリーオンの中の液体用ジップロック、ラップトップはセキュリティーチェックの時に出すように言われることが多いので一番最後に出しやすいところに入れます。自慢なんですが、私このプロセスが本当に素早くて、見た人みんなが驚いてくれるんです。まさにあっという間ってやつです。全て入れたらパチンパチンと閉めて、全てさっさと玄関前に置きます。

18)洗濯物を室内干しする(10分)
最後の洗濯物を干します。

19)「出がけのお茶」を飲んで片付る(15分)
私の母が「朝茶はその日の難逃れ」と言って「出がけのお茶」ほど大事なものはないといつもうるさく言うので、私は旅行の時は必ずお茶を入れて飲んでから出かけることにしています。これって熊本の言い伝えですか?全国のもの?母と私の見解は、この言い伝えは別にお茶が魔除け的な役割を果たすというような意味ではなく、バタバタして出かけるのを防ぎ、お茶を飲む余裕を持つことが大事という意味であろう、ということになっていて、忘れ物をしないように、慌てて怪我をしたりしないように、この15分の余裕を持つことにしています。だから飲みながら旅行のシミュレーションをやって忘れ物チェックをすることが多いです。飲んだら洗って片付けます。そうこうしているうちに出かける前にトイレにも行きたくなるので便利なプロセスです。そのあと歯磨きします。

20)電気、水道、ガスのチェック、書き置き(大家さんや家政婦さんに)を残す(5分)
最後に長い旅行の時は電気の消し忘れがないようにしたり、週に1回来てくれるGに書き置きを残したりする時間を取ってから、靴を履いて、お出かけです。これでトータル3時間になりました?

一気に書きましたが、ちょっと楽しかったです。すごくパーソナルな内容ですみません。何か忘れているかもしれないので次にパッキングする機会に見直して、書き直すことがあるかもしれません。お付き合い頂きありがとうございました。

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モンペリエより

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Montpellier

出張でフランスは南部モンペリエに来ております。初めての土地です。まだ空港からホテルに来ただけですが、ホテル、結構渋めです。つまりボロいです。でも何となくオシャレ感が漂うのはフランスという土地に騙されているのでしょうか。写真はホテルの窓というよりは、ホテルの部屋から一歩出た、廊下の先のバルコニーの写真です。

今回はEUのプロジェクトの最終会議で、前回モーリシャスであった会議のフォローアップです。終わっちゃうのは寂しいけれど、一区切りつくのでスッキリ感もあります。それにしても今年は東京、ウィーン、コペンハーゲン、パリ、という途上国ゼロベースの出張が続いていて、そして今回のモンペリエときたので、同僚のブーイングもちょっとだけ気になってきました。でも7月にはモルドヴァ出張が入っています(一応途上国)。そして8月にはダブリン(スミマセン)、ナイロビ(一応途上国、10月になる可能性あり)、9月にニューデリー(一応途上国)、となっているので許してもらおうという感じでしょうか。

ところで週末に近所の青空市場で平たい桃(大好物です)が安かったのでうっかり大量買いしてしまって、今日の出発直前に「どうしよう。。。」となりました。で、その時FaceTimeでおしゃべりしていた母と相談して、ジップロックに入れて出張に持っていくことにしました。重いのに5個も!空港で没収ってなったら嫌だなぁと思っていたんですが、意外にスルスルっとうまくいき、今ホテルの部屋で甘い甘い平桃をかじっています。幸せ。

会議は今夜のソーシャルプログラムから始まり、私のプレゼンは明日。ちょっと張り切って頑張ってきます。

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アムステルダムより

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Amsterdam


出張でオランダはアムステルダムに来ています。今夜もあいにくの雨なんですが、どうやら滞在中の今週はずっと雨のようです。残念。写真はホテルの部屋から見える小さな水路。アムス河から水を引いて、荷物を運搬するのに水路はせっせと掘ったというからすごい話ですよね。滞在するホテルは割と中心地ではあるのですが、会議のあるホテル会場からは徒歩7、8分というところ。これから毎朝歩くことになりそうです。ひとまず明日は会議の前の勉強ツアー。港に行って飼料原料のタンカーからの積み出しを行う様子を見せてくれるというので楽しみです。強烈な大規模なものだそうです。

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Vienna Staatsoper


8月に、10月のウィーン出張が入ると分かってから、どうしても一度は行きたかった国立歌劇場に行こうと思い立ってチケットを頑張って取ったのでフライトの疲れもなんのその、という気分で見に行ってまいりました。最新作のミッションインポッシブルでのあの息を飲むシーンとなった歌劇場です。映画ではトゥーランドットでしたが、私は同じプッチーニでも蝶々夫人でした。この際日程が合えばどのオペラでも良いというのが正直なところでしたが、結論から言うと、私は今、この年齢でこの時期にこうして改めて蝶々夫人を観ることができて本当に「助かった」と思いました。「良かった」というよりは「助かった」と思ったのです。

ところで、せっかくヨーロッパに住んでいるからという理由で、ミーハーな気分で私はオペラに行くことが多かったこともあって、観光客の皆さんがせっかくだからといってオペラに行くという選択をするのをとても応援します。ので、ちょっとしたコツを書いておきます。

まずオペラのチケットをゲットしたら会場の場所、開演時間、会場のオープン時間などを確認します。夜のオペラの場合は終了時刻が夜の12時を超すこともよくあります。ですので女性だけの場合はホテルの人に頼んで帰りのタクシーの予約をしておくのも良いかもしれません。カーテンコールまで会場にいると、タクシーを求める人の群れに埋もれて、下手をするとタクシー難民になります。女性だけで夜中に地下鉄に乗るのは自己責任で、というと簡単ですが、99%の確率で何も起こらず安全だとは思いますが、1%の確率をどう考えるか、というところです。私は最近は後ろ髪を引かれる思いで、幕が一度閉じたらカーテンコールは振り切って一足先に会場を出ます。するとタクシーはすぐに拾えます。

もう一つ大事なのは、もし英語の文章を読みなれていない方は、前日から前もって、観る予定のオペラのあらすじを1幕、2幕、3幕、とインターネットで探して日本語で頭に入れておくのも良いでしょう。プッチーニは全編イタリア語なので、あらすじが分かっていないと、だいたい置いていかれます。英文を読みなれている方はこれはサボっても大丈夫です。理由は下の方に書いておきます。

その日は観光を詰め込まず、お昼を食べたら午後はホテルやカフェなどでゆっくりと過ごすことをお勧めします。疲れすぎるとオペラは大音量の子守唄になりがちらしく、よく日本人の可愛らしいお嬢さんたちがコックリコックリとされているのを目にします。せっかく素敵な大人の夜を過ごすので(チケットもお安くはないですし)、前もってお昼寝をしておくのも良いかもしれません。会場付近には私は1時間半以上前に到着することにしています。なぜなら、場所を確認して、オペラハウスの外見を胸に焼き付け(写真にも)周りのお洒落なカフェの窓側に座って軽い夕食(サンドイッチなど)をあらかじめ済ませておき、そこに次第に集まってくるお洒落な人々を観察したいからです。この時間は割と至福の時間です。おすすめです。

そして45分から30分くらい前になったら会場に入ります。クロークにコートや大きな荷物を預け、身軽になります。クラッチのような小さなバッグを鞄に忍ばせておくのはいいかもしれません。結局小さなお財布と携帯、リップスティックなどしか必要ないのですから。ところで、ウィーン国立歌劇場のボックス席のチケットを持っている場合は、ボックス席のドアの後にちゃんと仕切りのある部屋があり、外套をかけておくための小部屋となっているのでクロークに行く必要はありません。大きなバッグなども多少のものであればそこに置くことができます。素敵な大きな鏡台もあってリップをお直しするのにも最適です。

席を確認したら、お化粧を再チェックして、お手洗いを済ませ、次はプログラムを手に入れましょう。廊下に案内役の男性、女性がきちんとした格好で立っているので彼らに聞いてみましょう。だいたい10ユーロ前後で買えます。ウィーンは3から5ユーロでお安いイメージでした。プログラムはオリジナル言語、つまりフランスだとフランス語、イタリアだとイタリア語、オーストリアだとドイツ語で書かれているので、買っても意味がないなあと思うかもしれませんが、プログラム自体がすごく素敵なので是非買ってください。そしてその中に必ず"A Lire a vant le spectacle"(フランス語で「観劇の前に読む」という意味)だったり、"Argomento"(イタリア語で「主題」「あらすじ」というような意味)だったり英語で"Synopsis"と書いてあったりするページがあって、そこには日本語訳がある時もあるし、英語訳は必ずあります。それをお勉強(予習)するのが正しいオペラ前の時間の過ごし方なのですね。もちろんこれはオペラに精通した方はされませんけれど。

プログラムを手に入れたら次にバーを探しに出かけます。オペラハウスにはだいたい素敵なバーが付いていて、大人の皆様がそこで社交活動をされています。やはり好きな方は通うのでばったり会うのですね。とても楽しそうです。シャンパンのような泡モノが人気ですが、私は観劇の前のアルコールは不安なので、だいたいトニックウォーターにレモンを入れてもらったりして、そういうすっきりしたドリンクをいただきつつ、プログラムを隅から隅まで眺めます(読みます、ではない)。そしてあらすじを再予習して時間になったらボックス席に入ります。上の写真はそのくらいの時間ですね。開いているのが縦長いプログラム。買うとだいたい、その日の歌手の皆さんの名前が書いてあるようなリーフレットももらえます。そして続々と集まってくるボックスの皆さんとご挨拶して、開いている英訳パネルを調節して、それからオペラの世界に入り込んでいく、という形です。

実は蝶々夫人はいろいろなところで観たのを入れると、私にとってちゃんとしたオペラハウスではこれが3回目です。他の演目よりなぜか多く観ているのですが、特に好きというわけでも嫌いというわけでもないというのが本心だったんですね。たまたまです。好きでもない、というのは、そもそも自分自身が長崎の東山手に住んでいたこともあって、「外国人から見た、素朴な長崎の人々と、芸者小屋の人々」という絵図が「さもありなん」で、コンセプトとしてチープなイメージがあるのは間違い無いんですね。わかりやすい例を出すと、現代の妻子ある日本人サラリーマンが、例えば仕事の関係で行った小さな途上国で入った飲み屋さんの可愛らしい女の子に声をかけて、それなりに仲良くなっちゃった、というのと何が違うんですか、という感じ。

ただおどろきなのはプッチーニが日本に行ったことが無いという事実でしょうか。それだけがただただすごいです。日本の民謡をちょこちょこと入れたり、アメリカ国家をうまく取り入れたり、まさに天才です。ストーリーとしては、時代背景と様々な状況で商売の女性に成った蝶々夫人は不幸なんだかそうじゃ無いんだかわからない部分で「これが私の人生」という半ば諦めの境地で没落士族であったら父のため、と生きているのですね。それを誰も責めることはできませんが、幼い15歳の女の子に本当の愛情なんて分かるわけがなく、あっさりとピンカートン氏を全て信じ切ってしまうんですが、そこを、いつも自分のことのように悔しく、憤ってしまいます。有名な「ある晴れた日に」が、まさにその信じ切っている感情そのものなのですが、いつもこの痛々しいアリアを聞きながら苦い気持ちになっていました。

ですが今回は初めて、渋い気持ちではなく、晴れた秋空のような気分ですっきりと「ある晴れた日に」を聞くことができました。今回初めて、遅まきながら、実は蝶々夫人は実はこの歌の時には全て知っていて、何もかもわかっていて、裏切られたことも全部、気づいた上で、ただ単に、ピンカートン氏を好きだという気持ちだけだったんじゃないかと、急に思いました。人生どうしようもないことはものすごくたくさんあります。自分の気持ちだって一番どうしようもないものでしょう。ずっと話をそのまま受け取っていて、騙された蝶々さんはバカな子だと思って憤っていたけれど、そういうことじゃないかもしれない、と思いました。騙されていなければ自分を見失ってしまいそうな状況だってあるかもしれない。気丈に生きるっていうことは強い(正しい)という意味だけじゃないかもしれない、と思いました。2008年のエドハリス主演映画の「アパルーサ」を見たときも、蝶々さんとは全く逆の意味ではありますが、確か少し似たようなことを考えたような気がします。

そしてこうして年齢を重ねてきて、世の中は公平ではなく、強い人がいて弱い人がいる、正義だけが勝つわけでもなく悪だけが勝つわけでもない、というのが人生を通してだんだん実感として自分の経験として自分の一部になってくるときに、「勝ち組」だとか「負け組」だとかそういうことの本質を考えずにきれいごとをいうことの無邪気な悪意や、「知らないこと」あるいは「よく分からないこと」という存在を無視して生きて行く容易さなどに流されがちになってくると思うんですね。時々胸が張り裂けそうに辛く悲しいことが起こって、人々の無関心さや冷たさ、温かさ、優しさなどに触れると「一見弱い人」が実は「強い人」であることが見えてくると思うんです。「一見強い人」が「弱い人」であったり。今、この現実世界で、それを時々思い出させてくれるものは少ないのですが、この蝶々夫人は私に強く「思い出して!」と言ってくれました。弱く、優しく、騙されやすく、そして美しく、儚い蝶々さんは、その後の息子のことを思うと、本当はとてつもなく強く、賢い人なのかもしれないのです。

最後にマリアカラスのUn bel di'(ある晴れた日に)の音源を見つけたので載せておきます。対訳もあってわかりやすいです。

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Napoli

[2015年3月17日にナポリに行ったのでこのエントリを書き始めましたが放置してしまっていたので7月になってアップしています]

イタリアに外国人として長く住んでいると、よくイタリア人に「イタリアはいろんなところに旅行した?どこが一番好き?」と聞かれるんですが、私は住んでいるローマを除けば、確実にナポリだと答えます。実はこの答えだと私はかなりのマイノリティとなります。だってやっぱりヴェネツィアは格別だし、フィレンツェも捨て難い。ファッションやショッピングはミラノだし、南イタリアだとナポリよりもアマルフィやポジターノ、ソレントなどのほうが有名だしナポリに行くくらいだったらそこからフェリーにのってカプリやイスキアに行ったほうがずっとリゾート感があります。でもやっぱり何度も行きたくなってしまうのはナポリなのです。

それはなぜかというと、私が思うに、一般の日本人の感覚で「イタリア」と聞いた時に、イタリアを見たこともなかった私がいつもなんとなく思い浮かべていた風景や雰囲気に、ナポリが一番近いからだと思います。照りつける太陽、真っ青な空、同じ色の海、小麦色に日焼けした露出度の高い陽気な老若男女、オーソレミオ(おお私の太陽よ)的なベーシックなカンツォーネ、青空市場、ハイヒールとサングラスのカッコいい女性たち、ちょっとカオスな街並み、乱暴に道をすり抜けていくフィアットのチンクエチェント(ルパンが乗ってるやつ)、などなど、ステレオタイプだと笑ってください、私の想像力なんてそんなものです。

まあこれは後付けな分析でもありますけれど、こうしてもう10回以上ナポリに行ってみて、やっぱり外せないのはコーヒーの美味しさと、驚きのナポレターナピッツァマルゲリータの突出した美味しさ(私の中ではローマンピッツァも美味しいけれど、のっかってる大量の水牛モッツァレラを比べるとナポリの右にでるものはいないのです)、そして上の写真のスフォリアテッラ。だいたい、このお菓子はお菓子というのは見た目だけで、中には甘めのリコッタチーズのクリームが惜しげもなく入っていて(時々ドライオレンジなども入ってる)、手にとると意外なずっしり感に驚くと思います。そしてこの繊細に見えるパイ生地のような生地、実は意外にも噛むのは大変で、なかなか噛み切れず、うっかりすると一部を歯でとらえたまま、巻き取るようにくるくると剥ぎながら戦うことになってしまいます。そしてやっかいなのがまたどっさりとかかった粉砂糖やシナモン。黒っぽいお洋服を着ていると最悪です。体中粉だらけになります。でも、それでもスフォリアテッラを食べる時間というのは至福の時です。あまりにどっしりしすぎてそのあとのご飯はパスとなってしまうので、せっかくの短いイタリア旅行中にこれでご飯代わりになってしまうのはちょっと残念なんですが、やっぱりナポリに来たらピザと同じように大事なので絶対食べて欲しい。カロリーのことを気にしている人はナポリには来ないで欲しいです。こんな美味しいものを前にダイエットなんて言葉を出そうものならバチが当たります。

ナポリに旅行に行く方、是非是非楽しみにして、「スフォリアテッラ」を覚えておいてください。クセは多少ありますが、美味しいです。お土産にするのであれば(最高で2日くらいしか持ちませんが)、ガレリアにある「マリー」というお店(こちらを参照)が買いやすいのですが、今すぐ食べたい、お天気もよくて広場でかぶりつきたい、という場合は私が強くオススメするのはスカトゥルキオというナポリの老舗のパスティッチェリア(ウェブサイトはこちら)で買ってその場で食べること。ローマからわざわざこのためだけにナポリに行ってもいいと思えるくらい、最高に美味しいです。直接目の前の広場のテーブルに場所をとって、誰かが来るのを待ってもいいのですが、それだと多分イタリア語ができない場合ハードルが高いので、慣れない場合はまずはパスティッチェリアに入って、いろいろと吟味してください(手を触れず)。最終的にスフォリアテッラを食べるというのはわかっていても、それでもいろいろ見てみてください。お腹がすいてきます。そしてレジに行き、スフォリアテッラください、外のテーブルで食べてもいい?と聞くと、じゃあもっていくよ、と言ってくれます。そこで一緒に水を頼むなり、美味しいコーヒー(エスプレッソ)を頼むなり、午前中であればカップチーノを頼むなり、好きにしてください。そこでお会計を済ませる場合もあれば、じゃあ座ってていいよ、といってあとでお支払いの場合もあります。ナポリはローマに比べてもちょっとひったくりが多いので、手荷物から手を離さずに。英語は通じづらいかもしれませんが、いろいろ言っていればわかってもらえると思います。どうしてもイタリア語で言いたい方は下の方の付録をご参照ください。

そして運ばれてくるスフォリアテッラは絶対にほんのり温かいはずです。時間をおくことなく、すぐに頬張ってください。粉だらけになっても誰も気にしません。楽しんで!書いていたら私もまたナポリに行きたくなってきてしまいました。

<付録:サバイバルイタリア語>

  • スフォリアテッラの複数形はスフォリアテッレです。ひとつ頼むときは、ウナスフォリアテッラ。ふたつはドゥエスフォリアテッレ、3つはトレスフォリアテッレ、となります。お菓子の名前は女の子名詞です。
  • コーヒーは外来語なので複数形の語尾変換をしません。男の子名詞。ひとつはウンカッフェ、ふたつもドゥエカッフェ。
  • カップチーノはイタリア語なので複数形だと語尾変換します。男の子名詞で、ひとつはウンカップチーノ、ふたつはドゥエカップチーニ。アメリカでカプチーノは英語化してたので複数頼むときは4カプチーノォス、プリーズ、とか言ってたなーと思ってその異様さに笑えます。もっとすごいのがパニーノ。パニーノは単数でパニーニが複数なのに、アメリカでは「パニーニ」が名詞になっていて複数頼むときは2パニーニース、とか言ってました。もはやカオス。
  • バールで意外に使う「座ってもいい?」は一人の場合は「ポッソセデーレ?」ポッソの部分が一人称の動詞の「可能ですか?」にあたり、セデーレが「座る」の原形不定詞。二人の場合は「ポッシアーモセデーレ?」と動詞の人称が変わります。
  • 水ください、は「アクアペルファヴォーレ」。こういうとかならずガス入りかガスなしか聞かれます。ガスなしがいいばあいは「ナトゥラーレ」でガスありがいい場合は「フリッザンテ」か「コンガス」と言います。「コン」は英語で言うとwithになります。with gasというところですね。
  • 今払いましょうか?は一人称だと「パゴアデッソ?」です。パゴは一人称の支払うという動詞、アデッソが今。複数人いる場合は「パギアーモアデッソ?」となります。あとで払いましょうか?は「パゴ ア ドーポ」で語尾上げにすれば聞いてるみたいになると思います。
  • すっごく美味しかったよ、本当にありがとう!は「ブォニッシモ、グラッツィエ ミッレ!」と言ってみてください。

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Izu Trip

[2015年3月に書き始めたエントリですが、忘れていたので8月になってからアップしています]

私の熊本の両親は、父が1945年の1月生まれ、母が同じ年の4月生まれで、学校の学年こそ違えど年を通してほぼ同い年です。終戦の年に生まれた二人は当然ですが、戦後70年の今年共に70歳の古希を迎えました。両親が今年古希を迎えることは、言ったら生まれたときからわかっていたことですけれども、娘の私がそわそわしはじめたのは約1年半前でした。私は情けないことに、こんなおばさんになってもまだ、両親にこれといった恩返しをできていないんですね。かといって今更何をやったところで、今まで両親が私にしてくれたことに比べたら一生かけて恩返ししようとしてもまったく追いつかない。それでもやっぱり古希はお祝いしたい。ということで夫と姉夫婦にも相談して、両親に希望を聞いてみよう、ということになりました。

古希はどういう風にお祝いしたい?と聞いてみても果たしてどんな答えが返ってくるか、突然言われてもねぇ、と困らせて終わりかもしれない、と思いながら聞いてみると、父から即答が返ってきました。「富士山を裾野まで見ながら露天風呂に入りたい」だそうです。意外にもこれ以上具体的には言えないとすら思える希望でした。うちは九州なので富士山はやはり憧れなのですね。いえ九州だけでなく、富士は日本人の憧れですよね。私もその答えを聞きながら、私もそうしたい、と強く思いました。

そこからは夫のAさんと姉家族と協力しながら、富士の見え方も研究しながら場所とホテルを選び、日程を決め、とせっせと準備をしました。積み立ての貯金も。日程については空気の澄んだ冬の日だと富士山がはっきり見えるにちがいない、そして父の誕生日と母の誕生日のちょうど間である2月を選んで行くことになりました。お天気のことなど随分Aさんは心配したようですが、無事に上の写真の風景を両親に見せることができました。露天風呂も熱々で、冬でもとっても気持ち良く過ごせました。

姉夫婦の娘ちゃんと息子ちゃんもすごく楽しんでくれて、旅行のおわりに、やたらと楽しんだ姪っ子が私と夫に「計画してくれてありがとう!またこのコキみたいの計画してね!」と言ってくれたのが本当に微笑ましくてジーンとしました。伊豆は私は初めてだったのですが、夫は仕事で何度も何周もしていて、彼によると素敵なところがたくさんあるということです。2月の最終週だったので濃いピンクの河津桜が満開で、帰りは河津に寄って、東伊豆から都内に戻りました。

今度は喜寿(77歳)そしてすぐ傘寿(80歳)です。傘寿の頃には姪っ子は18歳。今度はどんなお祝いにしようかと今からすごく楽しみだし、今度は姪っ子にもプランを立てるのに参加してもらえるかも、とすごく期待しています。

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モルドヴァより

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Moldova月日があっという間に過ぎていきますね。私は今モルドヴァの首都、キシナウに来ています。2月の始めに出張でパリに行ってきて、オペラに行ったりしたのでそのことも書きたいと思っていたのですが、日々の生活に追われてしまってもう2月もあと1週間とちょっとしかありません。モルドヴァでは久しぶりにキャパシティービルディングの仕事をしています。こんな感じの仕事を最後にやったのはコロンビアだったと思うので結構長い事現場から離れていたこともあっていろいろと新鮮です。

ところで写真はモルドヴァ料理。黄色い丸いものはママリーガと呼ばれるとうもろこしで作った主食(ポレンタ)です。私は熱々のポレンタが大好きで、北イタリアでもよく出るのを嬉しく食べるので、モルドヴァ料理はママリーガというポレンタだよと聞いたときは小躍りしました。これにチーズやディル入りのガーリック、サワークリームなどをかけて、豚肉やベーコン、スクランブルエッグなどと一緒にもりもりといただくのです。感動的な量とがっつり感です。食べ盛りの高校生なんかは喜ぶだろうなーと遠い目になってしまいました。他にも真っ赤なモルドヴァのボルシチ(ロシアのとはちょっとちがうのです)や餃子みたいな見た目のペルメニ、なにこれ!おいしい!と叫んでしまったプラツィンダなど、今回モルドヴァ料理にはちょっと盛り上がりました。飲み物もクランベリー系の美味しいジュースやお酒もあるし、ワインは言うまでもなく有名ですし、言うことなしです。そこはかとなく家庭料理感満載なのも好感度が高かったです。

仕事はそこそこ順調にいきましたが、なによりも収穫だったのは、私が毎日ローマでせっせとやっている科学的な仕事が実際の現場で使われるとどうなるのか、というのをちゃんと見ることができて、反省点などもたくさんメモできたことです。時々はキャパシティービルディングの仕事もしてリアリティチェックをしなきゃな、という気分になりました。こんなの当たり前のことで誰もが同じことを必ず言うし、私も今までに何度も同じことを言ったり思ったりしてきたんですが、やっぱり体感するともう一度「ああこれは大事だな」と改めて思えます。良い実感的リマインダーです。

モルドヴァの国民はウクライナと同じように親ロシア派と親EU派(というよりルーマニア派かな)に分かれていて、いろいろな歴史を知ったり、個人の経験談やソビエト時代とその後の話を聞くと非常に苦い気持ちになります。小国がピンポンのボールのように、いいように扱われて、そして発展する機会も与えられずに今は大国のはざまでどうにかしたいと思っている状態なんですね。なのに内政では国民が全体的に2分されていて、それも歴史と過去の占領のせいでそういうふうになっているかと思うと、いったい誰がどうしたらこの状態はよくなるのか、という途方にくれる気持ちになります。今はロシアの為替のせいでモルドヴァの通貨も大打撃を受けています。経済は決して良いとは言えないし、良くなるとは思えない状態なのです。通りには、長く寒い冬が終わる3月1日の春の到来を祝うためにお祭りの赤と白のアクセサリーやクラフトの出店がたくさんあって、外気は耳が痛くなるほど冷たいのですが、それでも春を喜ぶ、人々の「明るくあろう」という姿にちょっと感動すら覚えるのです。といっても本人たちは普通に生活しているだけなので私がこんなセンチメンタルな気持ちになるのは大きなお世話だとは思うんですけどね。

モルドヴァはゆったりとしていてキレイで素朴で食べ物が美味しくて、あっという間に気に入りました。また来れたらいいな。

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France Dec 2014すっかり1月も終わりそうになってきていますが、みなさま明けましておめでとうございます。

さて2014年の年末ですが、主人のAさんが日本から遊びに来てくれたので、せっかくなので閑散期のモンサンミシェルに行ってみようということになってさくっと行ってまいりました。世界遺産の中に泊まっちゃおうということでホテルを予約しましたが、実はモンサンミシェルは日本人が保護保全しているんじゃないかというほどの日本人の数でびっくりしました。もしかしたら季節の良い時は世界各国からいろいろな人が集まるのかもしれませんが。

でもやっぱり島の中に泊まることによって、一般の人が入ってこれない時間(厳密には入ってこれますが、現在は車両は長い橋の前までしか入れないため、長い橋を渡るにはこつこつ歩くか、無料送迎バスに乗る必要があるんですね。で、その無料バスの最終と始発の時間の間は、観光客は外からはなかなか入ってこないのです)になると、一気にまわりがしんとなって、なんとなくですが昔の巡礼者が来ていた頃のモンサンミシェルの雰囲気はこうだったのかなと思えるような状況になります。朝も散歩してまわりましたが、思ったほどは寒くなく、とても良い雰囲気でした。ただ、一番下まで降りて、橋の近くに行って島の全体像を写真におさめようと思ったのがそもそもの間違いで、門を一歩出ると、この島全体は実は信じられないほどの強風にさらされているのです。ちょっと出ただけなのに、私もAさんも、本気で飛ばされるかと思いました。冬のモンサンミシェル、全くあなどれませんね。

その後もパリに数日滞在して年末のゆったりしたパリを楽しみました。でも年末ってみなさんがお休みのせいか、観光客の数はやはり多めですね。知りませんでした。そのあと大晦日の夜にローマに帰って、Aさんは仕事始めの5日までイタリアでゆっくりして日本に帰って行きました。

今年も2月以降は出張がいくつかしっかり入っていてそんなにゆっくりもできないかもしれませんが、こつこつこのウェブサイトも機会があれば更新していこうと思います。相変わらずゆるい感じだとは思いますが、これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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Indonesia今は私はもうローマに戻ってきていますが、この写真はインドネシアはスラバヤのホテルからの写真です。日本のTK大学の先生に誘っていただいた会議でしたが、私が普段行く会議とは違って新しいことが多く、私個人にとってもすごく勉強になりました。仕事のことでもいろいろと考えたことはあるのですが、ここでは仕事以外のことを書いておこうと思います。

以前にスラバヤは第3の都市と書きましたが、実は第2の都市だそうです。バリ島は観光地なだけで、都市機能としてはスラバヤの方が大きいそうです。そして私個人としてはびっくりなんですが、インドネシア語で「スラ」はサメ、「バヤ」はワニだそうです。つまりサメワニ市。昔の神話のようなものに基づいているのでしょうか。そして意外にイスラム人口が少なく見えます。見えるだけでそうでもないのかもしれませんが。中華系が多いイメージ。でもみなさん小さいころからアラビア語を学んだり、イスラムのことを勉強したりするそうです。カソリックも多い印象。ここではインドネシア語のほかにジャカルタで話されるジャワ語を一般の人は流暢にしゃべります。英語はローカルの人にはそこまで浸透していないと思います。ちなみにインドネシア語かなりはオランダ語に近いらしいです。植民地時代が長かったからですね。オランダに占領されたあとは歴史が物語る通り、日本に占領され、そのため連合軍に爆撃の標的にされ、と悲しい過去があるので、私としては微妙に俯き加減になります。私の仲良しのインドネシア人のNという友達は15年ほど前に私に「あー、あのとき日本軍とか独立派じゃなくて英国軍に占領されてれば私今頃もっと英語が上手なのにー」とあっけらかんと言っていたので、今までその明るさに甘えてましたが、今となってはいろいろと考えさせられます。でも感覚的にはみなさんとてもフレンドリーですけどね(ありがたい)。

あと、街中を大量のバイクが走っていましたが、ホンダ、ヤマハ、スズキなどの日本製のバイクがほとんどで、しかもその全てが結構いいバイクでびっくりしました。聞いてみるとバイクは頭金千円くらいでお得なローンが組めるのでどんな層にも大人気だとか。しかもローンの審査が甘いらしく、低所得者住宅に住む人々もほとんどの人がバイクを所有していました。公共交通機関がバス以外そこまで発達していないので、足として必要なんでしょうね。移動式マーケットのようなものもあり、バイクに大きなベニア箱をつけて食料を売っていました(写真はこちらこちらこちらこちらなど)。現地の人に聞いてみたら、今まではちゃんとマーケット(市場)というものがあって、みんなそこに行って買い物をしていたんだけれど、最近では集合住宅があるところやある程度人が集まる住宅地まで市場バイクの集団がやってきてくれるのでこんなに便利なことはない、と言っていました。お店がうちまで来てくれるんだから、ということらしいです。

そういえば、私も以前にそういうのを経験した記憶があるなーと思って考えてみたら、それはローマのビーチでした。夏にビーチで寝そべっていると、次々に現れる行商の人々。アクセサリーや日用品、アートや食べ物に飲み物、とクオリティもさまざまで、夏に日焼けしながら寝ているだけで買い物し放題!と感動しました。マッサージも頼んでないのにやってきます。そう思うと、過去には日本にもそんな時代はあったのかしら。もちろんこういった行商の人々はローマでは違法だけれど、イタリアはこういうのには非常に甘いです。ファシズムの痛い経験から、警察にそこまで権限を与えていないということかしら、と最初は思っていましたが、バールなどで異常なほど頻繁に出会うカラビニエーリのみなさんがコーヒー片手にくだらないおしゃべりを延々としていることを考えると、権限がないというよりは権限を使う気がない?と思わないこともないですね。

というわけでいろいろと考えさせていただいたインドネシア出張でした。またぜひ機会があれば行きたい国でした。

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シンガポールより

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Singaporeインドネシアでの仕事を終えて、シンガポール乗り継ぎ中です。午後の1時半に到着して乗り継ぎ便が夜の23時55分。約10時間もあるということで、さっそく荷物をターミナルで預け、そのまま入国審査を経てシンガポールへ入り、地下のメトロ(MRT)で市内まで出かけてきました。実は初めてのシンガポール。とりあえずは写真の君に会わなければと思って暑い中会いに行ってきました。そうです、前回コペンハーゲンでのエントリーにも書いた通り、ついにコンプです。世界3大がっかり。でも、全然がっかりしませんでしたよ。マーライオン君、ゴーっと豪快に水を吐き出していました。周りにしぶきがたくさん飛んで、なんだか涼しさまで演出でしたよ。

というわけで、ひとまず、こんな感じです。今からフランクフルトに飛びます。眠れますように。

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スラバヤより

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Singaporeインドネシアはスラバヤに来ています。スラバヤはジャカルタ、バリに次ぐインドネシア第3の都市だそうです。写真は乗り継ぎに使ったシンガポールに着陸する直前のシンガポールの港。明け方に到着して、朝から乗り継ぎをしたので次の便では明るくなっていて、港は写真ではこんな感じでしたが、夜のほうがずっと幻想的でした。

空から空港を見たときと、空港からお迎えの車でホテルに向かっていたときは、座っているだけで汗ばむほどの暑さの中でなんだか久しぶりに「いわゆる」途上国の街に来たかも、と思っていたのですが、ホテルについてみると、お隣が大きなモールということもあって、バンコク的なイメージもなきにしもあらずです。でもきっと全然違うのでしょう。

実は私はインドネシアは初めてです。イメージとしてはマレーシアとインドを足して2で割ったような感じですが、文化としてはかなりイスラム的なのでしょうか。人々がいつもニコニコしているのがちょっとインドっぽいといえばぽいです。まだしっかり外を見ていないので私の感想なんてとても薄っぺらいものですけれど。

日本のTK大学の先生にご親切に呼んでいただいてこうしてここにいるのですが、この旅程を組むのに私の組織がいろいろとごちゃごちゃ言ってきて本当に大変でした。組織って大きくなればなるほど、透明性のための不透明な手続きのようなものが増えていって本末転倒な感じがします。一部の悪い人たちに翻弄される大部分の人々、といったところなのでしょうか。こんなところは見ていただけないのは重々承知ですが、TK大のみなさま、A先生をはじめ、本当にありがとうございます。初めてのインドネシアをいろいろと見てこようと思います。

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中国愛と中国語

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上海また想い出シリーズですが、7月に中国は上海に行ってきたことをここにもチラっと書きましたが、そこまで詳しく書いていなかったので、記録しておこうと思います。写真は観光客も上海ローカルっ子もみんな大好き南翔饅頭店(ナンシャンマントウディエン)の小籠包。細く切った生姜とお酢につけていただきます。今まで全くその一般的な食べ方を知らなかったので今回ローカルっ子のLくんにしっかり教えてもらえて良かった。たしか六本木に東京店があるこのお店(日本って本当になんでもありますよね)、上海では超有名店なのでお持ち帰りは大行列ですが、お店で食べる分にはわりとスルスルっと入れます。お店がある場所自体がかなりの観光地(上海老街)なので人々をかき分けて入る感じもあります。上海っ子にとって点心(ディエンシン)は朝食かスナック的な位置づけ。午後3時から夕食前くらいの間に食べる人々が多く、基本的には夕食時に食べるものではないそうです。でもこんなの夕食の前に食べちゃったら美味しすぎてパクパクいってしまって夕食いらなくなっちゃいますよね。

ところで、誤解を恐れずに書きますが、私は中国が好きです。私をよく知っている人は私から常に語られてしまうので、これは内輪では「またきた!」と思われるトピックだったりするんですが、それも「かなり」好きです。私だって政治的その他でいろいろと問題があるのは承知の上です。それを全部考え合わせた上で、やっぱり魅力的な国だと思ってしまうんです。魅力的、というとなんだか違う感じもしますが、一番近い表現は「気になる」国とか「つい釘付けになってしまう」国だとかそういう感じでしょうか。

まず、とにかく中国のいわゆる3000年だか4000年だかの歴史(の記録)が面白すぎるというのはたくさんの人に同意していただける部分だと思います。どうしてこんなに記録が残っているのか。事実は小説よりもなんとやらと言いますが、事実にしろ一部小説にしろ何にしろ、三国志トピックは面白すぎるでしょう。暇があるとつい中国の歴史について物語を読んだりネットで調べたりしてしまいます。最近のマイブームは王道に帰って中国古代です。漢の前(始皇帝が統一する前)くらいが一番面白いと思ってしまいます。

芸術だって、文化革命以前までのものは思わず目を細めて喜んでしまうほどの素晴らしさ。中国のアートや陶器、カリグラフィー、詩、すべてをもってしてあまりに興味深すぎます。こんなにクリエイティブな人々が大量にいるなんて、よそのどんな芸術大国にもまったく引けを取らないと思ってしまいます。近しい人にもぎょっとするほどの創造性を秘めている人がいます。趣味に仕事にいかんなくその創造性を発揮していて、時々、勝てないなーと呆然とすることもあるほどです。まぁ勝つ気もありませんが。

そして人々。本当に釘付けです。まず、私が個人的に交流のある中国人の顔をすべて頭に思い描いてみると、すごく親しい人もいれてだいたい20人くらいぱっと思い浮かびます。今思ったんですが、不思議と「嫌い」と思う人は一人もいません。まぁでもちょっと苦手かも、という人が一人いますが。でもこの確率って日本人や他の国の人と変わらないですよね。そして「好き」と特に思う人が4人います。その人々は仲良しなのもありますが、はっきり言って素晴らしい人々です。感謝してもしきれないくらい恩を感じている人も一人います。その中の2人は、私にはもったいないと思うくらいとても慕ってくれます。

私の中国好きは、その私が今まで会った「人が好き」というところから入ってはいるのですが、私だってもちろん、こういうところはナイーブではありません。私が会う中国人は大学での留学生仲間だったり、研究者、仕事上出会う国際機関関係者、外交関係者だったりするので、グループ分けするとかなり偏りがあるだろうな、とは思います。そして13.5億人いると言われる中国人すべてがいい人であるわけがありません。日本に犯罪者やイヤなヤツがいるのと同じような確率で信じられないような人々も確率の問題でたくさんいるでしょう。そして13.5億人という絶対数のため、そのイヤなヤツの数も世界的には自然と多くなることでしょう。

でもいつも思うのは、私が出会う中国の人(特に中国国内にいる人)はまず、私から見てちょっと微笑ましいほど正直です。中国語だと熱情(ジェチン)と表現するのが一番わかりやすいんですが、クールに斜に構えている人はあまり多くないと思います。大騒ぎしたいときは大騒ぎし、喜ぶ時は涙を浮かべて喜び、怒るときはカンカンになって真っ赤になって怒る、という感じ。感情をストレートに出す人が多いイメージです。また誤解を恐れずに書きますが、(私が覗き見した)中国社会は「ムキになる」ことがカッコ悪いことだったり、一生懸命ボランティアしたりインターンシップをする学生さんが陰で「意識高い系」と呼ばれたりするような社会ではなさそうです。みんながムキになって必死、というイメージ。もちろんいろんな人がいるとは思うので「みんな」がそうだとは思わないし、ここで中国人をステレオタイピングしても仕方ないんですけどね。でも「一般的に」言って、世界のいろいろなところで「勤勉な中国人」あるいは「よく働きまくる中国人」というのを見かける確率は、高いと思います。私はそういう中国人をよく見てきたし、イタリア人とは比べるまでもありませんが、アメリカ人や日本人に比べても半端なく勤勉なんじゃないかと真剣に思うときもあります。アメリカの田舎町に住んでいた時は、その町では間違いなくある中国人一家が一番のお金持ちでいくつも中華料理屋さんを経営していたんですが、その一番お金を持っているはずのおじさんが、ひとつのレストランで、オーダーからとってテーブルを片付け、お会計ををし、と朝から晩まで働いていました。その一家、宮殿みたいなおうちに高級車をたくさん持っていましたが、家族の日々の生活はコツコツ働くのがベースだったはずです。まあそうしないとお金持ちになれない、というのもあるかもしれませんね。

もちろんこの熱情(ジェチン)な中国人はその熱情さによって様々な問題を引き起こします。思い込みや誤解から生まれる大ゲンカだったり、不必要に極端な行動にでて大失敗したり。謝ることはあまり得意ではない(日本人と同じくらいプライドは高いです)のでその問題を解決する能力はちょっと微妙だったりもします。また、人を出し抜いて(騙したりすることも含めて)成功することが「クレバー」だと思われる社会的な背景もあるようなので、そういった人々が結果評価されてしまう節があるのも事実です。そういうのもすべて見た上で、時々は「ウヘェ」と辟易しながらも、それでも微笑ましく、興味深く観察してしまいます。

そしてこれを言うと、中国に住んだことがある人に「そうかなぁ?」と首を傾げられてしまうのですが、少なくとも私の印象だと、田舎の中国国内に住んでいる年配者は礼儀をものすごく重んじているイメージです。国外にいる中国人はそこまでないのですが、私の正直な感想です。日本人は奥に秘めた礼儀を重んじるのと比較すると、礼儀は大事です!ということを全面にだしている感じ。大昔の儒教の影響かもしれませんが、少しでも年上の人には、すぐに尊敬の意を表しているように見えます。今は中国人本人たちが「自分たちは礼儀を忘れてしまった」と自虐的に語ったりするし、日本人の若干西洋化された礼儀正しさ(ツバをはかない、音を立てて食事をしない、公的な場所で大声を出さない、などは、日本人にとっては「後付け」のマナーですよね?)と比べられたりすることもあって、中国人はまるで礼儀がなってないというように思う人もいるかもしれませんが、私の短時間の観察だと、心の奥底には何かしっかりしたものが流れているように見受けられます。

上に書いたことでわかるように、私は中国には何度も行きましたが住んだことはありません。ですから私の中国への理解度なんてきっとものすごく低いものでしょう。でも、今までダテに年齢を重ねてきただけのはずではない私は知っています。当たり前のことを言いますが、どの国もどの文化もどの民族も同じくらい良くて、同じくらい悪いのです。どこかの国がどこかの国よりすぐれている、とか素晴らしい、とか劣っているとかそういう評価をする人は理解度が低いのでしょう。でも「好み」はあると思います。たとえば私は青色よりも赤色の方が色としては好きですが、だからといって赤い色が青い色よりすぐれていると思っているわけではありません。単なる好みです。そういう意味で、私は最終的に中国、好きだなぁと思ってしまうのです。もちろん私の故郷、日本のことは多分一番好きです。ブータンも好き。イタリアも好きです。アメリカだって私がいた田舎のイメージだけしか知りませんが好きです。

というわけでとってつけたような話ですが、実は中国関連で嬉しいことがあったので記録しておこうと思います。大したことではありませんが、万が一うっかり自慢にも見えるかもしれないので、自慢話がお嫌いな方はここで読むのはやめてくださいね。実は私の所属する国際機関はちょうど2年前に新しい事務局長を迎えたんですが、彼が行った内部改革のひとつに、すべてのプロフェッショナル以上のカテゴリーのスタッフは、国連公用語の6ヶ国語(英語、フランス語、スペイン語、アラビア語、中国語、ロシア語)のうち2ヶ国語が使えることを2014年の年末までに証明しなければならない、と決めたのがあります。もともとそういう決まりはあったんですが、試験などで証明するようなプロセスがあったわけではなく、みんな結構焦りました。日常的に使っていない言語を突然テストされるとなるとドキドキしますよね。しかも、証明できなかった人は契約を切ることもありうる、という厳しいお達しです。で、私は英語でいつも仕事をしているので英語の試験は免除ですが、私の第2公用語は中国語。バッチリ試験を受けさせられました。2月の一斉試験のときちょうど出張が重なってしまった私に残された10月の試験もなんと、先日の日本出張と重なってしまい、12月まで待ちたくなかった私はワガママを言って11月に特別に受けさせてもらったんですね。こんな年齢になってこんなに緊張して勉強しなければいけないなんて!と思っていた私でしたが、直前の駆け込みレッスン(大好きなL先生)のおかげで無事に、自分にしてはかなりの高得点でパスできたので、久しぶりに大きな達成感と喜びを感じました。得点が良かったのでディプロマももらえるそうです。嬉しいです。ほっとしました。私の中国愛が中国語への大きなモチベーションです。中国語、これからも、もっと頑張っていこうと思います。

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Lampedusa

最近ローマは寒かったり暖かかったりよくわからない天候ですが、そういえば8月に、夫のAさんとふたりで、シチリアはランペドゥーザ島に遊びに行ったなぁとふと思い出したので記録しておくことにしました。ランペドゥーザ島は地中海のイタリア最南端の島で、難民問題でよくニュースになっているので知っている方も多いかと思います。夏の間はローマからアリタリア航空が直行便を飛ばしていることもあってアクセスが良く、海外からというよりはイタリアからのバカンス客の多いところだと思います。

もしかしたら全然違うかもしれませんが、イメージとしては沖縄離島(行ったことありませんが)か長崎の離島群といったところでしょうか。びっくりするほど地に足が付いています。つまり素朴。あ、上の写真は中に浮いているみたいなので地に足が付いているというのとは両極ですが本当です。雨のローマを出発したので、1時間くらいであっという間に下の美しい海岸線が見えてきた時にはその違いに高まりまくりました。

To Lampedusa

ところどころ海岸付近が緑色になっているのが分かるでしょうか。透明度が高いのと浅瀬になっているのとでこういう風に見えるそうです。飛行機の中で、こういうのを見るとすでに期待値マックスになります。お宿はEl Mosaico del solというキッチネット付き、プール付きのお部屋を予約したのですが、空港ですでにオーナーのレナートさんが待っていてくれました。とってもフレンドリーで私たちをバンに乗せて、さくさくっと道中の道を教えてくれつつホテルに到着。私たちが1泊しかしない弾丸ツアーであることもしっかり把握していて「荷物置いたらすぐに降りておいで、すぐビーチに連れて行ってあげる」というので、どうやってビーチに行くか、と心配していたAさんも私もびっくり。超ラッキーという感じですぐに降りていき、ビーチに連れて行ってもらいました。有名なウサギ海岸(La spiaggia dei Conigli)です。

Lampedusa

道路沿いのトレーラーバールで大きなパラソルを借りて、ハードな岩場をせっせと降りてビーチまでいくんですが、予想以上に大変です。が、その甲斐ありで、到着するビーチはこの世のものとは思えないほど、本当にキレイです。天国に来てしまったかと思う人がいるかもしれません。2013年のトリップアドバイザーで世界一の海岸になったというのも納得。そこで4時間しっかり遊んで、日焼けもしっかりして、完璧な非日常を満喫しつつビーチを離れると最初のバールでハッピーアワーのスピリッツをいただいている間にホテルからのお迎えがやってくるという完璧さでした。

ホテルに戻って私達はホテルのプール兼ジャグジーでゆったりしたりして過ごしました。そしてレナートさんオススメのレストランをいくつか教えてもらっていたのでその中のひとつに入ることに決めて、ダウンタウンまで数分のお散歩。地中海ならではの前菜、美味しいお魚などをいろいろといただいてそのクオリティにも満足。そういえばその時外の果物屋さんでフレッシュな果物をいくつか買って、食べきれないほど袋にいれてもらったのに2ユーロ、といわれ驚愕しました。物価が安いです。夜はわりと遅くまでにぎやかなメインストリートでした。美味しいジェラート屋さんもあって良かったです。私にとってはもはやジェラートがイタリア国内旅行の超大事な条件になりつつあります。アイスクリームアイスクリームといいながら彷徨う私、時々子供か!と自分にツッコミをいれたくもなります。

翌日はホテルのバイク(プジョー)を無料で貸してくれるというレナートさんのご厚意に甘えて(国際免許証を持ってきていて良かった!)Aさんのバイクの運転で島中を二人乗りで走り回るという楽しすぎる午前中を過ごしました。私もAさんもバイクの免許を持っていて、ふたりともかなりバイクが好きだった過去があるので(やんちゃではありません)そんな昔を思い出して楽しい数時間でした。そのあとはシエスタ中のしんとした街を歩き回って、それはそれで楽しかった。

Goodbye Lampedusa

そして最後は島の空港から、なんと郵便局(ポステイタリアーネ)貨物航空とアリタリア航空の共同運行便という機体に乗ってローマに帰ったのでした。上の写真は真っ白になってしまっていますが、かすかに黄色の機体が見えると思います。行く数日前に思いついた、弾丸旅行ではありましたが、本当に最高でした。やっぱり泊まったホテルが良かったと思います。次に行くときもかならずレナートさんのところに泊まろうと思います。また来年、春先にでも行きたいな。

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2回の帰国

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Japan前の更新からすっかり時間が経ってしまいましたが、この間2回、日本に帰っていました。1回目は10月で写真の戻り鰹を堪能。写真のタレのお皿と塩のお皿と両方味わいましたが両方とも最高でした。鰹ラブ。

そして帰国の2回目は11月で、こちらは仕事で帰ったので、そこまで本気では遊べませんでしたがなかなか充実した帰国でした。これは前々から決まっていた出張だったにもかかわらず、なぜか夫婦ふたりとも旅行前になってやっと気付いたんですが、主人のAさんも同時期にフランスに出張という、夫婦でヨーロッパと日本との、大それた行き違い出張ということになってしまっていてふたりでびっくりしました。私が日本に到着してから3日間だけは主人が日本にいたものの、私は到着翌日からフルで仕事ということでそんなに夫に会えず、ぎりぎり一緒に朝食をとったり、仕事からダッシュで帰って遅い夕食を一緒にしたり、というような日程になってしまいました。でもそれはそれなりに楽しかったんですけどね。Aさんがフランスに行ってしまってからは仕事に集中できたので、実はよかったのかもしれません。で、この機会に、とばかりに、お友達で東京在住のMちゃんと毎日のようにランチしたりディナーしたりして楽しかった。私が東京のことを何もしらないのでMちゃんに完全にお任せして言われるままにレストランに向かう日々だったのですが、それがどれもこれも美味しくて素敵で便利なところばかりで感激しました。レストラン探したり予約したりって実はものすごく大変なのはよくわかっているので、そんな大変なことを完全にお任せしてしまって申し訳ないという気持ちでいっぱいだったにもかかわらず、Mちゃんセレクションがあまりにも最高だったのでキャーキャーと喜ぶばかりでちゃんとお礼を言えていたかよくわかりません。ここで失礼して、Mちゃんどうもありがとう!

その中でも、出張先だった霞ヶ関の近辺で、最近再開発が盛んな虎ノ門の、虎ノ門ヒルズに9月くらいにオープンしたという、ピルエットさん(ビストロ+カフェ+エピスリーだそうです)が最高だったのでメモ代わりにご紹介です。イタリアに住んでいると外食の感覚が麻痺してしまうのか、この雰囲気(ビストロなのにほぼファインレストラン的な雰囲気、テーブルクロスはありませんが)、最高のサービス(日本はどこでも最高ですよね)、お食事の質、味、などなどをイタリアのそれもローマで体験しようとすると、ディナーで私のように食前酒、ワイン2杯(あるいは1杯にデザートワイン1杯など)メイン、デザートにコーヒーという組み合わせにすると普通に150ユーロから200ユーロくらい(2万円から2万5千円)はするんですよね。それなのにもともとのコースが5、6千円って!と思ってお会計のときにぎょっとして思わず「やすい!」とつぶやいてしまって、いや価格として安いんじゃなくて得るものに対して、という意味だったんですがMちゃんに「みみちゃん(Mちゃんは私をこう呼びます)、小声で!」と注意されました。いや普通に5、6千円は私にとって大金ですが、単にイタリア価格との比較という意味だったんです。失礼いたしました。

食材もすごく厳選してあるし、シェフのみなさんもオススメのお料理をとても丁寧に教えてくださって本当に素敵なところでした。おいしそうなイチジクをスっと切ってらしたのを、本当に穴があいてしまうんじゃないかというほど見つめていたら、渋抜きした上品な甘さの柿と一緒にサービスしてくださって大感激でした。平日だったので、私たち2人でうっかり調子に乗って長居してしまったんですが、それでも嫌な顔ひとつせず最後の塩キャラメルのミルフィーユとエスプレッソまでしっかりと完食した私にもみなさんにっこりしてくださって、本当に素敵でした。いやぁもう、虎ノ門ってあんまり夜行くエリアではないですけど、絶対、必ず、また行こうと思います。

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