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モルドヴァより

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Moldova月日があっという間に過ぎていきますね。私は今モルドヴァの首都、キシナウに来ています。2月の始めに出張でパリに行ってきて、オペラに行ったりしたのでそのことも書きたいと思っていたのですが、日々の生活に追われてしまってもう2月もあと1週間とちょっとしかありません。モルドヴァでは久しぶりにキャパシティービルディングの仕事をしています。こんな感じの仕事を最後にやったのはコロンビアだったと思うので結構長い事現場から離れていたこともあっていろいろと新鮮です。

ところで写真はモルドヴァ料理。黄色い丸いものはママリーガと呼ばれるとうもろこしで作った主食(ポレンタ)です。私は熱々のポレンタが大好きで、北イタリアでもよく出るのを嬉しく食べるので、モルドヴァ料理はママリーガというポレンタだよと聞いたときは小躍りしました。これにチーズやディル入りのガーリック、サワークリームなどをかけて、豚肉やベーコン、スクランブルエッグなどと一緒にもりもりといただくのです。感動的な量とがっつり感です。食べ盛りの高校生なんかは喜ぶだろうなーと遠い目になってしまいました。他にも真っ赤なモルドヴァのボルシチ(ロシアのとはちょっとちがうのです)や餃子みたいな見た目のペルメニ、なにこれ!おいしい!と叫んでしまったプラツィンダなど、今回モルドヴァ料理にはちょっと盛り上がりました。飲み物もクランベリー系の美味しいジュースやお酒もあるし、ワインは言うまでもなく有名ですし、言うことなしです。そこはかとなく家庭料理感満載なのも好感度が高かったです。

仕事はそこそこ順調にいきましたが、なによりも収穫だったのは、私が毎日ローマでせっせとやっている科学的な仕事が実際の現場で使われるとどうなるのか、というのをちゃんと見ることができて、反省点などもたくさんメモできたことです。時々はキャパシティービルディングの仕事もしてリアリティチェックをしなきゃな、という気分になりました。こんなの当たり前のことで誰もが同じことを必ず言うし、私も今までに何度も同じことを言ったり思ったりしてきたんですが、やっぱり体感するともう一度「ああこれは大事だな」と改めて思えます。良い実感的リマインダーです。

モルドヴァの国民はウクライナと同じように親ロシア派と親EU派(というよりルーマニア派かな)に分かれていて、いろいろな歴史を知ったり、個人の経験談やソビエト時代とその後の話を聞くと非常に苦い気持ちになります。小国がピンポンのボールのように、いいように扱われて、そして発展する機会も与えられずに今は大国のはざまでどうにかしたいと思っている状態なんですね。なのに内政では国民が全体的に2分されていて、それも歴史と過去の占領のせいでそういうふうになっているかと思うと、いったい誰がどうしたらこの状態はよくなるのか、という途方にくれる気持ちになります。今はロシアの為替のせいでモルドヴァの通貨も大打撃を受けています。経済は決して良いとは言えないし、良くなるとは思えない状態なのです。通りには、長く寒い冬が終わる3月1日の春の到来を祝うためにお祭りの赤と白のアクセサリーやクラフトの出店がたくさんあって、外気は耳が痛くなるほど冷たいのですが、それでも春を喜ぶ、人々の「明るくあろう」という姿にちょっと感動すら覚えるのです。といっても本人たちは普通に生活しているだけなので私がこんなセンチメンタルな気持ちになるのは大きなお世話だとは思うんですけどね。

モルドヴァはゆったりとしていてキレイで素朴で食べ物が美味しくて、あっという間に気に入りました。また来れたらいいな。

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