« アイルランドの旅 | イタリアの旅アーカイブ | 日本の旅 »

 1  |  2  |  3  |  4  | All pages »

Napoli

[2015年3月17日にナポリに行ったのでこのエントリを書き始めましたが放置してしまっていたので7月になってアップしています]

イタリアに外国人として長く住んでいると、よくイタリア人に「イタリアはいろんなところに旅行した?どこが一番好き?」と聞かれるんですが、私は住んでいるローマを除けば、確実にナポリだと答えます。実はこの答えだと私はかなりのマイノリティとなります。だってやっぱりヴェネツィアは格別だし、フィレンツェも捨て難い。ファッションやショッピングはミラノだし、南イタリアだとナポリよりもアマルフィやポジターノ、ソレントなどのほうが有名だしナポリに行くくらいだったらそこからフェリーにのってカプリやイスキアに行ったほうがずっとリゾート感があります。でもやっぱり何度も行きたくなってしまうのはナポリなのです。

それはなぜかというと、私が思うに、一般の日本人の感覚で「イタリア」と聞いた時に、イタリアを見たこともなかった私がいつもなんとなく思い浮かべていた風景や雰囲気に、ナポリが一番近いからだと思います。照りつける太陽、真っ青な空、同じ色の海、小麦色に日焼けした露出度の高い陽気な老若男女、オーソレミオ(おお私の太陽よ)的なベーシックなカンツォーネ、青空市場、ハイヒールとサングラスのカッコいい女性たち、ちょっとカオスな街並み、乱暴に道をすり抜けていくフィアットのチンクエチェント(ルパンが乗ってるやつ)、などなど、ステレオタイプだと笑ってください、私の想像力なんてそんなものです。

まあこれは後付けな分析でもありますけれど、こうしてもう10回以上ナポリに行ってみて、やっぱり外せないのはコーヒーの美味しさと、驚きのナポレターナピッツァマルゲリータの突出した美味しさ(私の中ではローマンピッツァも美味しいけれど、のっかってる大量の水牛モッツァレラを比べるとナポリの右にでるものはいないのです)、そして上の写真のスフォリアテッラ。だいたい、このお菓子はお菓子というのは見た目だけで、中には甘めのリコッタチーズのクリームが惜しげもなく入っていて(時々ドライオレンジなども入ってる)、手にとると意外なずっしり感に驚くと思います。そしてこの繊細に見えるパイ生地のような生地、実は意外にも噛むのは大変で、なかなか噛み切れず、うっかりすると一部を歯でとらえたまま、巻き取るようにくるくると剥ぎながら戦うことになってしまいます。そしてやっかいなのがまたどっさりとかかった粉砂糖やシナモン。黒っぽいお洋服を着ていると最悪です。体中粉だらけになります。でも、それでもスフォリアテッラを食べる時間というのは至福の時です。あまりにどっしりしすぎてそのあとのご飯はパスとなってしまうので、せっかくの短いイタリア旅行中にこれでご飯代わりになってしまうのはちょっと残念なんですが、やっぱりナポリに来たらピザと同じように大事なので絶対食べて欲しい。カロリーのことを気にしている人はナポリには来ないで欲しいです。こんな美味しいものを前にダイエットなんて言葉を出そうものならバチが当たります。

ナポリに旅行に行く方、是非是非楽しみにして、「スフォリアテッラ」を覚えておいてください。クセは多少ありますが、美味しいです。お土産にするのであれば(最高で2日くらいしか持ちませんが)、ガレリアにある「マリー」というお店(こちらを参照)が買いやすいのですが、今すぐ食べたい、お天気もよくて広場でかぶりつきたい、という場合は私が強くオススメするのはスカトゥルキオというナポリの老舗のパスティッチェリア(ウェブサイトはこちら)で買ってその場で食べること。ローマからわざわざこのためだけにナポリに行ってもいいと思えるくらい、最高に美味しいです。直接目の前の広場のテーブルに場所をとって、誰かが来るのを待ってもいいのですが、それだと多分イタリア語ができない場合ハードルが高いので、慣れない場合はまずはパスティッチェリアに入って、いろいろと吟味してください(手を触れず)。最終的にスフォリアテッラを食べるというのはわかっていても、それでもいろいろ見てみてください。お腹がすいてきます。そしてレジに行き、スフォリアテッラください、外のテーブルで食べてもいい?と聞くと、じゃあもっていくよ、と言ってくれます。そこで一緒に水を頼むなり、美味しいコーヒー(エスプレッソ)を頼むなり、午前中であればカップチーノを頼むなり、好きにしてください。そこでお会計を済ませる場合もあれば、じゃあ座ってていいよ、といってあとでお支払いの場合もあります。ナポリはローマに比べてもちょっとひったくりが多いので、手荷物から手を離さずに。英語は通じづらいかもしれませんが、いろいろ言っていればわかってもらえると思います。どうしてもイタリア語で言いたい方は下の方の付録をご参照ください。

そして運ばれてくるスフォリアテッラは絶対にほんのり温かいはずです。時間をおくことなく、すぐに頬張ってください。粉だらけになっても誰も気にしません。楽しんで!書いていたら私もまたナポリに行きたくなってきてしまいました。

<付録:サバイバルイタリア語>

  • スフォリアテッラの複数形はスフォリアテッレです。ひとつ頼むときは、ウナスフォリアテッラ。ふたつはドゥエスフォリアテッレ、3つはトレスフォリアテッレ、となります。お菓子の名前は女の子名詞です。
  • コーヒーは外来語なので複数形の語尾変換をしません。男の子名詞。ひとつはウンカッフェ、ふたつもドゥエカッフェ。
  • カップチーノはイタリア語なので複数形だと語尾変換します。男の子名詞で、ひとつはウンカップチーノ、ふたつはドゥエカップチーニ。アメリカでカプチーノは英語化してたので複数頼むときは4カプチーノォス、プリーズ、とか言ってたなーと思ってその異様さに笑えます。もっとすごいのがパニーノ。パニーノは単数でパニーニが複数なのに、アメリカでは「パニーニ」が名詞になっていて複数頼むときは2パニーニース、とか言ってました。もはやカオス。
  • バールで意外に使う「座ってもいい?」は一人の場合は「ポッソセデーレ?」ポッソの部分が一人称の動詞の「可能ですか?」にあたり、セデーレが「座る」の原形不定詞。二人の場合は「ポッシアーモセデーレ?」と動詞の人称が変わります。
  • 水ください、は「アクアペルファヴォーレ」。こういうとかならずガス入りかガスなしか聞かれます。ガスなしがいいばあいは「ナトゥラーレ」でガスありがいい場合は「フリッザンテ」か「コンガス」と言います。「コン」は英語で言うとwithになります。with gasというところですね。
  • 今払いましょうか?は一人称だと「パゴアデッソ?」です。パゴは一人称の支払うという動詞、アデッソが今。複数人いる場合は「パギアーモアデッソ?」となります。あとで払いましょうか?は「パゴ ア ドーポ」で語尾上げにすれば聞いてるみたいになると思います。
  • すっごく美味しかったよ、本当にありがとう!は「ブォニッシモ、グラッツィエ ミッレ!」と言ってみてください。

カテゴリ:

Lampedusa

最近ローマは寒かったり暖かかったりよくわからない天候ですが、そういえば8月に、夫のAさんとふたりで、シチリアはランペドゥーザ島に遊びに行ったなぁとふと思い出したので記録しておくことにしました。ランペドゥーザ島は地中海のイタリア最南端の島で、難民問題でよくニュースになっているので知っている方も多いかと思います。夏の間はローマからアリタリア航空が直行便を飛ばしていることもあってアクセスが良く、海外からというよりはイタリアからのバカンス客の多いところだと思います。

もしかしたら全然違うかもしれませんが、イメージとしては沖縄離島(行ったことありませんが)か長崎の離島群といったところでしょうか。びっくりするほど地に足が付いています。つまり素朴。あ、上の写真は中に浮いているみたいなので地に足が付いているというのとは両極ですが本当です。雨のローマを出発したので、1時間くらいであっという間に下の美しい海岸線が見えてきた時にはその違いに高まりまくりました。

To Lampedusa

ところどころ海岸付近が緑色になっているのが分かるでしょうか。透明度が高いのと浅瀬になっているのとでこういう風に見えるそうです。飛行機の中で、こういうのを見るとすでに期待値マックスになります。お宿はEl Mosaico del solというキッチネット付き、プール付きのお部屋を予約したのですが、空港ですでにオーナーのレナートさんが待っていてくれました。とってもフレンドリーで私たちをバンに乗せて、さくさくっと道中の道を教えてくれつつホテルに到着。私たちが1泊しかしない弾丸ツアーであることもしっかり把握していて「荷物置いたらすぐに降りておいで、すぐビーチに連れて行ってあげる」というので、どうやってビーチに行くか、と心配していたAさんも私もびっくり。超ラッキーという感じですぐに降りていき、ビーチに連れて行ってもらいました。有名なウサギ海岸(La spiaggia dei Conigli)です。

Lampedusa

道路沿いのトレーラーバールで大きなパラソルを借りて、ハードな岩場をせっせと降りてビーチまでいくんですが、予想以上に大変です。が、その甲斐ありで、到着するビーチはこの世のものとは思えないほど、本当にキレイです。天国に来てしまったかと思う人がいるかもしれません。2013年のトリップアドバイザーで世界一の海岸になったというのも納得。そこで4時間しっかり遊んで、日焼けもしっかりして、完璧な非日常を満喫しつつビーチを離れると最初のバールでハッピーアワーのスピリッツをいただいている間にホテルからのお迎えがやってくるという完璧さでした。

ホテルに戻って私達はホテルのプール兼ジャグジーでゆったりしたりして過ごしました。そしてレナートさんオススメのレストランをいくつか教えてもらっていたのでその中のひとつに入ることに決めて、ダウンタウンまで数分のお散歩。地中海ならではの前菜、美味しいお魚などをいろいろといただいてそのクオリティにも満足。そういえばその時外の果物屋さんでフレッシュな果物をいくつか買って、食べきれないほど袋にいれてもらったのに2ユーロ、といわれ驚愕しました。物価が安いです。夜はわりと遅くまでにぎやかなメインストリートでした。美味しいジェラート屋さんもあって良かったです。私にとってはもはやジェラートがイタリア国内旅行の超大事な条件になりつつあります。アイスクリームアイスクリームといいながら彷徨う私、時々子供か!と自分にツッコミをいれたくもなります。

翌日はホテルのバイク(プジョー)を無料で貸してくれるというレナートさんのご厚意に甘えて(国際免許証を持ってきていて良かった!)Aさんのバイクの運転で島中を二人乗りで走り回るという楽しすぎる午前中を過ごしました。私もAさんもバイクの免許を持っていて、ふたりともかなりバイクが好きだった過去があるので(やんちゃではありません)そんな昔を思い出して楽しい数時間でした。そのあとはシエスタ中のしんとした街を歩き回って、それはそれで楽しかった。

Goodbye Lampedusa

そして最後は島の空港から、なんと郵便局(ポステイタリアーネ)貨物航空とアリタリア航空の共同運行便という機体に乗ってローマに帰ったのでした。上の写真は真っ白になってしまっていますが、かすかに黄色の機体が見えると思います。行く数日前に思いついた、弾丸旅行ではありましたが、本当に最高でした。やっぱり泊まったホテルが良かったと思います。次に行くときもかならずレナートさんのところに泊まろうと思います。また来年、春先にでも行きたいな。

カテゴリ:

モントリオールより

 | コメント(0) | Edit

Montreal出張でカナダはモントリオールに来ています。今回はCBD (Convention on Biological Diversity)の会議で、UNEP (United Nations Environment Programme)さんからご招待いただいています。なんだかバタバタですが、ヨーロッパからモントリオールは意外に近かったです。写真はホテルの窓からシリーズ。結構ダウンタウン中心なのかしらという感じです。

さて、前回書いたジュネーヴからどうしたかというと、12日に一度ローマに戻り、それから翌日飛行機に乗って日本に帰っていました。盛りだくさんの日本帰国。何故かというと、アメリカにいたときの同僚&友人&大先輩であるVとS夫妻が日本に遊びに来てくれたのでずっと一緒にいて案内していました。日本を離れてからあと2年ほどで20年になってしまう私が案内も何もないんですが、楽しんできました。また、京都でお仕事もあったので京都にも一緒に行けてすごく良かったです。

IMG_1892.PNGそして日本からは24日にローマに帰って来たんですが、私の仲良しのブータンのお友達がグループでイタリアのアンコーナ(マルケ州)に来ているという情報を得て、いろいろと考えたあげく、あんなにブータンで良くしていただいているのだから、と思って、25日の午前中は仕事をしたんですが、午後からえいっと電車にのって3時間半、アンコーナまで行ってきました。左の地図を見ていただければローマからアンコーナまでの距離感がわかっていただけるかと思います。

山越えもあるので、結構遠いのかと思いきや、意外に楽しい車窓の風景で、音楽を聴きながら、写真も時々撮りながら、とあっという間に到着しました。クロアチア側に面しているアドリア海の町です。ゆったりとした空気が漂っていてとても素敵でした。人々ものんびりしていて雰囲気が良かったです。

小さなビーチがあちこちにあって、散歩するのに最適な道がたくさんあって、のんびりなにもせずに過ごすには最高の町です。過去にムッソリーニが建てたというモニュメントは神殿のようになっていて、これ以上ロマンチックな場所はないかもと思うほどロマンチックでした。海も穏やかで、お天気も良く、たったの1日でしたがすっかり楽しみました。

ブータンからは10人のグループが来ていて、近くのマルケのポリテクニコ大学でトレーニングを受けているということで、2人の美人さんと8人のおっさん達(おっさんといって失礼なんですが、この理由は後ほど。)というグループ。その中で仲良しの2人の美人さんと3人のおっさん(またまた失礼)に私が参加して6人で丘の上にあるカテドラルまで歩き、ダウンタウンのおいしいジェラテリア、Pretto(読み込むのに時間がかかるかもしれません)でジェラートを頬張って、私が泊まったホテルのコンシェルジュのフランチェスコおすすめのレストラン、Il Giardino(リンク先よりずっとずっとおしゃれで素敵な雰囲気のところです)で美味しい夕食をいただいて、それからまたビーチまで歩いて、とイタリアらしい夕方から夜の時間を過ごせました。フェイスブックにも写真をのせているので、私のお友達でつながっている方は是非私のお友達の美人具合を見てみてくださいね。夫のAさんはそのブータンの2人の美女を見た瞬間「え!?」と身を乗り出していました。私がいつもブータンの、心の底から感激するほど優しいおっさん達(失礼)の話ばかりするので、てっきりおっさん達(失礼)に会いに行ったと思い込んでいたらしく、こんなにカワイイ子たちがいるなんて聞いてないよ、という感じだったらしいです。ブータンに3回は行くと言ってました。

さて男性陣はおっさん達といっても私よりずっと若い30代前半の方々ですが、本当に細かいことから大きなことまで、皆さん本当に優しくて大好きな人々です。でもやっぱり写真に写ると確かにおっさん。私だって立派なおばさんなのでおっさん呼ばわりするなんて失礼にも程がありますが。

そして26日の朝にまた電車に乗ってローマに帰って来て午後は仕事をし、そして夜には日本人の職員のみなさまとのお食事会(ローマ国際機関日本人会総会)に参加させていただいてきました。たまたま私のフラットの近くのレストランだったので、職場からスーツケースそのままで参加し、そのままゴロゴロとひっぱって歩いて帰ることができたのですごく良かったです。

そして27日の昼の便でモントリオールへ、といったところで今ここです。そういえば私のFAOでの最初の出張はカナダだったなーと思い出しました。あの時はオタワでしたが、モントリオールはすっかりフランス語圏です。みなさまボンジュー(語尾上げ)の世界。今は世界最大規模の国際ジャズフェスティバルが行われていて街も盛り上がっています。私もさっそく色モノな感じのイベントですがひとつチケットをゲットしたので行ってこようと思います。イベントのタイトルは"For the Record: Tarantino in Concert"ということです。全然ジャズじゃないかもしれませんが。他にも無料のコンサートがたくさんあるので時間が許す限りブラブラしてみようと思います。あ、仕事も頑張ります。

カテゴリ:

カプリでカント

 | コメント(0) | Edit

Capri職場の日本人の知り合いの方(Kさん)に誘っていただいて、先週末はカプリ島に行ってきました。相変わらず海が青いカプリです。写真は前回のリベンジを果たした形になった青の洞窟。青の洞窟は1回行けばお腹いっぱいです。綺麗ではあるんですけどね。「本物なのにかもしだされるつくりものっぽさ」と「途上国っぽいギラギラした観光地っぽさ」でいえば、私はアマルフィ側にあるエメラルドの洞窟(グロット・デッロ・スメラルド)のほうが謙虚な感じがして好きかな。

たまたますごくお天気が良くて、夜は満天の星空となりました。実は土曜日に泊まったB&Bのアントニオさんにお勧めされて、ランチをDa Gelsominaというところでいただいたのですが、テラスは綺麗だし、絶景ポイントが楽しめるお散歩コースがあったりしてとても良かったんですね。そんな絶景ポイントのひとつに唐突に大きな岩があって、ふと見るとマヨルカ焼きのタイルが埋め込まれていました。

Capriなにかの墓標かしらと思って見てみると、意外にも何故かこのカントの有名な一節。私は中学生のときに初めてカントに触れてから、なんとなく彼のお説教くささが苦手で、「こうあるべき」「こうするべき」といわれると、たとえそれが真実だとしても思春期特有のアレですけど反抗したくなってしまって、教科書にのっていた彼の下唇をつきだした赤ら顔さえ苦手でした。そんな彼のこの一節。私の当時の幼稚な理解では、「世の中知らないことだらけ(だから興味深い)」という意味になりはてていました。いや、しかもそのままこの年になるまで同じ理解だったんですね。でもその夜、Kさんがお風呂に入っているときにテラスに出てみて見上げると、満天の星空。

私たちは地球から見た状態で星座を作ったりお話を作ったりして星空を楽しむけれど、その正体は巨大な岩だったりガスだったり人間が生きていける状況は皆無だったりするんですよね。しかも同じ星座と思ってもその星同士は地球からの距離よりずっと離れていたりして、いかに私たちが「一面」しか見ていないかを思い知らされます。横から見たらどの星が何かなんてさっぱりわからないでしょう。そして話が飛ぶようですが、最近ニュースでも話題のいじめ問題ですが、いじめの定義は、本人が「いじめられている」とおもったらいじめということみたいですね。そうでしょうね。いじめている方の自覚は関係ないでしょう。うまくいえないけど、そういうことかな、とふとおもいました。星空が、今私が見ているように存在している、ということではなくて、存在しているなにものかが、今私からはこのような満天の星空として見えている、ということなのかな、と。私の中の内なるものは、こうしてまるで無関係に存在しているはるか遠くの何かと、実は非常に近いのかもしれない、と、私は急に思いました。カントさんがどういう気持ちでどんな意味を込めてこれを書いたのかは分かりませんが。

いやまさかカプリでカントについて考えるなんて面倒なことをする羽目になるとは思っても見ませんでした。今度行くときはもっとリラックスしてゆったりしたいな。

カテゴリ:

Firenze

今日はなんだか夏が戻って来たローマに、イタリア人の仲良しのAも帰って来たので久しぶりに一緒にコーヒーに出かけてたっぷりおしゃべりしてのんびり過ごした日曜でした。

さて話が前後してしまいますが、フィレンツェで「もしかしたら今までの人生でいちばん美味しかったかもしれない(大げさ)」と思えた食事ができたのでご紹介しようと思って今日はこれを書くことにしました。一番じゃなかったとしても3番以内には絶対入っていると思います。ミシュランの星付きにも結構な数行ったと思うし、それぞれとっても美味しかったんですけど、どう考えてもそういうところよりずっと良かった。前日にフィレンツェのホテルのコンシェルジュに「ゆったりとしたところで美味しいワインを飲みながらお食事できるところを教えて」といったら、ホテルが用意したリストを渡してくれて、「ここは個人的にすごくオススメ」と行ってくれたところがあったんですね。そのレストランとはIl Ristorante Caffè Pitti。名前にCaffèとついているし、場所が超がつくほどの観光地、ピッティ宮殿の広場のド正面。かなり微妙。私とAさんも、「いやぁどうなんだろうね」といいながらとりあえずホテルからヴェッキオ橋を渡って一直線だったので、行ってみるだけ行ってみることにしました。

Firenze

ウィンドウにメニューが貼ってあったので、どうなんだろうと思って見ていると、まあまあ普通のフィレンツェらしいプリミにセコンディが並んでいます。お値段も観光地にしては安いけれど、普通と言えば普通。これといって特に目立つものなしだなぁと思いながらいろいろ見ていたら、中からカメリエーレが出てきました。あとで自己紹介してくれたときに分かった彼の名前はアンドレア。ちなみに話がズレますが、イタリアではだいたい男性の名前はOで終わり(マルコ、ルチアノ、ジュリアーノなど)、女性の名前はAで終わる(マリア、アンジェラ、クラウディアなど)のが普通なのですが「アンドレア」は数少ない例外で、男性の名前です。

アンドレアが私が見ていたメニューに隠れるように貼ってあった別のメニューを示して、「うちのレストランのオーナーはタルトゥーフォ(トリュフのこと)が大好き過ぎて、自分で豚連れて堀りにいっちゃうほどなんですよ」と話しかけてきました。へぇそうなんだ、と思って話をきいていると、黒トリュフの解禁(というかシーズン)は8月末。つまりまさに今がその時。そしてそのオーナーはその日の朝にトリュフをとりにでかけ、大量に持って帰って来たということ。だから同じ値段のお食事でも、いつでも新鮮なものを出すために、今日は大量に出せるということを教えてくれました。

トリュフ好きの私としては飛びつかざるを得ません。ちらっと見てみるとテラスに出ていたテーブルに、観光客目当てのレストランとは一目で違うと分かる、かなりの高級感があったのに気づいたのと、アンドレアが作り物じゃない笑顔を見せてくれたのにかなりつられました。そして何故かお客さんがそんなにわいわいしていないのも、ゆったりしたかった私たちにはぴったりでした。通された席も上のようにかなり個別スペースになっていて、他のお客さんなんて全く見えない場所でした。

Firenze

まずはフィレンツェらしく肉肉したものを、と思ってカルパッチョをオーダーしました。2人でワインをボトルで頼むのはちょっと無理かなとも思えたので、グラスでワインをいただくことにしたんですが、全くワインについて知らない私たち。知ろうともしていないってことも実は問題なんですが、私にとってワインは2種類。「好きなワイン」と「そうじゃないワイン」。そしてなんとも図々しいことに、私、キャンティのワインが好きじゃないんです。何様でしょうか。しかもトスカーナのど真ん中で。おそるおそる「私ちょっとキャンティが苦手なんですけど、なにかオススメあります?」と聞いたら「もちろん!僕はワインが大好きなのでカルパッチョにぴったりのワインをグラスでお持ちします。今夜はワインテイスティングですよ、グラスワインのお値段でいろいろ合うのを持ってくるから」とにこやかに言ってくれました。そして最初に持って来てくれたのがブルネッロ・ディ・モンタルチーノ。「好きなワイン」の味でした。カルパッチョにぴったりでした。

Firenze

イタリアのいつものパンは別に出たんですが、こちらは前菜と一緒にでたとってもクリスピーなパンのチップス。オリーブオイルたっぷりで、感激の美味しさです。カルパッチョをふたりであっというまにペロリと食べたあとは、私はプリモで一番上の写真のタリアテッレ・タルトゥーフォ(トリュフのパスタ)をオーダー。タリアテッレって、パスタの種類としては、同じ平たいパスタであるフェットチーネとどこがちがうの?と思うし、思われることも多いと思うんですが、多分イタリア語としてはそんなに違いはないことになっていると思います。作られる場所で違うかもしれません(北がタリアテッレで南がフェットチーネみたいな感じ)。ですが、これは私の「印象」に過ぎませんが、レストランで「タリアテッレ」と言われると、なんとなくすごくホームメードな感じがします。だからといってフェットチーネがホームメードでないということもないんですが、タリアテッレって書いてあると「お、あの自家製の味」と思ってしまいます。フェットチーネだと「卵が多くてムチっとした感じ」を期待しがちです。参考までに。

アンドレアはこの一皿を「タリアテッレ・アル・タルトゥーフォ」と呼んでいましたが、メニューを見るとタリエリーニ・ディ・パスタ・ディ・フレスカ・アル・タルトゥーフォとなっていたので本来の名前は「タルトゥーフォと新鮮(手作り)パスタのタリエリーニ(タリアテッレより薄いか細いかの意味)」ということでしょう。まさに、そんな味で、口に入れるたびに頬の内側がぎゅーっとなる感覚に教われる、驚きの美味しすぎるパスタとトリュフでした。トリュフが立派すぎる。こんなに大量に巨大トリュフのスライスが載ったパスタは初めて見ました。

Firenze

そしてこちらがAさんが頼んだフィレット・アル・タルトゥーフォ(トリュフとフィレ肉ステーキ)。生肉の状態からテーブルに持ってきてくれてAさんに確認をとったあと、アンドレアが嬉しそうにキッチンに戻っていって、帰って来たと思ったら、どーんとこれです。お肉のボリュームもすごいですけど、載っているトリュフの量もすごい。私たち二人とも完全ノックアウトです。私は実は、レストランで「ひとくちたべる?」とかをやるのをあまり好まないので(でも友人などとそういう雰囲気になれば私も「空気読み」して交換しますよ、ちゃんと)、Aさんと食事をしても、一口ずつ交換をすることは滅多にないのですが、こればかりは我慢できず、とりあえず一口もらってみたところ、後2回「やっぱりもう一口交換しよう」と言わなければいけなくなりました。タリアテッレもそれくらい交換したので、結果的にステーキ1/3パスタ2/3(Aさんは逆の割合)というとても良いバランスになりました。大きなイタリアンサラダも頼んで、すごくフレッシュで美味しかった。この時に一緒にもってきてもらったワインは私も大好きなモンテプルチアーノ。2012年に職場の日本人の友人と一緒にアグリツーリズモのついでに訪れて、ワインを買いまくったところです。私の「好きなワイン」カテゴリーにぴったり入っています。

イタリアではプリモ(第一のコース)は炭水化物、セコンド(第2のコース)はたんぱく質となっていることが多く、プリモはプリモの時間に、セコンドはセコンドの時間に食べることが、ほぼマナーのようになっていますが、こうして観光客に慣れているところは私が「私のプリモと彼のセコンドを同時に持って来てもらってもいい?」と頼んでも、にっこりして「もちろん!」と言ってくれました。真剣な話、こういうふうにちゃんと考えてオーダーしないと、イタリア人の胃袋を持たない日本人の私たちの胃は後々大変なことになります。美味しいので絶対残さず全部食べたいし。ということでとっても良い量と栄養バランスになったあと、アンドレアはドルチェ(デザート)のメニューを持ってきたあと、姿を消してしまいました。

Firenze

どこにいっちゃったの?何か頼みたいよーと思っていたら、なんとフライングでこれを手に現れました。スフォルマティーノ・アル・チョコラート・コン・サルサ・ディ・アランチェ・アマーレ、つまり「ショコラフォンダンとビターオレンジのソース」です。実はチョコラート・フォンダンテはイタリアのデザートの中で一番私が好きなものです(カロリーも多分一番高いものです)。有無を言わさず、これを一皿に、私たちに長いスプーンをひとつずつ渡すと「ちょっとまってちょっとまって」といいながらまた去っていきました。そして持って来たのが写真の奥に移っている琥珀色のキリっと冷えたモスカート・パッシート・ディ・パンテッレーリア(甘いイタリアのデザートワイン)。

私は密かに、ドルチェにはトスカーナならではのカントゥッチ(ビスコッティ)とヴィンサント(これも食後の甘いワインで、カントゥッチを浸していただく事が多い)を勧めてくれるかも、と期待していたのですが、非常に良い意味でこの期待を裏切られ、最高のデザートとなりました。苦みばしったオレンジと75%カカオのチョコレートがぴったり。素敵でディスクリートなシーティングに、こんな完璧なワインマッチング(「好きなワイン」カテゴリーのみ!)と今まで食べたトリュフの中でも最高級のシーズン始まったばかりのトリュフ(去年食べた白トリュフよりも美味しかった)づくしで、本当に全て楽しめました。またトリュフの時期に絶対に行きたいです。だから自分でもちゃんと覚えておくためにここに書くことにしたのでした。

ちなみに翌日の朝、Aさんが会議に行った後、私はレプッブリカ広場の老舗バールのGilli(ジッリ、リンク先は音が出ますので注意)に朝から行って、やや心残りだったカントゥッチをたくさん買いました。新鮮で歯ごたえがいいのにしっかり味がつまっていて美味しいカントゥッチ。イタリアは美味しいものだらけで本当にハズレがないですね。このジッリのカプチーノもなかなか美味しいです。お菓子類も豊富で、テラス席もたくさんあります。観光地っぽいバールではありますけど、夜のカクテルなんかも評判だし、私は17世紀からあるというその伝統の重々しい雰囲気のバールカウンターがお気に入りです。あ、ここでグラスに水を頼むと、リコリッシュの味のする水が出てきました。不思議。

あ、そうだ、最後に、あまり時事問題は扱わないようにしている私のブログですが、あまりに嬉しいので、お盆の週に東京で行ったレストラン(料亭)で撮った写真を載せますね。このお店もたしか一時期ミシュランに載っていたような。

Claudia and Cristian in Tokyo

いやぁ2020年がすごく楽しみですね。

カテゴリ:

夏のフィレンツェ

 | コメント(0) | Edit

Firenze主人のAさんが参加する、とある国際会議が偶然にもイタリアのフィレンツェで行われるというので私も便乗して行ってきました。Aさんは例によって朝から晩まで会議に参加しますが、私はフィレンツェを満喫です。写真はドゥオーモ広場で撮ったものです。サンジョヴァンニ洗礼堂(左)、ドゥオーモ(大聖堂、中央)、そのクーポラ(八角形の赤い丸屋根、中央奥)、そしてジョットの鐘楼(しょうろう、右)が全部入るスポットなのでみなさんせっせと写真をとっています。私も真似してとってみましたが、いざこうして見てみるとはめ込み写真みたいになってしまって、そんなにゴージャスじゃないですね。その場の雰囲気や、この広場に出たときの「おおおおおお」という気分が、当たり前ですけど全然反映されません。残念。

フィレンツェに来る度に、この「花の都」と呼ばれるわりにはおどろおどろしい血塗られた歴史と近隣都市国家とは一線を画する強国だったこのフィレンツェのことをつい、いろいろと考えてしまうのですが、メディチ家、パッツィ家、ストロッツィ家と、権力と政治力と暗殺力と経済力に物を言わせた大富豪たちが宗教と政治を軸にひたすら戦いまくっていたことを思って、なんとも説明しがたいのですが小さな意味での「諸行無常」というものについて想いを馳せてしまいます。もちろん、こうして建造物が残ったり、歴史が動いたり、人類が学習したり(これはどうかな?)して、結果論的には無常ではないのですがひとりの人の人生という視点から見ると、なんだかなぁという感じです。メディチを代表する権力者のロレンツォだって、あやうくこの大聖堂で殺されかけたし(弟は実際にその場で殺されました)、その報復としてパッツィ家の100人くらいが殺されたというし、殺すか殺されるかというギリギリのラインを全員が必死で運を持って生きていたというしかないんだろうなと思ってしまいます。何もしてないのにその家に生まれたばかりにあっさり殺された人もたくさんいるだろうな、と思うと「人生とは」というような壮大なテーマについて考えたくなったりもするのです。考えませんけど。

FirenzeAさんがフィレンツェの学会に参加する間、私は2回に分けてフィレンツェを訪れました。最初はサンタマリアノヴェッラ教会の近く、2回目はアルノ川のヴェッキオ橋の近くにホテルを予約したんですが、どちらもかなり良くて満足しました。写真は最初にとまったサンタマリアノヴェッラの広場にある小さなかわいいホテル、J. K. Placeのテラスで食べた青りんごソルベット。バックにサンタマリアノヴェッラ教会のファサードが映り込んでくれたのでなんだかそのときの雰囲気を思い出せて嬉しいです。ソルベット美味しかった。フィレンツェは盆地なので実はローマより暑かったりするんですが、夜になると涼しい風が吹いて外にいるのがとても気持ちよかったりするのです。美味しいお食事、フィレンツェの景色、仕事からの(無理矢理の)解放、と私はすっかりAさんの出張と仕事を横目にひとりで楽しむことができました。1週間に2回もスパに行けたのもすごく良かったです。またもうちょっと、フィレンツェで思うこともあったので、そんなことも含めてこれからちょっとずつ思い出しながら書いてみたいと思っています。

カテゴリ:

まだしつこく日本に滞在している私ですが、毎日家に籠って仕事をしているので日本を満喫していない気分がします。週末は夫と一緒になんとか外出して買い物に出かけたり美味しいものを食べに出かけたりとしているものの、やはり夫は男なので(あたりまえ)先日友達のMちゃんとショッピングしてすっっごく楽しかったです。やはり洋服やアクセサリーのショッピングは女性同士のほうが、男性に気をつかわなくていいのでいいですね。夫も私の買い物につきあうのはほどほどにしたいだろうし。

これは毎日、日本にいてもイタリアにいても実感することではあるんですが、9年の米国滞在と7年のヨーロッパ滞在で、日本ではすっかり勘違いのナイズ野郎になってしまった私。日本の良いところと自分が住んでいる国の良いところ、逆にそれぞれの悪いところなどがじわじわと見えて来たこともあってすっかり異文化を背負う身になってしまったことを再確認です。もうすっかり変な人です。でもどうしろというのでしょうか。今更日本どっぷりになれない。100%イタリアに感化されることもできない。なにもかも中途半端な私。それなのに自我がしっかり出てしまうのでやたらと嫌な感じの自分がいます。

で、何がいいたいかというと、Mちゃんのショッピング中にまわりを見渡してみてつくづく、文化が違うとショッピングのしかたが違うなーと思いました。すごくくだらなくて済みません。アメリカでは超ド田舎に住んでいた事もあり、そこがカレッジタウンだったこともあって、いわゆる「ショッピング」というものはあまり日常行わず、必要な物を買う、という状態でウォルマートでレブロンの化粧品(やたら安い)を買い込んだり、ライトエイドでヘアセーラムの良いものを見つけたり、コスコ(日本ではコストコっていいますけど、アメリカでは誰がどう聞いても最初の音はカに近い、コォスコーですよね)で美味しいチーズケーキ(だいたい冷凍のホールケーキが12個パックとか!)を探して買って来たり、というような感じの「ショッピング」でしたし、ちょっとシアトルなんかの中都市に行っても行くのはモール。ユニバーシティーモールとかパシフィックプレイスとかベルビュースクエアとか。どのモールも同じような雰囲気なのでどこがどこだったかすら記憶が曖昧です。モールにはいっているのはギャップとかバナナリパブリックなどのいわゆるアメリカンなお店だったし、大量生産、自由に試着、お買い上げ、とベルトコンベア式の買い物だったと思います。

日本でも、まあそこそこ合理的に近いものがありますよね。違うのはヨーロピアンのブランド店が非常に多いこと。しかもイタリアブランド多いですよね。イタリアンデザイナーめ、自国の経済が悪いからといって日本で荒稼ぎしようとしていると思われます。

で、イタリアンブランドのお店に入るとふと自分の住んでいるローマのお店な感じがしてしまって、無意識に同じような感じで買い物をしようとしてしまって、違いに気づいてびっくりする、ということが良くあるんです。

まずマナーとして、イタリアでは基本的にやたらと商品には触らない。これは驚くべき事にスーパーマーケットでもほぼ同じです。ブルガリとかグッチとかかなりの高級品でも、ディスプレイされているものにスっと手を出してファスナーをがっとあけて中を見たり、飾ってあるスカーフをしゃーっと外したり、日本のお店ではそんなお客さんに度肝を抜かれます。そして、あ、ここは日本。大丈夫大丈夫、と自分に言い聞かせます。でももしそんな人が知らずにヨーロッパ旅行したら、と思うとちょっとだけヒーっとなるので、ここに書いておきますが、商品に触るまえに店員さんに「見せてね」とか「触ってみてもいい?」か、あるいは「中はどうなってるの?」などと聞きましょうね。言葉に不安があれば、手で指し示してにっこりすれば分かってもらえます。高級店だったら英語がだいたい通じます。勝手にばんばん触ったりしていたら、イタリア人は分かりやすいので、あからさまにいやな顔をして、間違いなく心の中でチっと舌打ちしながら、「日本人・中国人・韓国人対応店員」などを引っ張ってきて、あとは無視してくると思います。素材が気になってすーっと触るひともいますが、多分あれも微妙に嫌われます。

それはどうしてか、というと、これは私の推測にすぎないのですが、ヨーロッパの買い物文化は、「人」対「人」だからだと思います。まず店に入るまえから、「人」重視です。店の外から見て、ドアをドアマン(ポルティエーレ)に開けてもらえそうなときはにっこり笑顔でアイコンタクトしてドアをあけてもらいましょう。バーンとあけてはいるとポルティエーレに激突したりするので注意が必要なのです。ローマの高級店ではポルティエーレはだいたい礼儀正しく挨拶してくれて、ひとりの店員さんとアイコンタクトをすることが多いです。そのアイコンタクトをした人を自然に見ることになるんですが、その人に「ボンジョルノ」あるいは「サルヴェ」(私はだいたいこっちをつかいます、というのもボンジョルノの時間が限られているし、ボナセーラになる時間も限られていて、私がショッピングするのはだいたいその中間の時間が多いからです)と挨拶をします。するとその人はだいたいスルスルっと笑顔で近づいて来て、「自由に見てね、質問があったらいつでもいってね」などと言ってくれて、一定の距離を持って私をフォローしてくれることになります。ゆっくり商品を見て回って、これきになるな、と思ったら立ち止まって数秒眺めて、さっきの店員さんを振り返ります。すると間違いなく近づいてきて「それ素敵でしょう」などと言ってきてくれたり、「色違いもありますよ」と言ってくれたり、洋服だったら「着てみる?」と聞いて来てくれたりするのです。日本だとこういう接客って「わずらわしい」と思われたりしがちですよね?それは文化(すくなくとも現代の文化)が違うとしか思えません。私のイタリア人の友達は、店員が怠けてアテンドしてくれないことがあると、「なんて無礼なお店なの」とプンプンです。

そこで、「中を見てみてもいい?」「触ってみてもいい?」と」聞くとだいたい、「こちらにどうぞ」とゆったりとしたソファのあるエリアや、カウンターエリアに案内されます。そこでゆったりと商品を選べるということです。私の経験だと、ローマでは、お店がすいているときはだいたいこういうときに「コーヒーでもいる?」とオファーしてくれたり、バブリーなウェルカムドリンクをくれたりします。そこでお店の人に希望をつたえながらいろいろと持って来てもらって、お店にはディスプレイされていない商品なんかも持って来てくれたりして、かなり個人的なショッピングができるということになります。ブランド店だと、ブルガリ、フェラガモ、グッチ、マックスマーラなどでこういうことが起こりましたが、ふつうのセレクトショップの広いところでも一度だけミントティーのサービスがあったので、きっとこういう文化なのでしょう。

というわけで、日本では当たり前で全く煩わしくないセルフサービスショッピング、商品を盗む人がめったにいないという安全な国である証拠でもあるので素晴らしいですが、ヨーロッパでのお買い物では「品がない」と勘違いされる可能性もありますのでお気をつけ下さいね。あと、観光のついでに入ることもあるかもしれませんが、歩きやすい運動靴などだとやっぱり対応は塩対応になると思います。もちろん、H&MやZara、Sephoraなんかだとセルフサービスだし服装をそこまで見られることもないとは思いますけど。でも店員さんはかなり「見張って」ます。うっかり疑われるような行動(バッグをごそごそしたり)は控えめに。

私だったら、ヨーロッパ観光は「舞台」だと思って思い切りおしゃれして、素敵なヒールの高い靴で、歩き疲れても歩き疲れてるのはおくびにも見せずにやせ我慢するかな。それか観光の日とショッピングの日を分けるとか。ローマで見かける日本人の観光客のみなさんはかわいらしくてファッションもイタリアの女性を見慣れた目からみるととても独創的でカラフルで素敵なんですが、大人な女が要求されるところではそこそこ厳しいかも、と思ってしまうのが正直なところです。とかいって私は何様なんだとおもわれちゃいますね。ノーメイクにワンピースに素足で仕事に行くような人が書くような内容ではありませんでした。ごめんなさい。でもちょっとだけ知って欲しかっただけです。

カテゴリ:

Lago di Tennoつくばで未だ休暇中です。休暇は今日までですけど、楽しく過ごしています。結構な大雨だった昨日は、わざわざ柏まで車で行って一日ショッピングに明け暮れました。つくばでもショッピングは事足りるんですが、なんとなくちょっと遠くに行ってみたかったのでした。

さて、今日の写真は先月ガルダ湖に行った時の写真をあまり載せていなかったので、載せてみました。これはLago di Tenno(テンノ湖)という同じ名前のテンノ山にあるフレッシュウォーターレイクです。写真の手前で分かるように、水はクリスタルクリアー。それなのに、奥を見ると、この湖の森で囲まれた地形と、真っ白な石の湖底のため緑がかった青のヒューになっていて、遠くから見ても(山の上の、地元の友達Cが見つけ出した彼女だけのスポットから見た写真はこちら)かなり現実離れした色をしています。逆光で撮影してみると(こちら)、湖面が光らないのでゲル化されているようにすら見えてしまいます。そのSurrealな見た目に反して、よくよく観察すると魚もたくさんいるので(こちら)、湖の微生物などの生態系もなかなか健康的なようですね。

ガルダ湖のまわりがわりと商業的に発展しているのに比べて、このテンノ湖はどちらかというと隠れたお宝といった感じで、私たちが行った午前中はほとんど人がいない状態で、太陽はさんさんと照っているのに水は冷たくて気持ちが良く、水辺はキレイでゆったりと日光浴ができる状態になっていて、かなり私の好みでした。午後は休みの日なんかは人が多くなるのかもしれません。

さてこうしてイタリアに思いを馳せているのも、明日から仕事なのでちょっと自分を何となく日本どっぷりの状態から少しでも戻しておこうというかなり微妙な努力です。だんだんと忙しくなるし、イタリアとの時差があるので会議参加などの調整が簡単ではありませんが、まぁ前向きに目の前の物からひとつひとつこなしていきたいと思います。

カテゴリ:

ガルダ湖より

 | コメント(0) | Edit

Lake Gardaイタリアで最大の湖であるガルダ湖に来ています。前にスペインのセビリアにいったことを書きましたがその時訪ねたイタリア人の友人Cの実家がこの湖の近くなのです。ローマから超高速ユーロスターで4時間で到着したんですが、ヴェローナを過ぎたあたりからだんだんアルプス感が高まってきてわくわくしました。Cはいつも詳しいメールを前もって送ってくれるので快適な旅行ができるんですが、今回も詳しいメールをくれました。以下がその日本語訳。

-----------------------------
チャオ真佐美!

いま実家から書いています。。。ついにやっと休暇中です!

とにかく、あなたが来てくれるのを楽しみにしてるってことを伝えようと思って。水曜日にはあなたにとって一番都合のいい電車を選んでね。降りるべき駅はロヴェレートという駅です。ここを通る電車は全部この駅にとまります。何時に到着するのか教えてくれれば車で迎えに行くからね。

そして以下が、万一あなたが電車の中で死ぬほど退屈になってしまった時に見るべきものです:

ーボローニャをすぎると、いくつかの町で最近起こった大地震の爪跡が見えるでしょう(たとえばS.Felice sul Panaro やPoggio Ruscoなどの小さな町)。崩れてしまった家などが電車の中からでもはっきりわかると思う。

ーヴェローナを過ぎると、平らだった地形がだんだんゆるやかな山の地形になって、さらにどんどん高度を増していって、プレアルプスである私の町の地形に近づいていくのがわかると思います。

ーヴェローナとロヴェレートの間にしっかり気をつけて観察していれば、左側に(あなたがもし電車の進行方向を見ていれば)、素晴らしい山の景色をバックグラウンドにして、素敵な中世のお城が見えると思います(Castello di Avio)。

私の姉がおいと一緒に多分明日か、火曜日に来ると思う。だからあなたも二人に会えるよ!あなたに私の町を案内できると思うとすごくハッピーです!

もうすぐね!
C
-----------------------------

ということで言われた通り、しっかりと周りをキョロキョロしていたら4時間の一人電車の旅もあっという間でした。地震の影響も思った以上に大きくて心が痛みました(電車の中から撮った写真はこちら:S.Felice sul PanaroPoggio Rusco)。アヴィオ城もなんとかやっと写真におさめました。逆光で暗いんですが。

到着したのは夜の8時だったんですが、サマータイムということもあってまだまだ明るいイタリアの夏の夜で、Cの実家でお母様のPの手料理を美味しくいただきました。「首を絞められた神父」という異常に怖い名前のついた前菜や、パンとリコッタとほうれん草でつくったトレンティーナ地方独特のニョッキ、生ハムとメロン、マチェドニアなどなどもりだくさんですごく美味しかったです。結局12時近くまで話し込んでいました。

さて今日は楽しみでつい早起きしてしまいましたが、Cと彼氏のCのふたりが私のためのプログラムを組んでくれているということなので身を任せてきたいと思います。

カテゴリ:

ソレントの海は

 | コメント(2) | Edit

ソレントまた週末がやってきましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。私は今夜は友達のルクセンブルグ人のCの家にお呼ばれです。Cの友達のAとその2ふたりの子供達と、共通の友達のイラン人Sと彼女の旦那様のLとその友達もうひとりと、私で総勢8名で夕食。Cの旦那様のGは現在長い出張中なのです。

ところで今日は、両親とバカンスに行ったソレントのホテルを紹介しようと思います。実はソレントに行ったこの日は、親子3人で、アマルフィ沿岸の街で徹底的に遊び疲れていたのでソレントでは泊まっただけだったんですね。でも到着してみるとこのホテル、すごくかわいらしくて私はかなり気に入りました。写真では左手のロールアップカーテンが降りているので分かりづらいかもしれませんが、角部屋の強烈に景色のいいお部屋でした。ヴェスヴィオ山がキレイに見えるお部屋に大興奮。しかも翌朝は朝もやでそのヴェスヴィオが全く見えない状況になっていてそれも魔法みたいで興奮です。まさにうつつにもゆめむ。

ソレントさらにキッチンもリビングルームも南イタリアらしいキッチュでファンキーなデザインになっていてかなり女の子ウケするのではないでしょうか。朝食がここで提供されていて、2人の奥様達がおいしいパンケーキを焼いてくれたり卵を調理してくれたりで、家庭的な雰囲気もあったりして良い感じです。

朝食をセッティングしてもらった外のテーブルで食事を始めた頃はまわりはまだ朝もやでぼんやりしていましたが、私たちの目が覚めるのと同時に、まわりもハッキリしてきてだんだん外が見渡せるようになってきたんですが、やっぱり南イタリアの海は青いですね。母ともお話していたんですが、この青さって独特です。やはり干潮でも満潮でもあの青さということは、かなり深いんでしょうか?それとも地中海性気候の独特な太陽の光のせいかしら?

ソレントその朝もやの海がこちらです。ソレントの海辺のホテルはだいたい断崖絶壁につくられているので、屋上に入り口があって、どんどん下に降りることでロビーに到着したり海の見えるお部屋に入れたりしますが、これは私たちのお部屋をさらに下に降りてプールのある階の近くまで行ったところにあるテラスです。ここで何時間でも過ごせるね、と両親と話してもう一泊計画すれば良かったと思ってしまうほど心地のいい場所でした。

サービスも全般的に良い感じで、広々としたリビングルームにはたくさんの本が置いてあったし、ゆっくりと休日を「なにもしないで」過ごすタイプの旅行に最適そうです。ソレントのチェントロは逆にいつも忙しい感じがするので、こうしてちょっと行っただけのところに静かなホテルがあることに感激しました。

ソレントさらに、写真で分かるように、ホテルの一番下の階から階段で下って行くところにはマリーナもあって、階段は250段ほどあるので楽ではなさそうですが、頑張って行けばすっごく美味しいシーフードイタリアンのレストランがあるそうです。お腹がいっぱいだった私たちに残念ながら行くことはありませんでしたが、今度ゆっくり行く事があれば絶対に行ってみたいですね。

ホテルの名前はMaison La Minervettaです。真夏のシーズン中は安くはないかもしれませんが、この景色でこの雰囲気でプールもスパもあって、駐車場も安心で、といろいろな意味でお得だと思いました。オフシーズンのお安い時期ならなおさらです。興味がある方は是非。私もまた来年くらいに計画して行きたいと思っています。ローマからソレント、意外に近くて3時間半くらいの楽しいドライブでした。

カテゴリ:

ポジターノこれからちょこちょこ両親とのバカンスやAさんも参加してのバカンスについて書いていけたらいいなと思っています。順序はめちゃめちゃになってしまいますがひとまず思い出せるものから書いていきますね。写真は南イタリアのポジターノの街で行ったサンダル屋さんなんですが、それがすっごく楽しかったのです。ポジターノといえば麻のリゾート着か皮のサンダルか、といわれているのでぜひともどちらもゲットしたかった私としては、このサンダル屋さんを見つけてすぐ、はりきって突進していきました。お店の奥さんに「どうぞどうぞ、中へ入ってみて」と勧められるままに中に入って壁にかかっている膨大な数のサンダルをしばらく見つめて呆然。選べません。

そしたら奥さんがそばにやってきて「まずは形と高さを選んでね」というので私は3センチから5センチくらいの高さがいいんだけど、と言ってみたところ、とりあえずそういう高さのサンダルを持って来てくれました。白と黒のストラップがついていたので、横で母が「えーそのデザインは」というのを制して、「とりあえず形と高さだけだから」というのですがなかなか母に伝わりません。そしてデザインについてごちゃごちゃ言っている母を横に、とりあえず私の足を入れてみると、店の奥さんが、足を入れた時点で3−5センチくらいだから大丈夫よ、といってくれて同じ素材のサンダルのベースで、私のサイズ(37)を奥から持ってきました。今度のものにはストラップはついていなかったので、母が混乱しているのが横から分かります。「どうやら今からデザインを選ぶシステムみたいよ」と伝えるとなんとなく納得した風でした。

私は新しいサンダルはビーチ用にしたかったし、自分のブルーかピンクのビキニに合わせたかったので両方の色を見ていたんですが、いろいろ悩んだ末、結局ターコイズブルーストラップにターコイズビジューがぎっしりついたタイプにすることにしました。2本の幅広のストラップにしてビーチでの脱ぎ履きの良さを重視。そうこうしているうちに奥にどっしりと座っていたご主人が私の足の大きさを遠目で見て、自分の奥さんに、選んで来た私のサンダルのサイズが私の足より大きいと文句を付けました。そこで奥さん、すごすごと奥に行って0.5サイズ小さめの物を持って来たので私の足を乗せてみたところ、たしかにこっちのほうがピッタリ。さすがご主人。経験が物を言う。

ポジターノそれからはこの息子さんの登場です。選んだビジューストラップを私の足のつま先と甲に2本あてて、サイズをはかってから軽い仮止めのために釘を打ち始めました。10分くらい待って(その間は母のサンダルのデザインを選んでました)から試し履き。つま先は良かったみたいですが甲のところが少し緩かったので、後でストレッチすることも考えるときつめにしておいた方がいいよ、といわれて仮止めを外してもう一回内側で釘打ち。また試し履きしたところぴったりだったので本格的に最終釘打ちしてもらっているのがこの写真なのです。

デザインは本当にいろいろあって、母はかかとにまわるストラップをつけてもらっていました。細身のストラップもあるし、サヴォのようなヒールもあります。3色のストラップを交差させるおしゃれデザインもあるし、すごく幅広のストラップにアクセサリーをつけるタイプも。男性用ももちろんあっていろいろ組み合わせているうちに、本当に世界に一つの私だけにぴったりのオーダーメイドになるのですごく嬉しいです。

お店には絶え間なくお客さんも来ていて、私たちがお店にいる間に来たアジア人の家族が、英語はしゃべれるのですがイタリア語が全く無理みたいで、このサンダル作りのシステムが理解できずに苦労していたらしく、英語は苦手なお店の奥さんが「あなたちょっと助けてー通訳してー」というので、おお我が同志の日本人の一家の方なのね、とおもって思いっきり日本語で話しかけたら香港の方でした。私北京語ならなんとかカタコトでいけるんですが、広東語はてんでダメなのでお店の奥さんに香港の方でしたから無理だわと伝えていたら香港の一家は笑いながら「今度イタリア語勉強してから来ます」と英語で私に言って去っていきました。私も中国語頑張ろう。北京語しか頑張れませんが。

ところでお店には浅草土産の下駄貯金箱が飾ってあって、お店のお嬢さんが「ねえこれなんて書いてあるの?」と聞いて来たので「浅草って書いてあるよ」と答えたら「なんて意味?」と聞かれてしまいました。「えーっと地名だけど、」と言いかけたら横で母が「お寺よ」というので「ああそう、お寺の名前でもあるよ」といったら何故かすごく盛り上がってました。なんだったんだろう。でもきっと日本人にもらったか、日本に旅行に行った人にもらったかで、ずっとなんて書いてあるのか気になっていたんだろうと思うので助けてあげられて良かったです。

サンダルの価格は30ユーロから80ユーロくらいみたいです。私のは55ユーロでした。母のは60ユーロ。かなりお得ですよね。今日もずっと履いていたんですが、すごく快適で歩きやすいのですごく気に入っています。完成には10〜20分しかかからないので、忙しい観光の合間でもいい感じです。ポジターノ、またお買い物に行きたいな。

カテゴリ:

バカンス三昧

 | コメント(2) | Edit
ヴェスヴィオ

ご無沙汰しております。4月の末から両親が渡欧してくれて、5月の初めにはAさんも参加して家族でバカンス三昧していました。まだ5月なのに夏休みが終わってしまった気分です。ドイツ、南イタリア、フランスなどなどを旅したんですが、上の写真はソレントからナポリ湾をドライブ中に見たヴェスヴィオ山。

イタロ

ところでナポリはもう数えきれないほど何度も行ったんですが今回またピザ食べに日帰り旅行しようよ!ということになってAさんと一緒にこのフェラーリが作ったという高速電車、イタロに乗っていってきました。ナポリはAさんにとっては2回目。あまりにも完璧なナポリ日帰り旅行を行ってしまったとふたりで感動したのでちょっと書き留めておきます。まずこの電車最高です。前もって予約しておけばなんと片道20ユーロ以下の超低価格。ICなみの値段なのに1時間とちょっとでローマからナポリに到着します。快適すぎる。

ピッツァ

11時半頃に、お目当てのピッツェリア、ダ・ミケーレへ。東京に初支店が出来たらしいですよ。恵比寿にあるそうです。日本ってなんでもありますね。でもここは私のナポレターノの友達も絶対オススメのまさにナポリなピッツェリア。ジュリアロバーツの食べて祈って恋をしてにも出てきました。私はいつもドッピアモツァレラ。モツァレラ倍量のマルゲリータです。ナポリでマリナーラ(モツァレラなし)を食べるなんてもったいなすぎる。でもマリナーラも美味しいんですよね。悩ましいところです。

ダ・ミケーレ

ちなみになぜ11時半かというと、12時超えるとまず上のようなイタリア的なもわっとした行列が始まり、そのあと2時くらいまで長蛇(というより団子状)の列が出来てしまうんです。平日でも休日でも。番号札を渡されて、店の外でぼけーっと待つことになります。そこまでしても行きたい、ローカルの人もたくさんいる、ダ・ミケーレなのです。それにしても恵比寿店行ってみたい。

ナポリの街角

こちらはナポリの何気ない街角。一言でいってカオス、という言葉がぴったりなナポリの街です。軽犯罪は日常茶飯事なので日本人のツアー観光客は自由時間を与えてもらえず、バスから降りて5分で写真をとってすぐ別の目的地へ行って、というようなコースをとるということを知り合いの旅行会社の人に教えてもらいました。スリやひったくりが多すぎるらしいです。確かに怖い感じ。でもAさんも私も無事でした。

ヌォーヴォ城

ヌォーヴォ城をまわってナポリの海風を感じながら街を歩きます。

プレビシート広場

海辺をくるりと歩いて到着するのがこちらプレビシート広場。ここはナポリ最大の広場なんですが、いつだったか日本のバラエティ番組で、「イタリア人は律儀かどうか」みたいなトライアルをやっていて、1日かけて10人(だったかな)の人に、夕方6時にこの広場に来てくれるように約束したらいったい何人来るか、というようなことをやっていて、結局6時に誰も来ない、とがっかりしていたら45分後に20人(だったかな)集まった、という、まさにイタリア人そのものを捉えた特集をやっていたことを思い出しました。そうなんですよ、約束は守るけど時間は守れないんです。そしてやたら友達やら家族やらを参加させたがるんですよね。ほんと、ローマの人もそんな感じです。

バール・デル・プロフェッソーレ

そしてぐるっと歩いてバール・デル・プロフェッソーレで有名なカフェ・ノッチョーラで一息。暑かったのでAさんはカフェ・シェケラートを飲んでました。火山からのお水がコーヒーに最適だといわれているナポリでのコーヒータイムは本当に最高の気分です。

ガレリア

そしてガレリアでショッピング。

マリー


私はマリーという出店的な甘い物屋さんで、私の愛するスフォリアテッラを購入しました。リコッタチーズたっぷりの百層はあるかと思われる貝殻形のパイ。どのお店で買っても、オーブンからアツアツを出してくれるのでナポリでは是非買ってすぐ食べてください。私はお土産と思って買ったのでスフォリアテッラを4つとパスティエラを2つ。翌日には全て私とAさんの胃袋に収まってましたけどね。

サンタキアラ教会

暑くてダレてきたところでサンタキアラ教会へ。外はこんな感じですが、中庭がすごいんです。

サンタキアラ教会

サンタキアラ教会

サンタキアラ教会

ナポリの喧噪のど真ん中にあるのに、突然静かでさわやかな風が吹いていて、本当に癒されます。このあとドゥオモに行ってちゃんとご挨拶してからまたイタロにのってローマに帰って来たのでした。ショッピングも忘れずいろいろたくさんしました。ナポリ日帰り旅行最高です。また行きたい!

カテゴリ:

CasertaAさんと一緒に週末に、日帰りでイタリア南部にあるカゼルタという街の宮殿&庭園を見に行ってきました。ユネスコの世界遺産です。ブルボン家のナポリ王によって1752年に着工され1780年に完成したそうです。フランスのヴェルサイユのようなものを造りたいということだったらしく、いろいろな意味で似ていましたが、規模としては多分カゼルタの宮殿のほうがすごそうです。でもあまりにゴージャスにゴージャスを重ねると、寒々しい大広間がうっかり出来てしまうんだなと思ってしまいました。多分天井が高すぎて、そのゴージャスさが見えないんです。個別の部屋は1400部屋あるそうです。2階の20部屋くらいが公開されているので歩いて回りましたが、もしここに泊まれるとしても、落ち着かなさすぎるね、と庶民な私たちは頷きあいました。

庭園もかなりヴェルサイユを意識してあったんですが広さがすごくて、あとで計算してみたら、合計6キロほど歩いたことに気づきました。歩くのはあまり得意でない私が!と思ってびっくりしましたが、こういうところをのんびり歩くのは嫌いじゃないです。ナポリに近いので暖かいしポカポカ陽気でコートを脱いでゆったりできました。カフェテリアも割と充実していて、ナポリ名物のスフォリアテッラやババがあって、しっかり歩いたあとだったのでゆったりと楽しめました。コーヒーもさすがナポリの水源、おいしいお水のおかげでひと味違うコーヒーをいただけました。この宮殿、映画のロケ地としても良く使われているようで、スターウォーズやミッションインポッシブルなんかが撮影されたそうですよ。

Caserta帰りにはAさんの強い希望で、そのカゼルタ宮殿に水をひくだけのために造られたという水道橋を見に行きました。写真の下の方に写っているのは私のローランギャロス号ですが、比較するとお分かりいただけるように、とにかく巨大な水道橋です。ヴァンヴィテッリの水道橋、あるいはカロリーノの水道橋という名前で知られていて、1762年の完成だそうです。どうやらカゼルタ宮殿の世界遺産登録は、この水道橋も込み(さらにサンレウチョの邸宅群も込み)での登録みたいですね。いつも思うんですが、イタリアって本当に世界遺産多いですね。すごい建築物も紀元前から結構最近までいろいろとあるし、イタリア人って本気をだすととことんすごいですね。本気をなかなか出さないっていうところもすごいです。

この水道橋を見た私たちは嬉しくて写真をとりまくり、宮殿や庭園よりもずっと大興奮しました。庭園の噴水はすごいものだったので、あれだけの水を引くにはこの水道橋が必要だろうなと思わされ、その権力を現代でも見せつけられた気分です。ローマからA1を南下するだけで到着するので、実は日帰りに最高の場所かもしれません。カゼルタ。また暖かい時期に行ってみたいです。

カテゴリ:

ミラノ旅行

 | コメント(0) | Edit

Milano Trip2泊3日で、Aさんとふたりでミラノへ行ってきました。写真は有名なドゥオモ。本当に圧巻です。

旅行ですが、まず微妙に鉄が入っているAさんは2時間59分の超高速でローマからミラノまで直行してくれるユーロスターAVに乗ることだけでもかなり興奮気味になり、しかもローマテルミニ駅にある私たちのお気に入りのバールVyTAで朝食を、というプランにもさらに大興奮し、電車の発車時刻の1時間くらい前に駅に到着するという準備万端ぶりでした。ミラノでもついに最後の晩餐を見ることができたし、ミラノのカツレツやミラノ本場のリゾットに、牛の背骨ごと、輪切りを丸ごとほろほろに柔らかに煮た肉料理もいただいてミラノにどっぷりでした。ホテルもウナメゾンミラノというとてもフレンドリーで良いロケーションのホテルでかなり当たりだったし、最終日に行ったミラノトリエンナーレ現代美術館が思った以上にすごく良かったしで楽しい3日間となりました。

トリエンナーレ、本当に良かったです。併設のデザインカフェでランチして帰ったんですが、そこで食べたアンティパストが強烈に美味しくてそのあと思わずプリモ、ドルチェ、カフェとランチのフルコースいってしまいました。雰囲気も素敵だったし、公園内にある美術館なので景色も良かったしで本当に良い1日となりました。またミラノに行ったら是非行きたいです。トリエンナーレウニコという、その日トリエンナーレで行われている全てのエキシビジョンが見れるチケットが10ユーロで売ってあるので(だいたいひとつの展示が8ユーロくらい)それがお得かと思われます。ポストカードやイタリアの主要新聞のサービスもあって、「ここでのんびりしていってね」というメッセージたっぷりなチケットでした。お得だしなんだか嬉しいし、こういう美術館本当にいいですね。

でも、ミラノは東京くらい寒かったです。歩いていると体の芯から冷えていく感覚が分かるし、顔や耳にあたる風が痛い。そんなの冬は当たり前と思われるかもしれませんが、ローマではなかなか経験できない感覚です。今日ローマに帰って来てあらためて「暖かいって本当にラクなことだな」と思いました。ミラノで仕入れたふかふかの防寒ブーツ、ローマで使うことはあるんでしょうか。まぁ日本で使えばいいか。

カテゴリ:

ファルネーゼ宮殿

 | コメント(0) | Edit

ローマの歴史的中心地区にある、ファルネーゼ広場のファルネーゼ宮殿は、写真の国旗で分かるようにイタリア政府がフランス政府にフランス大使館として永遠に貸している建物です。EUの国旗とトリコロールの間にある窓は、大使の執務室の窓なんですが、明るいときは光が反射して分かりづらいけれど、暗くなるとライトアップの効果もあって、中の美しい天井と、両側の壁のフレスコが垣間見えて、強烈にゴージャスです。そんな執務室で毎日働く大使ってやっぱり大使なだけありますよね。このファルネーゼ宮殿の改築の設計にはかのミケランジェロも加わったらしいですよ。そんな建物が職場だなんて、なんだか遠い目になってしまいます。

実はこのファルネーゼ広場、私は実はすごくお気に入りで、広場に2つある噴水がカラカラ浴場のバスタブを使っているのが圧巻で、それを眺めながら広場でのんびりするのがとても好きなんですね。とりたててこれということもない普通のバールが広場の入り口(カンポ・デ・フィオーリ広場側)にあるんですが、そこの外のテーブルに座ってあたたかいチョコラータを飲みながら、このファルネーゼ宮殿の控えめなライトアップを眺める冬のひとときなんて最高です。あと、もうひとつ、このファルネーゼ宮殿に向かって左側の方にあるバールがちょっとポッシュですが素敵なのでローマに来る方でファルネーゼ広場やカンポ・デ・フィオーリに立ち寄る方は是非訪れてみてくださいね。カンポネスキ・ワインバーという名前だと思います(Camponeschi Wine Bar)。夏は完全に閉まってますので「どのバール?」ということになってしまうかもしれませんが。

そういえばたしか私の両親がローマに遊びに来たときも、ファルネーゼ広場のすぐちかくにあるカンポ・デ・フィオーリ広場でおいしいピザを買って、市場でネクタリンを買って、このファルネーゼ宮殿の周りのベンチで美味しく食べました。カンポ・デ・フィオーリで市場があっているときはその広場は混雑しているのでこうしてすぐ隣のファルネーゼ広場に来ると人ごみから少し離れてゆっくりできるのでおすすめです。

さて、ローマに在住のこの5年の間、私はずっと「ファルネーゼ宮殿に一度でいいから入ってみたいな」と密かに思い続けていたんですが、先日ついに、それがかなったんです。写真の垂れ幕で分かるように、この時期、宮殿の一部を一般公開しているんですね。イタリア人の友達のMが、友達のフランス政府で働いているEに頼んで公開ツアーの予約をとってくれて、さらにあと3人プラスEのボーイフレンドと一緒に合計7人で木曜日に行って来たわけです。

いやぁ、本当に良かった!残念ながらさすがに執務室は見ることができませんでしたが、他のすばらしい彫刻や絵画、そしてファルネーゼ家の「音楽室」であったと言われるカラチギャラリーの、まさに息をのむゴージャスフレスコを見ることができて大感激。このあと、イタリア人&フランス人&日本人の私たちが集まってアペリティーボしたんですが、そのときみんなで話したのが、フランスがいかに反英語主義かということ。この展覧会、オーディオガイドこそ英語版があったものの、全ての展示はフランス語かイタリア語のみでした。さすがフランス政府。4月21日まで公開しているみたいなのでローマにいらっしゃる方は是非どうぞ。

カテゴリ:

 1  |  2  |  3  |  4  | All pages »

このアーカイブ内の全エントリ

アーカイブス

マンスリーアーカイブ

カテゴリ別アーカイブ